この模型、結構気合を入れて作ったのですが塗装の初手で択ミスをしたせいで後々人前に出せなくなりました。モチベが失せて下書き状態で何年も放置していた記事ですが、情報共有という意味合いで制作記を仕上げて放流することにしました。ご笑覧くださいませ(´・ω・`)
久里浜駅の横にある訓練線で使われていた訓練車です。クリーム色の帯が特徴的な209系訓練車の前任にあたります。
・目次
特殊車両ですが、塗るだけにせずディテールも作り込んでみました。参考資料に乏しいため、屋根上の細かい部分は新秋津仕様を見ながら制作しています。
ベースは鉄コレの105系仙石線です。
2連化改造の際にドア交換などが施されており一般形の103系から作ろうと思うと面倒な車両なため、製品化は有難い話でした。
ディテールアップの下準備
パンタグラフ周り
屋根のパイピングの準備を行います。
車体側と屋根側で配管の線を分離する方法もアリといえばアリだったのですが、今回は屋根を接着し一体でパイピングを行うことにしました。
製品の配管・手すりのモールドを新秋津の訓練車と見比べたところ、実車の様子がよく再現されていたので配置をそのまま利用することにしました。
屋根板の配管の台座や手すりのモールドを活用して0.2mmや0.3mmの穴を開けた後、ベンチレーターの塞ぎ板以外のモールドを全て撤去。さらにパンタと避雷器の取付用の四角い穴を埋めました。
自作した配管の台座を取り付けたらこんな感じ。
台座は0.1mmプラペーパーを2枚重ねにして実車通りの凸型の台座を表現しました。完全なる自己満足です(笑) トレジャーの細切りテンプレートの偉大さを改めて感じました。
車体(妻板側)
車体側も同様に配管モールドの撤去と下穴開けを行います。雨樋(縦樋)のモールドも表現が弱すぎたので一旦削り取ってしまいました。銘板はエッチングのものに置き換えるため、接着用の穴を開けた上で撤去しました。
写真の段階ではまだ残してありますが、妻面の票差もエッチングパーツが出ていることを知ったのでこの後撤去しています。
粗方の削り作業が終わったのでIPAに漬け込んで塗装を落としました。
また、やり忘れていた半自動ドアの取っ手の撤去もこの段階でやりました。
ちなみに、実車写真を見る限りではドア開状態でもドアが開ききっていなかったので、どうやら半自動の装置自体は訓練車となった後も残されていたようです。
ここまでやってから車体と屋根を接着し、キャンバス押さえのエッチングパーツを取り付けました。トレジャータウンのTTP264B『妻板キャンバス押さえ 通勤型国電用』を使用しましたが、これが微妙に鉄コレとはRが合わないんですね…EVOキットに合わせて作ったのでしょうか。ヤスリで適当に形を整えておきました。
車体(運転台側)
続いて前面の手すり、尾灯、ステップと反射板掛けを撤去。ワイパーの根元と反射板掛けの所には小穴を開けておきます。さらに、前面強化も施します。GMのEVOキット用の部品を使いました。鉄コレとこの部品の相性は東大宮の103系訓練車を作った時に軽く触れましたが、どうも鉄コレはEVOよりもごく僅かに車体幅が狭いようです。しかし無視できる程度だったのでそのまま使用しています。
ディテールアップ
下準備が終わったらディテールアップに移ります。
雨樋
妻面の雨樋をプラ板で作り直しました。t0.1のプラ板で台座を作り、その上にt0.2のプラ板の雨樋を貼り付けて実車同様に雨樋を車体から浮かせてみました。塗装したら埋まりそう?わかるなぁ~~
言い忘れていましたが側面の行先表示機は撤去しました。ここは事業用車に改造するときに埋められたようです。
パンタグラフとパンタ台座の検討
普通にTOMIXから出ているPS16を使う場合、品番0230のPS16Pとなるところです。同社のHG103系もこれを用いていて、今回のこの鉄コレの推奨オプションパーツもPS16Pとなっています。
しかし、PS16Pだと105系訓練車の実車とガイシの数が異なるため、品番0290のPS16WNを使うことにしました。
左がPS16WN、右がPS16P。台座パーツ以外は同じです。枠の部分の上にもガイシがあるのがポイントです。
