またも新要素を採り入れた室内灯を作ったので記事にしてみました。こんな記事タイトルですがメインは自作室内灯です(笑)
目次
車体のドレスアップ
模型始めたての7〜8年前に施工した物です。実は私が持っている模型の中では最初期組の子です。あれから701系が出るまでずいぶん待ちましたねぇ。
床下機器を塗り分けてみたりワンマンミラーを追加したり……あの頃が懐かしいです。ドアステッカーには富士川車輌工業の5212を使用しました。現在はリニューアルされて5221となっているようです。
せっかくなので実車のドアステッカーの資料を貼っておきます。この手の資料って探しても意外と無いんですよね。
真ん中のドア付近。富士川のステッカーには裏貼り用として白いものが付いてきますが、実車の車内向きのものは透明となっています。ちなみに外からだとほぼ見えません。
アップで。夏毛の雷鳥が可愛いです。
ドアを内側から。
おりられるお客さまは
ランプが点灯したら ➡
ボタンを押して下さい
ドアが開きます
⬅✋➡
手にご注意を
Njゲージ化
Zゲージの線路を走らせる「Njゲージ」対応にします。右のほうが見た目リアルでしょ?
画角が合ってない?スンマセン…
手元にこの車両の下廻りがもう1セットあったので今回は台車そのまま、車輪だけ改造する「長軸改軌」の手法を用いました。台車を付け替えることでNゲージに戻せます。
普段は元の歯車付車軸をチマチマ切って長さを調整しているM台車ですが、今回はビバン模型製作所のVP3D-100を使用しています。
Njゲージに最適な長さに調整された歯車付の車軸です。ランナーから外せばすぐ使えます。
3D出力品ということで念のため試運転。慣らし運転の必要もなくスムーズに走ってくれます。9時間ほどグルグルさせましたが問題なし!改造作業をスキップできるいい商品です。
ビバン模型製作所のオンラインショップで購入できます。
モーターの起動電圧を上げる
テールライト/ヘッドライトが常点灯してくれなかったのでモーターの起動電圧を上げる回路を作りました。手法は以前の記事と同じです。
ブリッジダイオードにツェナーダイオードを取り付けます。今回は3.3V-500mWのものを使いました。
ここに挿入します。DCC対応車は無加工で施工できるのがありがたいですね。
室内灯
三端子レギュレーター
室内灯のチラツキ対策に耐圧は低いが大容量のコンデンサーを入れる話です。同じパッケージサイズでも耐圧を下げれば容量が増えるのですが、Nゲージの規格に合わせるには12Vに耐えなければなりません。
……で、三端子レギュレーターという電圧に制限をかけられる電子部品を知ったので使ってみました。今回使うのは出力の電圧が6Vの物です。
回路構成はこんな感じ。ブリッジダイオードの+側を三端子レギュレーターのVinに、-側をGNDに繋ぐだけです。あとは三端子レギュレーターのVoutを室内灯の電源の+として、GNDを-として使えばOK。
チラツキ対策用のコンデンサーはこのVoutとGNDの間を渡します。
これで耐圧12V未満のコンデンサーを使用する道が拓けました。ボタン電池型の電気二重層コンデンサ再販してくれないかなぁ。美軌模型さんの室内灯とかDensha.meさんの室内灯とかの蓄電性能が凄いんですよね。
チラツキ対策用コンデンサー
今までは一般的な丸い電解コンデンサーを使っていたのですが、四角い物を発見したので使ってみました。
村田製作所のECASシリーズという物です。最大の特徴は角型なこと。クーラーの中や床下に隠しやすくて便利です。
(←100μF 330μF→)
コンデンサーの容量を100μFから330μFに増やした結果、消灯がワンテンポ遅れる効果がありました。良いですね。
LEDの色
今まで通りなら白いLEDを使っていたところですが、日々電車を利用していて気になったことがありました。
蛍光灯ってだいぶ黄色っぽいよな??なんなら実車のLED室内灯もいわゆる白色LEDの色ではないよな……?
