日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

Bトレで大宮の101系訓練車を作る(2/2)

(この記事は「Bトレで大宮の101系訓練車を作る(1/2)」の続きです)

・屋根板

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ベンチレーターの色が青みがかった灰色だったようなので、Mr.カラーのNo.35「明灰白色(三菱系)」で塗装。

まずベンチレーターに細切りのマスキングテープを巻き付けるようにして側面を覆い、次に上面にマスキングゾルを付ければきれいにマスクできます。

あとはGMのNo.35「ダークグレー」で塗装してツヤ消しクリアーを吹けばおしまい。

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パンタグラフもあわせて塗装しておきます。

それと、無線アンテナも追加しておきます。

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屋根板に穴を開け、鉄コレの付属品と思しき適当なものを屋根と同じように塗って取り付け。


・ガラスの塗装

Bトレの101系・103系は窓枠の一部がガラス側に表現されています。この部分、筆塗りだと格好が悪いのでエアブラシで塗装。

画像は他の車輌の制作記からの流用ですが、

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中央の窓を保護して、
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適当な紙に適当な穴を開けて、
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こんな感じにマスキング。この上から色を塗るわけです。

この車輌の最大のトラップ、実はここにあるかもしれません。一般的な車輌と異なり、左右共に同じ色を塗ったら負けです。ちなみに私は負けました。


・Hゴムの色差し

あまり広くは知られていないようですが、ポスカを使うと、簡単に、きれいにできます。
ペンタイプの色差しツールにはおなじみのガンダムマーカーがありますが、隠ぺい力が弱いうえに乾燥が遅く、関係ない場所にまで色が付いてしまうためお勧めできません。

今回、側面ガラスはHゴム色差しの必要がないのですが、妻板と前面には使用しました。

・車番インレタ

この車両には車番が入っています。バラ数字からナンバーを作り出す練習も兼ねて、キシャ会社製のインレタを使用。

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だいたいどの車番インレタもそうですが、下に線が引いてあるのでそこに合わせて転写してやればいいのです。

ところがこのインレタ、古いのでうまくくっついてくれず、転写が大変でした。キシャさんが悪いんじゃなくて古いのがいけない。

ちなみにこの「キシャ会社」、このご時世にホームページを持っていないそうです。JNMAが言うんだから間違いない。

入手が容易なGMのインレタではない理由はただ一つ、このキシャのインレタが某所のホビーランドぽちで安売りされていたからです。「クモル」や「キユニ」「モハネ」「クエ」などマニアックな文字が収録されていて、事業用車趣味がはかどると感じて購入したのですが作業ペースの遅さゆえにちっとも使えていません。なんてこった。

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それと、インレタは専用の転写ツールがあった方がいい…もとい、ないと辛いです。ぜひ購入しましょう。インレタ本体も決して安いものではないので…

・行先&運番

報道陣に公開された際の行先表示は手作り感満載の「新大宮」でした。近鉄奈良?知らないなあ

f:id:hinodemaeinspection:20161207110422p:plain:w200←画像ですよ、コレ(^^ゞ
ワープロの香りがする文字をWindows Paintで作って…
f:id:hinodemaeinspection:20161219215500j:plain:w300←ガラスが汚い…あとで掃除しました。(制作途中の画像です)
家庭用のインクジェットプリンタで印刷。便利な時代です。ちなみにフォントは「MS P明朝」を使いました。手作り感の原因はこれかも。

とはいってもMS明朝が登場したのは1992年(Windows3.1の時)、この101系が訓練車に改造されたのは1989年ですから、実物が昨今ありがちな「適当にパソコンで作った」代物でないことは確実です。深まる謎。



話がそれましたね… (^^;
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運行番号は、大昔のGMのステッカーを利用。品番はS-432で、名称は「101系ステッカー」。

本来の101系だけでもかなりマニアックなものまで収録されている上に、他の車種のステッカーもあるので色々な意味で素晴らしいのですが…

細かい部分は結構いい加減で、

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御茶ノ水がOCHIANOMIZUなのは序の口、(/ロ゜)/オチィエアノミズゥ!


