日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

【自作デカール】業務用レーザープリンターを買ってみた


要はただの #Buynow 報告なわけですが。

Nゲージ・HOゲージのデカール用にレーザープリンターを買う上で色々と比較検討した結果、10万円のお買い物をしたので機種選定の過程を備忘録的に残しておこうと思います。ついでに自分用の備忘録として実際のデカールの作り方も書いておきます。



・目次


きっかけ


↑これのデカールの自作で限界を感じ購入を決意しました。
 
 
ガチの業務用プリンターで出力代行をしてもらえるお店には何度かお世話になったのですが、結局満足のいくデカールは出来ずに終わりました。デカール自作に詳しい仲間は自前のプリンターにAdobe Illustratorから直に印刷しているらしく、さらに店に頼むと

  • 細かな色味の調整ができない
  • 印刷の度に秋葉原へ行くのは(交通費や印刷料以上に)時間が勿体ない

ほか、

  • インクジェットで年賀状を刷るのは嫌だなとずっと感じていた

 
等の理由から、自分でレーザープリンターを所有することにしました。
 
 


必要なスペックの検討

結論から言うと、模型用のカラープリンターとして運用するなら縦横共に1200dpiは必要そうでした。

過去に縦600dpiのプリンターでデカールを刷ってみたことはあるのですが、細い線が出ない上に淡い色が縞模様状に出てしまいます。
 
これは過去作のNゲージの101系の方向幕を刷ったときの記録。Nゲージの方向幕サイズの文字だと細すぎて出ない部分がありました。

←レーザー インクジェット→

同じ600dpi機で印刷した写真。青や水色は問題なさそうですが、グレーが縞模様のように印刷されているのはいただけません。

 
上記2点とも機種はブラザーのHL-L8250CDNで、解像度の公称値は2400*600dpiでした。



また、こちらはNゲージの帯デカールキヤノンのLBP621Cで出した作例だそうです。9600dpi相当とかほざいてますが仕様をよく読むとエンジン解像度600dpiだそうです。

グレー塗りつぶしとなるべき部分に縞模様が出てしまっていますね。作者様も「コレはダメだろ」とのこと。激しく同意。先述のブラザーHL-L8250CDNで淡いピンクのベタ塗りを刷ってみたときも同じような縞模様が出たように記憶しています。

 




一方、先述の模型仲間に非常に美しい自作デカールの作品を見せて頂いた際、機種をお尋ねしたところNECの5800Cとのことでした。
 
スペックを調べると1200×2400dpiでした。1200dpiあればNゲージ用のデカールとしても十分なようです。
 
 

機種選定

ということで、縦横とも1200dpi以上出るレーザープリンターを探しましたが、2万円前後で買えるプリンターはどれも片方は600dpiでした。タテヨコ共に1200dpi以上を求めると10万円クラスになるみたいです。表向き9600dpiとか書いてる(pdfのカタログをよく読まないと正しいことが書いてない)香具師はもはや詐欺ですねクォレハ……


結果として、リコーの P C6010 を選びました。2022年4月発売とのことで、しばらくはトナーも供給されるでしょう。

A3対応機とか絶対デカいだろ……幟なんて刷らないぞ!?とは思いましたが、高画質を謳う機種は皆A3対応でした。需要ってやつでしょう。しかたないね。


着荷

届きました。
 

デカい。思わず真顔になるデカさ。
 
 

箱を見たら46kgとか書いてありました。届くタイプの労災です。佐川急便のお兄さんごめんね。破壊されてなくてよかった
 
 

KATOの車両ケースと並べてみました。デカい。どうすんだよこれ。
 
とりあえず着荷日と翌週の休日はこれの置き場を確保するための大掃除で消えました。年末だしちょうどいいタイミングだったね!!!
 
