日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

【E233横浜】DENSHA.meの室内表現ステッカーを使ってみた

この記事はE233横浜の加工記事の一部です。ここだけで相当なボリュームがあるので別記事にしました。




目次


注文と納品

今回注文したのはDensha.meの『E233系6000番台横浜線内装ステッカー』です。今回は模型を実車の登場時仕様で仕上げたかったので、先方との事前打ち合わせの上で旧バージョンを注文しました。


香港から国際郵便が来ました。


簡素なパッケージです。頼んだ通り、戸袋の引き込まれ防止ステッカーがない仕様の物でした。ありがとうございます!

ちなみに引き込まれ防止ステッカーとはこれのことです。

一番下のキャラクターは「ハマの電チャン」という横浜支社のキャラクターだそうです。


ステッカーの貼り付け

早速貼っていきましょう。
シール本体は謳い文句通り相当に薄いです。切った感じこれでも紙ベースなのかな?どんなステッカーシートを使っているのかが気になるところです。


モケットは剥がれ防止(特に蹴込み板の部分)のために長めに切り出し、余白を床に這わせました。上から床材を貼って固定する戦略です。


内壁も貼っていきます。一度に貼ると位置決めがしんどいので、3分割して貼っていきました。

ドアの部分はシールがはみ出すのでプラ板を追加しています。

このステッカーは粘着力が強く、勝手に剥がれてきたりはしませんでした。袖仕切りの部分などは特に期待していなかったのですが、貼って2週間ほど経過した今も剥がれてきた物は少数です。自作だとなかなかこうはいかないので有り難いものです。
なお、貼り付け前に油分や汚れを拭いておいたほうが良いのは言うまでもありません。綿棒にシンナーを含ませて床板を拭うだけでもかなり剥がれを抑えられます。


優先席

DENSHA.meのステッカーの優先席はKATO特有の室内灯の支持具の形に合わせてあります。素の製品に貼るならこのまま切り出せば良いのですが、自分の場合は自作室内灯を付けたので支持具を撤去しています。というわけでここは自作で対応します。

優先席のモケットについては実車の写真を切り出したものをラベルシールに印刷しました。A-oneの72201を使用しました。ラベル部厚さの公称値は0.07mm、手元のマイクロメーターの測定値も0.07mm、ついでにDENSHA.meの製品も0.07mmでした。

優先席まわりの床もモケット同様に自作対応します。Windows Paintで縞模様を描いて、印刷し切り出して貼り付けました。

色合いの調整にも手間がかかるものなのです


なお、ここは見せ場なのでプラ角材で内装の床板を妻板ギリギリまで延長しています。


最後に床材を貼り込むと室内がこんな感じになります。夜景運転会が楽しくなりそうですね。


先頭車の優先席/車椅子スペース部

E233の特徴的な部分です。登場時から大きく変わっているのでしっかりと再現します。

参考までに、現行のE233-6000の車椅子スペースの写真です。床がピンク色でベビーカーと車椅子のピクトグラムが描いてありますが、これは後年になって追加されたものです。こちらのブログ記事に2014年10月頃の車椅子スペースの写真が掲載されています。この通り、デビュー当初から優先席の前の縞模様はありましたが車椅子スペースの床の色は一般席と同じでした。

ここを登場時仕様で再現していきましょう。KATOの製品には座席のモールドが無かったのでプラ材で自作しました。

その上にモケットを貼って床材を貼ります。

こんな感じに仕上がりました。
なお、KATOの製品は優先席隣の一般席の着席定員が片側だけ1人分少なくなっています。

実車はそうなっていないのですが、背もたれのステッカーに余りがないこと、言うて目立たないことから特に対策はしないでそのままにしました。KATOの製品がこうなっている理由は後述します。