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(*。◇。)タティカァワァ-

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全体の傾向としてタ行がおかしいのかな?

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当時のグリーンマックスの労働環境が心配になってくるような間違いのオンパレードです。

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もはやここまでくると逆に気付かないもの。このステッカー、たぶんと言うか確実に担当者は鉄道ファンじゃないな…


少し前に書いたGMの211系5000番台の記事のように、昔のGMステッカーやデカールは観察すると面白いです。皆様もぜひ。


最後に大きく話がそれましたね、運行番号はありがたく使います。クモハ100-171には報道向け公開のときと同じ"05A"を入れておきます。


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部品が入手できなかったため最後になってしまったのですが、ここでようやくクモハ101のシールドビームを取り付けます。

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レボリューションファクトリーの1641「EF15ライト ブタ鼻パーツ KATOサイズ」を使用。2灯式シールドビーム化改造にはGMの101系のパーツが便利なのですが、切らしてしまったのでこちらを購入。切り出すときに形状を丸く整えるのが難しい部品でした。

最後にエナメル塗料の銀で色差し。




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さて、ようやく完成しました。

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特徴的なペイントを真横から。

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一度でいいから実車を見てみたかった。もっとも、ネット上にもまともな写真がない以上、見ることができたのは「中の人」だけだったのでしょうが…

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クモハ100を前に。

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クモハ101を前に。

・後日談

パトランプを安価で大量に生産する方法を思いついたので取り付けてみました。
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訓練車らしさを演出する大事なアイテムですね。作り方はこちらの記事内に書いておきました。
大宮の103系訓練車を作る(3/4) - 日ノ出前検車区




今度はフルサイズのNゲージで作ってみたいものです。


→作りました。


・おまけ~GMとFARBEの「クリーム10号」~

この制作記のなかでチョロッと書いた3枚目の妻板の話です。
実は大船工場の101系入換動車のために塗ったもので、車体のクリーム10号はグリーンマックスの鉄道カラーです。結果的に、今回の色とは違いました。

写真で色を云々するのも野暮かも知れませんが、比較画像を貼っておきます。

・太陽光で
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・白色蛍光灯の下で
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・電球色蛍光灯の下で
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こんな感じになります。GMのほうが白っぽいですね。塗った身としては、FARBEのほうが隠ぺい力が強くて使いやすかったです。色に正解はないので、状況に応じて使い分けると表現の幅が広がるかもしれません。

・外部リンク

MS 明朝 - Wikipedia
何気なく使っているフォントの生い立ちも、調べてみると楽しいものです。

・こちらもあわせてどうぞ

・更新履歴

2017/06/23 加筆

Bトレで大宮の101系訓練車を作る(1/2)

相当にカゲの薄い事業用車です。

落成時に報道陣に向けて公開され、カラー写真が
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・鉄道ファンのNo.345(1990年1月)
・とれいんのNo.180(1989年12月)
に載っていますが、それ以外の資料があまりありません。
f:id:hinodemaeinspection:20161023135830j:plain:w200鉄道ピクトリアルのNo.874(2013年4月)でさらっと一文だけ言及されていますが「種車番号は不明」となっていて、この車輌に関してはあまり良い資料とは言えません。

ちなみに上記の鉄道ファンととれいん、共にキロ59「セイシェル」の取材に気合が入っています。作る方は是非…

[クモハ101-201][クモハ100-171]

で編成を組んでいて、側面には種車の車番が書いてあったものの車籍はありませんでした。側面2両分を使って「JR」と大書してあるのが特徴的です。

・車体の加工

外観上の形状は営業運転時代とさほど変わっていないようです。

まず前面のライトを削り取っておきます。ブタ鼻ライト(シールドビーム)を取り付けるためです。

・塗装

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前面はマスキングゾルを流してガラスを保護。
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側面と共に、FARBEの#026「緑14号」を吹き付けます。

・側面のマスキング

特徴的な形になる、側面のマスキングテープの切り出しはフリーハンドでは無理なので、

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Bトレの側面パーツをスキャンして、

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PCで画像の上にお絵描き。GIMPのレイヤー機能を使えば楽かもしれませんが、Windows Paintでも十分です。難しい曲線の部分は、楕円ツールを使って描いた曲線の一部をコピーして使うとやりやすいかも。

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こんな調子で
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どんどん描いていきましょう。

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JとRの傾き、同じなほうがいいかな…?

