製品のプロトタイプが初号機のH001編成なので、いずれ作る予定だった横浜線の205系のお膳立てとして購入しました。あっという間に売り切れて早々に再生産が決まるも、駅スタンプ無し仕様で出てくるとの報せを受け慌てて中古屋を巡り初回ロットを買ったのも今はいい思い出です。
目次
室内灯
自作の極薄室内灯を取り付けました。作り方に関しては別で記事を立ててあるのでそちらをご覧ください。
妻面の室内表現
KATO特有の室内灯を支える部分を撤去したので、妻面の表現に力を入れてみました。
JRに乗って妻面の広告をざっと見て回り、中間車の広告の内容は美容と観光と不動産に、先頭車は大宮の鉄道博物館にしています。
ちなみに貫通扉の窓は黒い紙で塞いであります。夜景運転をした際、室内灯の明かりが幌から漏れているのはおかしくないか?と思ったためです。せっかくならガラスを入れてやるといい感じになるのでは、と思ってはいますがお値段的に躊躇してしまいまだ買っていません。
灯火類の改造
純正状態だと爆走させないと光っているように見えないライト類です。
・全体的にもっと低電圧の領域から明るくしてやりたかった
・前灯の発光部が大きすぎる(目がデカすぎる)
・特に前灯(ヘッドライト)の場合「指向性」も重要な要素なのでは……?
と考え、改造してやることにしました。
まずはプリズムを撤去し、前灯は1005サイズの白色チップLEDを直当てにしました。尾灯は1608サイズの赤色チップLEDを直当てし、この後白色プラ板をはめ込んで面発光っぽくしたのち、上からIROMIZUの黒系統の物を貼って消灯時に黒く見えるようにしてあります。前灯は細密金属パイプを使って穴を小さくしておきました。表情がキリっとしたほか、指向性が強くなり実車らしさが増したかと思います。
さて、改造前との比較です。
だって方向幕って日中でもはっきり見える程度には明るいじゃん?
というわけで、
ここも改造しました。方向幕のプリズムは切断し、裏から2012サイズの白色チップLEDを当てます。運番表示器のプリズムも同様にしました。
結果的に、元のプリズムやライト基板はほぼ全撤去する大改造となりました。さらに方向幕のチラつき対策として、室内灯とは別でコンデンサーを付けました。
16V100μFの細長いタイプです。ハンドリューター等を活用してDCC基板用の空間を最大限に活用すればギリギリ入ります。これより容量は小さくていいから物理的なサイズも小さい物はないかなと探したのですが、耐圧16Vの電解だとこれより小さい物は見当たりませんでした。
また、結局灯火が明るすぎるのが気になったのでCRDを交換して光量を落としました。最終的に前灯、尾灯共に1mA、方向幕&運番表示器は5.6mAで落ち着きました。
こんな感じになりました。実はまだ片方のクハのライトしか改造していないのでもう片方もやらねばならないのですが、腰が重くて放置したままです……
ちなみに、使用した電線はエナメル線と下に示す極細の被覆線の2種類です。極細被覆線はとても柔らかくNゲージサイズの電子工作に便利なので皆様もぜひどうぞ。
ステッカー類
ドアステッカー
通勤車のワンポイントです。
横浜線仕様の車両には各ドアに4枚貼る必要があります。上2枚が汎用の駆け込み防止、車外から見て左下が挟まれ防止のステッカー、右下が戸袋巻き込み防止のステッカー(外から見ると真っ白)です。
まずは駆け込み防止ステッカーから貼っていきます。
貼り換えが進むJR東日本首都圏通勤電車のドアステッカー。従来の物と比較するとデザインが若干変化したほか、貼り付け位置の変化も見られます。JRマークが無く、車内側から貼り付けされているのが新タイプ。混結も見られたので参考にどうぞ。 pic.twitter.com/aa28mcMeGD
— 東運 (@shinonome_rs) 2015年5月13日
首都圏汎用のドアに注意ステッカーは2015年あたりのタイミングで貼り替えられたらしく、現在では登場時と異なる物が貼られています。今回は登場時仕様の古いものを貼ります。横浜線E233系のデビュー直後のドアステッカーが分かる動画はこちら。かけこみ乗車はキケンです!ムリなかけこみ乗車はおやめください。ドアにカバンなどの身の回り品を挟まれないよう、ご注意ください。お客さまのご協力をお願いします。
使用したのは銀河モデルのN-504ですが、かなり古い製品なので絶版になっていそうです。……この商品、同じ品番で時期によって収録内容が違う……?
