相当にカゲの薄い事業用車です。
落成時に報道陣に向けて公開され、カラー写真が
・鉄道ファンのNo.345(1990年1月)
・とれいんのNo.180(1989年12月)
に載っていますが、それ以外の資料があまりありません。
鉄道ピクトリアルのNo.874(2013年4月)でさらっと一文だけ言及されていますが「種車番号は不明」となっていて、この車輌に関してはあまり良い資料とは言えません。
ちなみに上記の鉄道ファンととれいん、共にキロ59「セイシェル」の取材に気合が入っています。作る方は是非…
で編成を組んでいて、側面には種車の車番が書いてあったものの車籍はありませんでした。側面2両分を使って「JR」と大書してあるのが特徴的です。
・車体の加工
外観上の形状は営業運転時代とさほど変わっていないようです。
まず前面のライトを削り取っておきます。ブタ鼻ライト(シールドビーム)を取り付けるためです。
・塗装
前面はマスキングゾルを流してガラスを保護。
側面と共に、FARBEの#026「緑14号」を吹き付けます。
・側面のマスキング
特徴的な形になる、側面のマスキングテープの切り出しはフリーハンドでは無理なので、
Bトレの側面パーツをスキャンして、
PCで画像の上にお絵描き。GIMPのレイヤー機能を使えば楽かもしれませんが、Windows Paintでも十分です。難しい曲線の部分は、楕円ツールを使って描いた曲線の一部をコピーして使うとやりやすいかも。
こんな調子で
どんどん描いていきましょう。
JとRの傾き、同じなほうがいいかな…?
Jを描きなおし。
これで大丈夫かな。
大きさを合わせて印刷して、
透明なプラ板を重ねてずれないように固定し、マスキングテープを貼り込んで、
透かして見ながら切り出します。
これを貼りつけて、
段差もしっかりとカバーして、
…ここでふと手が止まりました。
車体が平面なことを前提に切り出したマスキングテープなので、凹凸があるとズレるのです。今回使っている101の車体は、Hゴムが車体に表現されている仕様。当然、車体は平面ではありません。
まさにこの車輌こそ、アレの使いどころなのでは…と。
こちらです。金型改良後の製品なのか、Hゴムがガラス側に表現されている代物。偶然、手元に2両分ありました。乗務員扉の表現も改良されているようです。
ジャンクを買うなら断然こっち。なかなかお目にかかる物ではないのですが…
ちなみに従来品は側面裏の刻印が"K103A(1/2)"となっているのに対し、新しい方は"S1000A(1/2)となっています。
カンのいい方は既にお気づきかと思いますが、なぜか新旧の側面でA1とA2の対応関係が入れ替わっています。
しかも、妻板もあわせて新規製作されています。成型色は無色透明、金型番号は"S1000B3"となっています。
もったいないと考えて今まで使ってこなかったのですが、今こそ使うべき。
要領は掴めているので今回は速いです。先程と同じ工程で同じところまで持ってきます。
・前面
実車の写真は雑誌を購入して見ていただくとして、ちょっと不穏なツイートを見かけたのでリンクを貼っておきます。
メモ 101系 東大宮訓練センター訓練車(1990~1996)
— 永田の暇人 (@Nagata_Msc165) 2016年6月13日
←朝日 青葉→
クモハ101-201(ATS-P・白熱灯)+クモハ100-171(ATC-6・シールド)
※ATS-P・ATC機器は客室内設置・車籍無し
…はい。雑誌に掲載されている写真は、とれいん&鉄道ファン、共にクモハ100を手前にして撮った写真でした。クモハ101のお顔は写っていないんですね。
そしてここに、クモハ101は原型ライトだったという情報があるわけです。
信憑性に関しては何とも言えませんが、本当にこの通りだとしたら模型的な面白さが増します。そうだそうしよう(オイ、イクラナンデモ キメンノ ハヤスギダロ
ライトをを削って塗るところまで行ったわけですが、なかったことにして別の前面を用意します。101系の改造ネタなんていくらでもあるさ
塗り分けですが、ただの折れ線だし(切り出しは)定規だけでイケるだろー、とか考えていたのですが無理そうでした。こちらもパソコンを使います。
前面パーツをスキャンし、Windowsのペイントでお絵かき。
こんな感じになりました。
側面と同じ要領で切り出して
前面に貼りつけて、
マスキングが完了したら、妻板も登場させてFARBEの#027「クリーム10号」で塗装。
なぜ妻板が3枚もあるのかって?君のような勘のいいガk…作った他の車輌に使おうと考えていたんですよ。塗り忘れていたんです(`・∀・´)ノ
車籍すら無いような車輌、塗装に関する詳細な資料はないのであくまで推測ですが、クリーム10号に緑14号という組み合わせはストライプの185系の配色そのものなので、JR東日本が車輌に塗る色として十分あり得たのでは、と考えています。
塗り終わってマスキングを剥がすとこんな感じ。
いいんじゃない?
長くなったのでここで分割します。続きはこちらからどうぞ。