日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

【1/80】山形鉄道の鉄道むすめラッピング車を作る(7)

デカール作りでかなり工期が伸びてしまいました。今回はいよいよ車体を仕上げてデカールを貼っていきます。
前回の記事はこちら。



・目次



車体加工の仕上げ

塗装と組み立ての順序を考えながら、小パーツ類の取り付け穴を開けていきます。
 


ワイパーの下穴

ワイパーにはトレジャータウンの8206-02「ロングアームワイパー」を使います。

こんな感じ。ワイパーブレードの長さは後で調整しましょう。
 


車側灯の下穴

元のキットでは完全に省略されているのでパーツを付けます。こういうパーツも出ているのがビッグサイズのHOならではですね(んなことない?)

エコーモデルの3621「車側表示灯(丸型・赤色)」に合わせて開孔します。

ちなみに取り付け位置ですが、キットに合わせてデフォルメしています。キットの側引戸の天地が実車より短い(実車山形鉄道仕様は他社一般NDCよりドアが細長い)ため、印象優先でドアとの相対位置を合わせています。
ドア部の自作も考えていましたが、面倒だし綺麗に仕上げる自信も無いし言っても分からない程度の違いな気がしたのでやめておきました。
 


貫通扉の取っ手

ここも立体化します。

トレジャータウンのTTP8204-01用の下穴を開けておきました。
 
 


反射板掛け


荒砥方の前面だけに付いている反射板掛けです。Nならパーツが出ているのですが、HO用は無いみたいですね。
というわけで自作しました。硬めの帯材なら何でもいいので、N用エッチングパーツのランナーを活用しました(笑)

前面の下部に差し込む穴を開けて取り付けるつもりで進めます。

 
 


スカートに追加工

スカートにエアホースの部品を取り付けます。エコーモデルのNo.3603「エアーホース」を使用。スカートにプラ材で台座を作り、エアホースの部品を取り付けながら曲げて形を整えます。

荒砥方のスカートだけはこのエアコックのハンドルを避けるようにして切り欠かれています。こういった「カタチの理由」みたいな物が見えると嬉しいですよね。
 
形が決まったらエアホース本体を脱脂→プライマー塗装しておきます。
また、スカートの側面が射出成形後のヒケ?で凹んでいたので接着剤を盛って削って平らにしておきました。
 
 


ライトケースの接着

車体に埋め込まれるライトケースは塗装前にボディに接着しておきます。接着前に一旦磨いて表面の酸化皮膜を落とし、錆止めのためにメタルプライマーを吹いておきました。

なお、手すり、銘板、ワイパー、反射板掛けは別で塗装しておき、クリア塗装の後で取り付けることにしました。デカール保護用にクリアコートを厚めに吹くつもりなので、塗膜で太くなったりディテールが埋もれたりしそうだったためです。
  
 


車体の塗装

加工が済んだら車体を洗剤で洗い、脂や汚れを落としておきます。

車体色

車体色はバーチャロンカラーのVO-01「ウォームホワイト」にしました。なんとも言えない、かなり白に近いクリーム色にちょうどいい色でした。

後で付ける手すりにも忘れずに塗っておきます。

車体ステップ部

乾燥したらマスキングしてステップの凸部にグレーを塗ります。GMカラーのNo.35「ダークグレー」を使用しました。

ステップをグレーアウトする塗装は珍しい?気がします。
 
 

ピンク帯色の調色&塗装

ライトケースの側面と後付けにすることにした銘板、それに給油口の凹部の色になります。帯デカールに合わせて色を探し、バーチャロンカラーのVO-27「マイザーピンク」をベースに調色することにしました。マイザーというのはこの子のことみたいです。

ガイアカラーのNo.001「ピュアホワイト」を混ぜたら純正帯デカールとほぼ同じピンク色が作れました。このピンク色でライトケースの側面、給油口の凹部と給油口の部品に色を入れます。
 
 


デカールの貼り付け

塗装はここで一段落です。塗装はほぼ単色ベタ塗りで帯をデカール任せにできるのは楽でいいですね。

大きなデカールの貼り付け

デカールとキャラクターのデカールを貼っていきます。
なお、白デカール以前の記事の検証から隠蔽力が低く下地が透けることが分かっているので、帯デカールとキャラクターは極力重ねない方針で進めます。

まずはMaxモデルの純正帯デカールを貼っていきます。

Maxモデル純正のカルトグラフ製デカールはコシが強く肩の曲面に追従してくれなかったので、マークソフターで曲げてマークセッターで固めました。
 
キャラ絵と帯が被る部分は、

デカールの試し刷りの紙をキャラの輪郭に沿って切り出したものを帯デカールに貼り付け、その端に沿って帯デカールを切り、
 
こうして

 
こうじゃ。

 
大変にめんどくさいです。片面仕上げるだけで丸2日以上かかったゾ……

 
 