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Jを描きなおし。

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これで大丈夫かな。

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大きさを合わせて印刷して、
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透明なプラ板を重ねてずれないように固定し、マスキングテープを貼り込んで、
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透かして見ながら切り出します。

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これを貼りつけて、
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段差もしっかりとカバーして、





…ここでふと手が止まりました。

車体が平面なことを前提に切り出したマスキングテープなので、凹凸があるとズレるのです。今回使っている101の車体は、Hゴムが車体に表現されている仕様。当然、車体は平面ではありません。


まさにこの車輌こそ、アレの使いどころなのでは…と。


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こちらです。金型改良後の製品なのか、Hゴムがガラス側に表現されている代物。偶然、手元に2両分ありました。乗務員扉の表現も改良されているようです。
ジャンクを買うなら断然こっち。なかなかお目にかかる物ではないのですが…


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ちなみに従来品は側面裏の刻印が"K103A(1/2)"となっているのに対し、新しい方は"S1000A(1/2)となっています。

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カンのいい方は既にお気づきかと思いますが、なぜか新旧の側面でA1とA2の対応関係が入れ替わっています。
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しかも、妻板もあわせて新規製作されています。成型色は無色透明、金型番号は"S1000B3"となっています。

もったいないと考えて今まで使ってこなかったのですが、今こそ使うべき。

要領は掴めているので今回は速いです。先程と同じ工程で同じところまで持ってきます。


・前面

実車の写真は雑誌を購入して見ていただくとして、ちょっと不穏なツイートを見かけたのでリンクを貼っておきます。

…はい。雑誌に掲載されている写真は、とれいん&鉄道ファン、共にクモハ100を手前にして撮った写真でした。クモハ101のお顔は写っていないんですね。
そしてここに、クモハ101は原型ライトだったという情報があるわけです。

信憑性に関しては何とも言えませんが、本当にこの通りだとしたら模型的な面白さが増します。そうだそうしよう(オイ、イクラナンデモ キメンノ ハヤスギダロ

ライトをを削って塗るところまで行ったわけですが、なかったことにして別の前面を用意します。101系の改造ネタなんていくらでもあるさ


塗り分けですが、ただの折れ線だし(切り出しは)定規だけでイケるだろー、とか考えていたのですが無理そうでした。こちらもパソコンを使います。

前面パーツをスキャンし、Windowsのペイントでお絵かき。

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こんな感じになりました。

側面と同じ要領で切り出して
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前面に貼りつけて、
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マスキングが完了したら、妻板も登場させてFARBEの#027「クリーム10号」で塗装。
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なぜ妻板が3枚もあるのかって?君のような勘のいいガk…作った他の車輌に使おうと考えていたんですよ。塗り忘れていたんです(`・∀・´)ノ

車籍すら無いような車輌、塗装に関する詳細な資料はないのであくまで推測ですが、クリーム10号に緑14号という組み合わせはストライプの185系の配色そのものなので、JR東日本が車輌に塗る色として十分あり得たのでは、と考えています。

塗り終わってマスキングを剥がすとこんな感じ。
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いいんじゃない?



長くなったのでここで分割します。続きはこちらからどうぞ。

【番外編】繁華街の某カラオケに宿泊してみた【青春18きっぷの旅?】

・はじめに

この記事では、私的な用事の都合でカラオケに宿泊する羽目になってしまったときの体験談を扱っています。

サンプル数が1な状況で結論を出すのは如何なものかと考えもしましたが、今の段階の個人的な結論を言うとカラオケ泊はやめとけとなります。

これは当たり前ですが、カラオケは宿泊施設ではありません。

「(本来は宿泊する場所でない所に)泊まってみた」系の記事となるうえに、結論が上記の通りとなる以上、マイナスなことを書く羽目になるのですが、これは別に私が行ったカラオケが悪いわけではありません。