運転室仕切り


先頭車の運転室仕切りに貼るステッカーもきちんと用意されています。窓の大きさは実寸÷150ではなく模型の寸法に合わせてありました。

貼ってある車内広告はおそらくこの『体感、実感、鉄道博物館。』でしょう。実際、かぶりつきポイント脇のここには鉄道博物館のポスターが入れられていることが多いです。ここが適当な絵の流用ではないあたり、Densha.meのステッカーは実車をよく観察して作られていることが分かります。

また、これは全車共通の加工ですが、自作室内灯を付けたため不要となった導光プリズム用の柱?は切断して袖仕切りっぽく形を整えておきました。


運転台


ここ専用のシールが付いています。貼っていきましょう。

横コツE-64編成 クハE233-3514の運転台助士側

横コツE-64編成 クハE232-3514の運転台助士側

上から見ることは少ないので意識していなかったのですが、実車の運転台のダッシュボード(?)はライトグレーなんですね。模型の成型色のダークグレーを見慣れていたのですが、どうやらあれはインパネ(?)の部分の色を模したもののようです。

して、貼ってみたのですが……なんだか寂しいです。ガランとしていて物足りない感じがします。機器が足りないせいでしょう。各所の柄を描き込んでくれているDENSHA.meのステッカーですが、何故か助士側はグレー一色で大変あっさりしています(あえてトッピングの機器を描かないのは良いと思うのですが)

実際には天面の凹状の空間に保安装置や耐雪ブレーキ等のスイッチが付いていて、透明な板で蓋がされています。


というわけで、ここはIROMIZUのグレーを貼ってそれらしくしておきました。アルミテープで手すりも作ってみましたが、全然見えないので完全に自己満足です(笑)

続いて機器類を作っていきます。デビュー直後に撮った実車の資料を見る限り、運転台には当初から移動禁止システムの表示器と白い機械、何かのカメラ?が付いていたようです。
実際の機器の形を見ようと取材に行ったところ、番台によって付いている機器が微妙に異なることに気付きました。

現行の横浜線はこんな感じです。模型的には両脇を鉄板で支えているこちらのほうが作りやすくて有り難いですね

3つの機器をプラ板細工で作りました。

しんどかった……写真を撮るとどこがどう歪んでいるのが分かりやすいのでフルスクラッチをする際にはオススメです。

移動禁止の表示器とドラレコ?は黒く塗りました。にぎやかになりましたね。ケーブル類はまたいつか気が向いたら再現しましょう。


総評

総評として、DENSHA.meのステッカーはとても良い製品だと感じました。この手のステッカーは自分で資料を集めてお絵かきして模型にサイズと色を揃えて刷って……とやると相当な手間がかかるのですが、その作業を2500円で代行してもらえると考えれば相当に安いです。

ただ、予備がほぼ無いのが玉に瑕ですね。失敗したらおしまいというのは結構怖いものです。



DENSHA.meでは内装ステッカーの他にもレールから下ろしても30分ぐらい光り続ける蓄電機能付き室内灯や室内灯の色が非接触で変えられる!?室内灯など面白そうな商品を扱っているので、また今度利用してみようと思います。


KATOのE233系クハの座席が足りない理由


これは室内表現パーツがE531系の流用だからな可能性が高いです。実際、KATOの初期のE233系は運転台の部品すらE531の流用だったようです。参考文献① 参考文献② 
E531系の実車の様子がこちら。

クハE530-2011 2023年9月10日撮影

大型トイレがある分ドアの位置がずれており、従って座席が1席分少なくなっています。KATOのE233に使われていた室内表現バーツは元来これを模した物だったのでしょう。優先席の座席の表現が無かったのも納得です。
これは批判ではなく、上手なコストカットだと感心した次第です。内装ステッカーを貼るまで気付かなかったレベルの差異ですから、ね。


こぼれ話

香港の方が日本の電車の内装を……?と思っていたのですが、どうやら資料収集担当の方が日本にいらっしゃるようです。そりゃそうか。



今回の記事では運転台がえらくアッサリだと書きましたが、どうやら今後出るE235-1000用の物はかなり描き込んでいるようです。今後のバリエーション展開に期待です。

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