前面の帯も貼ります。
……が、純正帯デカールが固くてなかなか曲がらず、コーナーのRに追従する前に割れてしまって難儀しました。

Mr.のマークソフターは軟化力が弱めなのかな?と思いタミヤのマークフィット(ハードタイプ)と《スーパーハード》も買ってみました。帯デカールはハードタイプならよく曲がってくれました。ちなみにスーパーハードを使っても十分耐えていました。カルトグラフのデカールは硬めなのかもですね。
 
あとMaxモデルさん、短いほうの前面帯の長さが寸足らずなのどうにかなりませんか🥹

 
 


デカール

キャラクター名のデカールに加え、キット付属の標記類のデカールを貼ります。

賑やかになっていいですね。透明デカールにはファインモールドのクリアデカールを使用しました。こちらは柔らかかったのでマークソフターは使わないほうが良さそうです。

なお、ドア上広告のデカールはクリア塗装の上から貼って、走らせるうちに剥がれてなくなってしまったら都度新しい物を作って張り替えることとしました。実車の広告も結構頻繁に変わっているので、ある意味それが一番「リアル」な気がします(笑)
 
 


ドアレール

ドアのローラーの通り道です。銀の車番インレタのガイド線の部分を活用しました。

ちなみにこれは手持ちの車番インレタを発掘してきて使ったのですが、手持ちが何枚もあったのに多くが古くなっていてうまく貼り付きませんでした。巷で言われるインレタ復活法を試してみましたが、やはりうまくいきませんでした。まだ生きている物があったので何とかなりましたが、結果としてほぼ未使用のインレタシートを3枚ぐらい捨てる羽目になりました。

やはりインレタは生ものですね。直近で使う用事が無いなら買うべきではないようです。反省。
 
 



最後にクリアーを吹く前の仕上げを行います。

デカールに開けてあるライトケース穴が音羽工房のパーツよりも若干大きかったので、上述の自作したピンク色で隙間を塗って埋めておきました。

また、オレンジの帯デカールタイフォンのモールドに追従させている時に欠けてしまった部分などは、タミヤのX-6「オレンジ」にMr.のピュアホワイトを混ぜたものでタッチアップしておきました。

緑帯のスレている部分等はガイアのNo. 「ビリジアングリーン」にGMカラーのNo.「緑15号」やピュアホワイトを加えたらそれっぽくはなりました……が、完全に納得のいく色は作れませんでした。


調色は無理だと思って避けてきたのですが、スタート地点でそれっぽい色を選んでおけば意外とどうにかなるものですね。何事もやってみるものです。
 
 



いよいよクリアコートの準備が整いました。
ちなみに車体色の塗装からここまでの工程は車体の側面や前面を直接触らないようにして行っていました。

屋根にマスキングテープを貼って車内にはスポンジ(余っていた車両ケース)を入れることで、直に触れずに上下を掴めるようにしていました。屋上機器の取付穴には針金を通しておき、吊るすようにして持つこともできるようにしてありました。
スポンジには角穴を開けておき、塗装時の持ち手となる別なスポンジが挿せるようにしてありました。思いつきでやってみたのですが、案外うまくいってよかったです。

クリアコート前には屋根のマスキングテープを剥がしておきます。


保護塗装

デカールがしっかりと張り付いていることを改めて確認したら、缶スプレーのクリアーで厚い丈夫な塗膜を作ります。
 
「Mr. SUPER CLEAR 光沢」を使いm……

スライドマークを貼った上から吹き付けないでください。

⁉️

テストピースに試し吹きして実験しました。

……問題なさそうです。普通に塗る分にはMaxモデルのデカール、ファインモールドのホワイトデカールとクリアデカールは大丈夫でしょう。


塗り重ねる度にホコリの巻き込み確認をして慎重に進めます。5回に分けて少しずつ塗り重ねました。



……して、
なんかシワシワになってる( 'ᾥ' )

「片側だけ」帯デカールにシワが寄っていました。

片側だけなので、相性問題ではなく最初にクリアーをドバっとかけてしまったのが敗因でしょうか。


……満足いかない出来になってしまいましたが、下手に手出ししても悪化しそうなこと、光を反射させなければ目立たないことからこのままにすることにしました。走らせれば分からない理論発動!!!


塗り終わった後、5日ほど放置して完全乾燥させました。

本当はこの後カーモデルのような「研ぎ出し」をしてやるべきなのでしょうが、度胸も気力もなかったのでやめておきました。




完全に余談ですが、Mr.の水性プレミアムトップコートTOMIXの発泡スチロールは相性が悪く、車両ケースに保管していたら塗膜が劣化したという報告があります。
鉄道模型用途の場合、臭くてもラッカー系を選択するのが無難なようです。

そういう意味だと鉄道模型って特異な模型ですよね……完成後に何度もハードな輸送をされた挙げ句ベタベタ触るのが前提のプラモデルもそう無い気がしています。



本作の一番大変な部分が終わりました。

続きます。次回は細かいパーツ類を取り付けて仮完成まで持っていきます。

 


余談

YR-887の実車が再塗装されている様子です。Maxモデルのデカール、彩度が高すぎないか……?と思っていたのですが、日焼けする前の実車はこんな色だったんですね。色って難しいです。

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