評判を傷つけてしまうのは不本意なので、今回は店名もエリアも伏せます。




青春18きっぷ旅行の際、都市部で一泊するときの選択肢としてカラオケが挙がってくる可能性もあるので、タイトルには一応そのように書いておきました。



・お値段


繁華街のカラオケ店の場合、下にキャッチがいます。一緒にいた友人がその道のプロ(?)だったため、「キャッチをキャッチして値引き交渉」という技を繰り出しました。
交渉術はよく覚えていませんが、なんやかんやでソフトドリンク飲み放題付きで6時間2000円になりました。一泊のお値段としてはそこそこ…


どうでもいいのですが、気がついたらドリンクは一滴も飲まないまま時間が来てしまっていました。フリーソフト要らなかったやんけ。




寝具

寝具と言ってはいけません。要するに、「イスに寝そべることができるか」という話です。

私が行ったところでは無理でした。コの字形の座席だったのですが、1辺の長さが足りない。おまけに、コーナー部には謎の動かせないブロックが配置してあって、各辺の有効長が余計に短くなっていました。本来の用途で使う際はドリンクや選曲用の端末など、小物を置く台として重宝するのでしょう。

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仕方がないので、図のように体を配置して寝ました。橋か。
今思えば、ブロックの上に足を乗せればよかったのかも知れません。


2人で行ってこのような部屋に案内されたので、結構な人数で行かないと十分な寝具は与えられないでしょう。←いやだからカラオケは宿泊施設ではありませんってば




・音


カラオケの個室はそれぞれが防音ルームになっているそうです。…が、物事には限度というものがあってですね、


どこか近隣の部屋で、遊助の『ひまわり』とか大塚愛の『さくらんぼ』を、
それはそれはひどいデスボイスで歌っているどう考えても酔っ払いの団体がいてですね、


ホントにもうジャイアンみたいでした。あれ歌ってるって言わない。
ボエ~~~~~ホゲー~ーー~の世界。でも悪いのはこっちです
カラオケは宿泊施設ではありませんからね。





・光


雰囲気作りのために暗めに設定されていますが、それでも仰向けで横になると眩しいもの。当たり前ですが消灯はできません。音の聞こえにくい個室、いい雰囲気になった2人は…といった事態はカラオケ側としても避けたいもの。仕方がありません。カラオケは宿泊施設ではありませんからね。





・カラオケの機械


私が行ったカラオケの個室で一番厄介なのがカラオケの機械でした。まずモニターが複数ありました。画面の明るさもそこそこ。それに、デモムービーのようなものが延々と流れ続けていました。当然サウンド付き。モニターのスイッチを探しましたが、どうやら消せるものではないようです。消音の機能もありませんでした。

チカチカする画面とよく分からないサウンド。一晩中エンドレスで流れ続けていました。



天井のライトと合わせて結果的にどうしたかと言うと、持っていたコートを顔にかけて遮光しました。暗くなるとハッキリ伝わってくる、近くの部屋からの重低音。

何度でも書きますがカラオケは宿泊施設ではありません。





・まとめ

カラオケは宿泊施設ではありません。






24時間営業のファミレスに入って夜を明かす「ファミレス泊」や、24時間営業の牛丼屋のカウンターで仮眠を取る「牛丼泊」も聞いたことがありますが、さすがに都市伝説だと信じたいものです。

Bトレで大船工場の101系入換動車を作る

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シーサイドライナーヨコスカ」計画が頓挫してできた車輛です。知名度はかなり低いように思います。

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書籍の情報といえば、鉄道ピクトリアルNo.874(2013年4月)に情報が少しだけ文章で書かれている他は見かけたことがありません。
Yahoo!Googleの検索で画像が2枚、Twitter検索でさらに2枚見つかりましたが、かなり資料が少ない状態での制作となりました。

やほお&ごおgぇ検索は皆様にお任せするとして、ツイートの方はここに貼っておきます。ツイッターは検索ヒット条件が完全一致なので、過去のツイートを掘り返すのは大変なんですよね…


https://twitter.com/simakaze485/status/768822347293831169


・塗装の前に

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101系の車体と前面を用意。片方はジャンパ栓受けなし、もう片方はありを選びます。前面の原型ライトを削り落とし、GMの101系の板キットについていたブタ鼻ライト(シールドビーム)を取り付け。