ちなみに品番0289のPS16Wもパンタ台枠?の上下にガイシが入っている仕様なため、PS16WNが出る前はPS16WとPS16Pを組み合わせてこの形態のパンタグラフを作る人もいたようです。
パンタ台座はBONAの国電用パンタ台座Aを使うことにしました。
パイピング
避雷器とパンタを繋ぐ線にはφ0.15のマグネットワイヤーを使いました。
母線はφ0.3真鍮パイプ、パンタとの接続部は穴にφ0.1の柔らかい線材を通して表現しています。空気作用管はφ0.2の真鍮線を使いました。
初心者なもので、空気作用管の妻面側の曲げを再現するだけで4時間かかったり……忍耐が試されます。
屋根上で空気作用管の間隔が広がる手前まではBONAの配管止め、広がった後の固定はトレジャーの配管止め2を使って配管の間隔の変化を再現してみました。
また、両者の接続部にある筒?はプラ板から自作しています。
母線と空気作用管が終わったら、次は鍵外し線と避雷器の配管を作ります。
鍵外し線のL字の金具は0.1mmプラ板をちまちまと切って作りました。
ステップを植えてだいたいの作業が終わるとこんな感じに。
作っておいてなんですが、うまく塗装できるのかなぁこれ……
前面のディテール
面積的には狭い割によく見られる部分です。しっかりと作っていきましょう。
反射板掛け
郡山工場に入る車両には必ず付いていたらしい装備です。前面のものは元の鉄コレでも再現されていたのですが、妻板に付いていた分は再現されていませんでした。
ただの凸モールドでは寂しいのでトレジャータウンのTTP215-51『丸い昇降ステップ 反射板掛けバリエーション』で置き換え&追加をします。
しかし、国電用の溶接シロ?付きタイプを裏からよく見ると、どうやらただ単に貼り付けるだけの部品なようです。本当のフックになるようにはできていないんですね。前面強化車だと反射板掛けのフックの上端が強化板の上にかかるため、この部品は使えなさそうです。
そこで、同じTTP215-51に収録されている台座のような部分がないタイプを使います。
ヤットコで掴んで折り曲げ、0.1mmプラ板をスペーサーとして車体との間に挟んでから接着すれば反射板掛けを浮かせることができます。
下の台座?溶接シロ?のような部分は後からプラ板で追加しました。断面が四角いエッチングパーツと丸穴の隙間にフタをする役目もあります。
ワイパーと前面ガラス
地味に一番面倒な作業です。ガラスのワイパーのモールドを削り落とし、エッチングパーツに置き換えます。TTP266-01『ワイパー(国鉄汎用)』を使いました。
窓磨きの作業をやりたくなかったので実はGMストアーで低運転台の103系のガラスパーツを買っていましたが、大きさが合わずダメでした。GMのほうが鉄コレより上下にコンマ数ミリ大きいんですね。和田岬線の103のガラスです。
お顔をいじっていたら気が向いたので乗務員扉の取っ手も立体化しました。トレジャータウンのTTP227『近郊型用乗務員扉セット』などに入っている取っ手です。細い針金で作ればいいじゃん?とか思っていたのですが上手くいかないものですね。素直に買ったほうが綺麗で早いです。
銘板
特殊な配置を再現します。
写真のように、空きスペースがある状態で3枚付いています。実車の落成時は右下に製造工場、その上に「日本国有鉄道」の銘板があったらしいのですが、改造時に国鉄が撤去されその上の位置にJR東日本のプレートが、製造工場の左隣に改造工場(郡山)のプレートが付けられたようです。使った部品はトレジャーのTTP267-11『京成赤電小パーツ集』に入っているもの。文字は見なかったことにしましょう。
また、このあと妻面の検査札差しも復活させました。トレジャーのTTP255『サボのささっていないサボ受け&455・475系ローカルパーツ集』なげぇに収録されている物です。
ここらへんで車体加工は一段落したことにします。次は塗装だ!
……の状態から、半年以上放置してしまいました。続きます。
資料
そして何故か横須賀線で帰ったのですが、久里浜駅でこんな車両も撮っていました。
— 三条火車站 (@privaterw) 2018年5月25日
元仙石線105系の訓練車。
こういう何気ない記録って大事ですね。 pic.twitter.com/IbWxflwtoJ