 


試運転

現実逃避がてらHO模型のデカールの大きさで試し刷りをしてみました。

いいですねぇ!細い輪郭線や黒ベタの中の島の部分も滲まずボケずに印刷できました。あとは明度・彩度などを追い込んでいきましょう。




設備投資をしたわけですし、これからどんどん活用していこうと思います。乞うご期待!!!




デカール印刷のやりかた

以下、データ作成ソフトにはOffice 2019のPowerPointを使用しています。

PowerPointのスライドサイズ設定


はがきサイズの原稿を作る場合はPowerPointの [デザイン] タブからスライドサイズを「ユーザー設定」にして、手動で14.8cm×10.0cmを指定してあげます。
 

PowerPointが自前で持っているはがきのサイズは滅茶苦茶なので使わないでください。Micsoroftお前そういうとこやぞ。
 


印刷設定


はがきサイズの原稿に印刷する場合は [基本] タブで手差し給紙の設定を「手差し」にした後、右の鉛筆マークを押して用紙セット方向をタテ置きに設定します。こうしないとハガキの正しい位置に印刷されません。リコーの本体説明書でハガキのセット方向は縦と指定しているのですから、ここはハガキを選んだ段階でソフト側の設定も自動で変えてもらいたいものです。
 
 

続いて、[レイアウト/編集] タブの変倍を「しない」、印刷領域を「最大」にします。これでパワポで作ったスライドのサイズそのままで印刷してくれます。というか、この設定がデフォじゃないと困る人たくさん居るんじゃないかな……?
 
 

最後に [画質調整] タブの画質/色調補正を「写真(イメージデータ)」、解像度を「1200×1200dpi」、バランスは「画質優先」に設定しておきました。この辺りは今後設定を追い込むこともできそうです。
 
 
毎回これを設定するのは面倒なので、Control Panel を開いて上記の設定を既定値にしておきました。
 
 


用紙種類

ファインモールドのデカール用紙には今のところ「光沢紙1」で印刷しています。一番上の自動選択だと若干カスレていたりボケていました。

 


印刷データ作成の注意点

基本的にはパワポのスライドに画像をペタペタすればデータができます。ただし注意点がいくつかあります。



◆画像はjpgで

パワポに貼る画像がpngだと全体的にボケます。ちなみに元画像はpngのほうで、jpgのほうはpngWindows Paintで変換したものです。
 
なお、インクジェットプリンターEPSON EP-807Aでも同様の事象が起こったので、おそらく原因はパワポ側であってプリンタードライバから先ではなさそうです。他の拡張子の検証はできていませんが、少なくともpngはやめておいたほうが良いです。
 
 

パワポ上で彩度・明度を調整してはいけない

同じjpg画像を2枚並べ、片方だけ彩度を増してみました。すると、彩度調整をかけた物だけボケてしまいました。
 
面倒ですが色味を調整したい場合は一旦他のソフト(gimp等)で調整してjpgで保存し、改めてパワポに貼り付ける必要がありそうです。
 
 

これら以外にも今後何か気付いたことがあれば追記しようと思います。
 
 


余談


www.asahi-net.or.jp
レーザープリンターの印刷物を拡大すると現れる◎や💢のような?模様は「ロゼットパターン」と呼ぶそうです。CMYK各色のドットの配置が上手くいっている時はこれが出るんだとか。印刷も奥が深いですねぇ。逆に上手くいってない時に現れるモアレ、これってストッキング穿いた美少女の絵のサムネに出る意図しない濃淡と原理は同じですね!またひとつかしこくなったぞ
 
 



うまくいかなかった手法

GIMPから直接印刷

pdf書き出しが上手くいかない!という理由でGIMPを導入した過去があったので当初はGIMPでデータを作って直接印刷していたのですが、このプリンターだと何故かどうやっても原稿サイズそのままで印刷することができませんでした。印刷設定をどう変えても小さく印刷されてしまうんですよね……

印刷品質もなんだか微妙?な気がします。今後研究が必要そうです。

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