・車体の塗装

車体と前面をGMのNo.22「ブルーB」で塗装します。

余談ですがこの色、元々は「小田急の色」と案内されていたので小田急1000形のために購入した物ですが、そうです、今の小田急色ではなく、黄色と青の塗り分けの時代のものでした。だまされた。今回は国鉄車なので何かしらの国鉄色を使ったほうが良かったのでしょうが、手持ちになかったので代用しました。

まずは、実車の写真とにらめっこしながら側面デザインをデフォルメ。
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そのデザイン案に沿ってマスキングして、この時点で事業用車に見えたらあなたも私と同じ病気です
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妻板とともにGMNo.21「クリーム10号」で塗装。

さらっと書きましたが、この塗装なのでマスキングが大変に面倒です。

しかもGMの塗料は隠ぺい力が弱いらしく、厚吹きしないと下地の濃い色が消えてくれません。色合いもかなり白っぽく、あまり実感的ではありません。今回の車輌は退色したイメージがあるので良いのですが、通常の車輌ならばFARBEのクリーム10号を使った方が良いでしょう。記事の下部にそちらを使った制作記へのリンクを貼っておきます。


・車体の仕上げ

まずは旧型の車輌で大変な作業、Hゴムや押さえ金具の塗装から。
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以前、Bトレの大宮の103系訓練車を作ったときに紹介したポスカを使います。(下部にリンクあり)
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隠蔽力も強く、クリームと青の塗り分け線の部分でも下地の色の違いが分かりません。

ちなみにガンダムマーカーですが、インクの乾燥が遅いために余計なところへ流れてしまう可能性が高く、しかも隠蔽力も弱いので全くおすすめ出来ません。

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方向幕は透明な両面テープを使って裏から貼り付け。幕はBトレの101系の付属品を使用しました。実車に合わせ、「ズレ幕」も再現。
実車は「試運転」や「回送」など、変わることもあったようです。

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使った両面テープはヨドバシで買ったニチバンのTW-18SDですが、「裏紙(はく離紙)がないので簡単に貼れる」…
いや、透明度が大事になってくるこのような用途の場合、非常にやりづらいです。まだ使っていない部分ににゴミやホコリが付いたらアウトなわけで…



最後に、塗装保護用のクリアー塗装。仕上げのトップコート塗装の修正痕をごまかすくたびれたイメージを再現するためにつや消しを選択。

実は今回、「100円ショップのマスキングテープで模型にマスキング」の試験をしていました。事業用車だけに
不幸にもマスキングがうまくいかず、筆塗りによる修正の嵐となってしまいました。

あれですね、そもそも100円ショップのマステは「模様をきれいに出す」ために、まっすぐ貼れる素材になっています。模型の表面の凹凸に追従するための柔軟性が欠けているので、側灯やHゴムのモールドなどを拾ってくれないんですね…


ちなみに、つや消しクリアーは湿度の高い日に吹いてはいけません。
白っぽくなり、汚くなります。ただし、上手くやればくたびれて退色した塗装の表現には使えるかも…?

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・屋根のパイピング


架線のない場所まで車輌を押し込めるように、実車が「前パン」仕様に改造されていました。
資料が少ないので断定はできませんが、配管類はおそらく屋根の上を通して妻板から下におろしていたのでしょう。

このような屋根板はBトレの製品に見当たらなかったので、練習も兼ねて初めてのパイピングをしてみることに。

前パン車は、ランボードや避雷器を活かすために中間車のパンタ屋根板を使います。元の配管モールドは削り取っておきます。

当初の予定では、

プラ板から切り出した台座を貼り付け

φ0.2のドリルで台座と屋根板に穴開け

極細の針金を穴に通して輪っかを作る

輪っかに針金を通せば母線のできあがり。

…という計画だったのですが、台座は垂直平行が守られず、貼りつけてから穴を開けると台座が回転力に耐えられず剥がれてしまいました。

剥がれなくても台座に2つの穴を開けるのは難易度が高く、しかも穴あけ開始から少ししたらドリル(φ0.2)が折れてしまいました。1000円近い損失ナリ。


ここで、配管に有用な金属パーツがあるとの情報を得て、トレジャータウン製のTTP215-32「屋上配管止めバリエーション2」なるものを購入。
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こちらは、プラ台座の上にシンプルな輪っか状のもの。

