前回の記事で出力を依頼した車体を組み立てていきます。前回の記事はこちら。
組立前の下処理
まず、サポート材除去のために届いた出力物をリモネンに漬け込みます。色をブラックにして作ったものをリモネン漬けにすると液に色が染みだしますので、その液に無色透明の出力品を漬ければ色が付きます。視認性が格段に良くなるのでオススメの下処理です。
(1)の記事で検証した結果、DMM出力品は表面にやすり掛けをせずに塗装すると表面が凸凹になることが分かったのでまずはヤスリをかけます。
ヤスリスティックを使いました。なかなか便利です。
緩い斜面を3Dプリントで出すと積層痕が目立つので研磨は必須です。
前面。出力した後でランナーを切り落としたら歪んでしまったので、こういったアーチ状の物を出力するときは中に梁か何かを入れておいたほうがいいかも。
車体の組み立て
先にク160の車体を組みました。こう見ると不思議なサイズ感ですね。小さそうで小さくない少し小さい電車、といったところでしょうか。
続いてモ260を組みます。
はい。やることは一緒です。
改造されたパンタの座金です。うまく出てくれてよかった。
パイピング
今回はパイピングを前提に、予めデータ上で穴を開けておきました。
まずは母線から。
続いて空気作用管を引きます。φ0.2線を使いました。都合よく実車の配管の途中でジョイント?が使われていたので、模型の配管はその部分で線を分割し、妻板の部分と屋根の部分のパイピングを別で行うことにしました。配管のジョイント部はφ0.4-0.2管を短く切って再現します。また、昇降用のステップが配管を跨ぐという珍しい仕様だったのでそれも再現しています。
屋根の空気配管を引きました。謎に上がって下がってをしているのが特徴です。この形に曲げるの大変だったぞ!?
床板/動力ユニット
最低限の車体工作が終わったので足回りの製作に着手します。動力ユニットにはロクハンのZショーティー動力を採用、動力ユニットとT台車を簡単に脱着できる構造とし、ほぼファインスケールの軌間5mmと普及規格の軌間6.5mmのどちらでも走れるようにします。
普段のNゲージ/Njゲージの切り替えは台車履き替えで対応していますが、今回は動力ユニットを丸ごと履き替える構造とします。ロクハンの動力ユニット、安いからネ。
床板を作りました。動力ユニットには金属製のウエイトが接着されているので、これを車体の天井に固定したネオジム磁石にくっつける方式で車体に取り付けています。運転台側の台車の床板集電板は床板に対して完全固定ではなく、シーソーのような構造にすることでカントへの突入に対応するようにしてみました。
なお、低速で安定した走りを実現するため動力ユニットにはブリッジダイオードとツェナーダイオードを挿入してあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。
電飾
ヘッドライト/テールライトを点灯化します。なお、今作は車内が見苦しいこと請け合いだったので室内灯は省略、使っているのを見たことがない標識灯も点灯化しないことにしました。実車の標識灯、使っていたんですかね……?回送とかの時は点けていたのかな?
テールライトも点灯化。テールライトのプリズムにはトレジャータウンのTTP904-02A「汎用角型ライトレンズ」を使いました。
ここまでやって3年ほったらかした仕掛品、いい加減にケリをつけようということで再開しました……が、気付けばこの車両のキットが製品化されるわDMMのアクリルは風前の灯火だわで世相が大きく変わってしまいました。何事もやりっぱなしは良くないですね。
続きます。次回は塗装に入っていきます。