というわけで、エルパラ(アキバLEDピカリ館)のナチュラルホワイトを買ってみました。
良い蛍光灯色ですねぇ。パッケージ上は色温度3500〜4500K、ネットショップだと4000Kとして売っています。
コンデンサーと室内灯の起動電圧
ブリッジダイオードの向こうに設置するセラミックコンデンサーの話です。
目的はどうやらPWMの平滑化(筆者は主にスタンダードSXを使用しています)らしいのですが、電気はサッパリ分からないのでここから先には踏み込まないこととします……(笑)
室内灯の自作を普及させたあの「夕庵式室内灯」の作り方を久しぶりに調べてみたところ、セラミックコンデンサーはTOMIXのPWM式パワーパック対応で付けているとの記述がありました。そういうことだったんですね。
効果の確認のために比較実験をしてみました。片方にだけ10μFのセラミックコンデンサーを積んでいます。(両者で条件を揃えるためM車のモーターは絶縁しました)
若干ですが室内灯の起動電圧が下がります。容量を増やすともっと低圧域から光ってくれるのかな?今後容量の大きな物を買って実験しようと思います。
室内灯の色について語るやつ
今回LEDの色を変えてみたらとても良い結果が得られたわけですが、じゃ実物はどうなのか?というわけで調べてみました。
Panasonicの鉄道用LED灯具のパンフレットを見るとおおむね3000〜5000Kを用意しているようです。
同じくPanasonicが納入した東京メトロの1000系(銀座線)の一般車が5000K、特別仕様車が2700K~4000Kで調光可能との情報がありました。
コイト電工が納入した近鉄50000系(しまかぜ)の室内灯は走行中が電球色2700Kで駅接近時が5000Kとなっているようです。
http://www.koito-ind.co.jp/cases/train/interiorlamp/case_02.php
↑ページが消えていました、魚拓はこちら
最近設置が進んでいるLED蛍光灯と防犯カメラが一体になった製品ですが、アンデス電気の物は4700K前後となっているようです。
いずれも色温度は5000K以下ですね。一方、一般に「白色」として売られているチップLEDは6000K程度のようです。
以前E233系の室内表現を頑張った回で付けた室内灯には一般的な白色LEDを使っていました。全体的に車内が青くて写真うつりが悪いのはこれが原因だったんですね。
続いて模型メーカー純正の室内灯の色合いも気になったので調べてみました。
……KATO室内灯の知りたかったことが全部こちらに書いてありました。LED室内灯クリアはオレンジ色のフィルターを付けても約5500Kと青みが強いようです。
というわけで、一般に売られている白色LEDはそのまま鉄道模型の室内灯にすると光が青すぎてリアルでない、と言えるでしょう。今後はナチュラルホワイトや昼白色のLEDを使っていこうと思います。
チップLEDを安く買おうとした話
して、今回使ったナチュラルホワイトのLEDですが、10粒450円と値が張ります。
いっそ高密度タイプのテープLEDを解体したほうが安上がりなのでは?と思い調べてみましたが、結論から言うと無理そうでした。
高密度タイプのテープライトは従来のチップLEDを配した物とは構造が異なり、光る素子をテープに直に実装した上で保護用の樹脂をまとめて乗せたような構造になっているようです(COB、Chip on Board)。つまり、解体して使うことはできなさそうです。
このテープLEDを直接室内灯に使うことも考えましたが、am͜a͉zonで見つけた高密度テープLEDは降圧用の抵抗とかが見当たらないんですね。COBのメリットを活かし素子を直列に繋いで耐圧を稼いでいるのでしょうか、そうすると常点灯はできないでしょう。安くて実質線発光なのは魅力的なのですが、採用は見送ることとしました。
……と思っていたのですが、なんと耐圧3VのLEDフィラメントが日本に入ってきました!!!
室内灯にするとこんな感じ。ムラのない明かりが実現できるのはかなり強いです。ただし今のところ白系統の色は電球色のみの模様。これの4000K色や5000K色が出たりしないかなぁ。
今後もより良い室内灯を目指してあれこれ試してみようと思います。