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台座が失われた箇所は、輪っかの下に台座(?)らしきものが付いたパーツを使用。これもまた高さが2種類あって、かなりマニアック。


これでイケるぞ……とか考えていたのですが、この配管止め、適合する針金はφ0.2mmのものです。母線なのでφ0.3を使おうと考えたのですが、穴に挿さりませんでした。パッケージを見ると、「φ0.4mm程度の配管には別売り215-04や215-31をどうぞ」とあります。母線に使うならそちらのほうが良さそうです。



空気作用管は細い配管が横に2本並ぶので、今度こそ「~バリエーション2」を使ってやろうと考えたのですが、どうやら全ての配管をこの配管止めで固定するのはおかしいようです。開ける穴は一つで済ませたかったので、
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某氏に教わった「源氏パイ」で固定。これなら大きめの穴が一つで済みます。

もう少し分かりやすい写真を…
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こういうことです。ビジュアル的には絵に描いた芽かな?

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これを繰り返します。

固定用の輪っかが用意できたら、まずは空気作用管のほうに…
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φ0.2mmの真鍮線を2本用意して挿します。実車をイメージしてパンタグラフの下は曲げてみました。

母線のφ0.3mmも付け終わると、
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こんな感じになりました。

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上下方向はデコボコ、左右も歪みがありますが、初めてだしまあ多少はね?

パイプをしっかりと固定したら、妻板に下りる部分はは適当に曲げて屋根だけで完結させます。

なお、このままだと妻板の配管モールドとは合いませんが、
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実物の101系と103系は空気作用管と母線の左右が逆でした。一方Bトレの妻板は、
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左右の話をするならば103系タイプとなります。Bトレでは101系も103系も屋根板と妻板の部品が共通なので、意図的に左右逆にパイピングしてみました。妻板と合わないのはこのためです。

しかし、合っていないのもそれはそれで気持ちが良くないので(オイ、端のほうで曲げて強引に合わせてみました。

・手すりの別パーツ化

屋根板を前後逆で使う都合上、パンタ付近の屋上手すりの表現がなくなります。実車には付いていたようなので別パーツで付けてみました。
使用するのはトレジャータウンのTTP201-12「汎用手すり 1.2mm幅」。ランナー(?)の部分に穴あけ治具が付いてきます。
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写真が完成系に飛びますが、最終的にこんな感じに仕上がりました。取付穴はφ0.3mm。大きすぎないか、と思ったのですが裏から接着剤を流すと余計な隙間は埋まるものなんですね。

ちなみに101系と103系、妻板側の昇降ステップも左右逆になっていたようです。そのため例の如く妻板との整合性がとれていません。



また、後パンタ車輌の、側面昇降ステップの上の手すり(何と呼べばいいのでしょう)も浮かせた結果、最終的にこうなりました。
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こちらは上記の汎用手すりの「ヒゲ付き」を使用。塗る前はなーんだぁたいしたことないじゃーん状態でしたが、塗装すると目立つようになります。いい雰囲気です。

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最後に、カッターとヤスリで屋根板の長さを調整。中間車用は先頭車用に比べて数ミリ長いんですね。本来は一番最初にやるべき作業ですよ?


・屋根の塗装

塗装の前に、油を落とさなくてはなりません。一般的には石鹸水に一晩漬け込むなどの方法が採られることが多いようですが、瞬間接着剤は水に弱いため、この方法は不採用。歯ブラシでゴシゴシもパイピングを痛めそうだったので、洗剤とで洗ってみました。毛先の軟らかいものがおすすめです。

金属に塗装するので、まず最初にメタルプライマーを吹いておきます。

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その上に、ベンチレーターの色としてMr.カラーのNo.97「灰色9号」を塗装。クレオスさん、通常シリーズでしれっと鉄道カラーを出しているんですね…
色合いはGMカラーよりも実感的ではないかと。
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鉄道色としては珍しい「ツヤあり」です。個人的な考えですが、表現の幅が広がるので鉄道カラーは光沢仕様で出してほしいところ。もっとも、業界の流れとしては半ツヤで出すのが常識なのでしょうね…阪急マルーンとか半ツヤで出されても困ると思うのですがどうでしょうグリーンマックスさん???


話が逸れましたね。
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ベンチレーターを保護するため、マスキングテープを筒状に巻いて上からマスキングゾルを塗ります。屋根板の色として、GMのNo.35「ダークグレー」を塗装します。

本題はここから。立体化したパイピングの塗装は筆塗りが主流のようですが、某先輩のアイデアを使って
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配管の下にテープを潜らせるようにしてマスキングして
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あくまでもエアブラシで塗り分けようと。サラッと書きましたが超面倒くさいです。

マスキングが済んだらMr.COLORのNo.35「明灰白色(三菱系)」を塗ります。

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塗り終わるとこんな感じ。
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布のような質感のなかに直線。ミリタリー系のカッコよさを感じるのは自分だけでしょうか…?

マスキングを剥がすと
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ベンチレーターも屋根も保護できていない…あちこちに変な色が付いていました。マスキングって難しい。


ダメな部分は筆塗りで修正します。本式のNゲージならばベンチレーターは別パーツなので、場所によってはBトレのほうが塗装が面倒だったりするのです。


最後に、Mr.カラーのNo.182「スーパークリアーつや消し」で保護塗装。
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初めてにしては上出来かな??

パイピングっていいですね。まだまだ「ごはんn杯いける」の次元には到達できていませんが、ライス(小)ぐらいならいけそう。

パンタグラフの塗装

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屋根板と並行でパンタグラフも塗っておきます。メタルプライマー→Mr.カラーNo.35→つや消しクリアーの順です。
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このパンタ、ジャンクで購入したKATOの205系に付いてきたものです。PS16系列かと思いますが、現行のKATO製PS16よりも線材が太く大ぶり。リニューアル前の製品でしょうか。
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パンタの塗装はかなり効果が大きいです。鉄コレのN化の際、パンタを塗装すると文字通り化けます。金属むき出しとは比べ物になりません。缶スプレー一本から出来る加工なのでぜひお試しあれ。


・組み立て

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前パンタの屋根板はジャンパ栓受けのある車輌(クモハ101)に、前後逆に取り付けます。ガラスと屋根板をつなぐピン6本中2本が使えなくなりますが、保持力は十分。むしろ、かなりキツかったので屋根側のパイプの内側をリューターで少々削っておきました。パイピングしたものを力いっぱい押し込むのは怖くて…

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下廻りは、適当なBトレ床板に鉄道コレクション第20弾の動力化用台車レリーフを付けたもの。ボックス買いしたので大量に余っていたものです。ぜんぶ動力化したら破産するよねアレ


最後に、戸当たりゴムにコピックモデラー0.02(ウォームグレー)で色入れ。灰色系統のゴムはこれでOK。ガンダムマーカーとは比べ物になりませんよ。



さて、めでたく完成です。

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このアングルから見ると…
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手すりの間から姿を見せるベンチレーター。

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この角度からだと…
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立体感のある車端部。魔改造してないほうが部品の合いが悪いのが気に食わない


前面をアップで。
f:id:hinodemaeinspection:20170201084100j:plain:w200前パンの101系。
f:id:hinodemaeinspection:20170201084110j:plain:w200こちらはズレ幕を表現。

尾灯はあえてマスキングして透明で残し、後から赤のペンで塗ったのですがちょっと失敗かもしれません。


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いずれ、本格的なNゲージのパイピングもしてみたいものです。



・こちらもあわせてどうぞ


FARBEのクリーム10号とポスカを使ったのはこちらの車両。




改造のために部品を買い漁る際の参考になれば幸いです。


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2017/02/05 投稿

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