ちまちまと切ってちまちまと貼っていきます。
貼り付け高さが揃っていなかったり傾いていたりすると格好が悪いので、マスキングテープをガイドにして貼りました。貼り付け高さはかけやま写真館様のサイドビュー画像を見て決めています。
シールをペタペタ。いい感じに三等車感が出てきます。
次に、下段のシールを貼りました。
左下のステッカーには世田谷総合車輌センターの412「挟まれ防止ドアステッカー」を使用。ドア開閉時には足を挟まれないよう十分お気を付け下さい。右下の戸袋巻き込み注意ステッカーは外から見るとただの白い四角形なので、銀河モデルのN-786「ドア窓表示 東日本・足元注意」を使用しました。先述の挟まれ防止ステッカーと大きさが異なるのは実車同様です。ちょっと大きい気がしますがまぁ許容範囲かな?
世田谷総合のインレタは台紙の上から細切りマスキングテープを貼り、テープの端を窓の下端と合わせる方式で位置決めして貼っていきました。テープの幅は0.8mmにしました。
銀河のインレタは同じくインレタシートの上から端を直線にしたマスキングテープを貼り、世田谷総合に下端を合わせる形で貼っていきました。
最後に、戸当たりゴムに色を入れました。コピックモデラー0.02と綿棒を使用しました。
あまりに今更ですが、ここまでやるならボナのE233の客ドア用ガラスに替えてもよかったかも。E233のドア窓のガラスはあまり色が濃くないところまで再現してやればよかったかも知れません。……が、実はドアガラスも無色というわけでもないし着色含めて作業があまりに大変そうなのでやっぱりやらなくて良かったかも
優先席ステッカー
優先席の所のアレです。今回は登場時仕様に仕立てるので、JR東日本の旧仕様(黄緑色の丸が4連になっているもの)のインレタを使用しました。デビュー直後に撮影された実車の資料を見るに、どうやらマタニティマークはデビュー当初から貼られていたようです。
……というわけで、銀河モデルのN-584「優先席表示 首都圏通勤・近郊型用[裏貼タイプ]」を採用しました。
シールを透明プラ板に貼って裏から見るととこんな感じです。ただの白丸ではありますがマタニティマークが最初から入っています。
こんな感じになります。透明ステッカーも薄刃のよく切れるカッターを使えば端面はほとんど目立ちません。
実はこのステッカーの採用を決定する前に、別な商品も検討していました。一つはトレジャータウンの856-45「優先席表示5」で、これは銀河のステッカー同様優先席表示とマタニティマークがセットになっており、さらにマタニティマークが白ピンク青の3色刷りなのは魅力的でした。しかし、文字の部分に白ベースが付いていてあまり実感的ではなかったので採用を見送りました。
もう一つは世田谷総合車輌センターの871「優先席表示1997-2015(N)」です。最初はこちらを買っていたのですが、いざ貼ってみたら問題が発生しました。
室内灯を入れて比較すると一目瞭然なのですが、世田谷総合のインレタは透明部分の透明度が低いんですね。これは想定外でした。もしかすると説明書の通りにクリアーを吹けば透明度が向上するのかもしれませんが……
というわけで、旧タイプの優先席表示に関してはステッカーに軍配を上げることとしました。しかもインレタは1430円と値が張るのに対しステッカーは880円、差額でいいカッターが買えちゃうんですよね。ステッカーの切り出しには特専黒刃ロング02がオススメです
LED照明ステッカー
窓にちょこっと貼られているステッカーです(これ)。車内側から貼ってある小さな丸いシールであまり目立ちませんが、実はこれも専用インレタが出ています。トレジャータウンのTTL856-40「節電中・LED照明表示」です。
実車だと気にしないと目につかない程度のステッカーですが、模型にすると案外目立ちます。
以上、さらっと書きましたが全部貼るのはかなりの修行でした(笑)ちょっとした空き時間を使ってちまちま貼っていましたが2ヶ月以上かかりました……
ガラス端面の反射防止
室内灯の反射防止のため、ガラスパーツの端面を油性ペンで黒く塗っておきました。
違う車両ですが効果が分かる比較画像です。中央の客ドアの右側より右だけ施工した例です。これをやると窓のフチの鋭い反射光がなくなって雰囲気が落ち着きます。
ガラスパーツの余白の部分(?)にマスキングテープを貼り、ペンで塗った後でテープを剥がせば簡単に窓のフチだけを塗ることができます。
クーラー
通常ならば黒か灰色、場合によっては茶色系で墨入れしますが、今回は新車状態を表現したかったので水色を入れてみました。
デビューから数ヶ月、205系の置き換えが進行中の頃に撮ったE233の写真。クーラーの中身が水色なのが分かります。
塗料はタミヤのX-14をエナメルシンナーで溶いたものを使いました。色が違うだけでやっていることは市販のスミ入れ塗料と同様です。
水色だけでなく黒も併用しこんな感じで色を入れた後、エナメル溶剤(タミヤのX-20)をたっぷり含ませたキムワイプで吸い取って凹モールドの奥にだけ塗料を残しました。
色がうるさいのは良くないと感じたのであくまで控えめです。言われれば分かる程度を目指したのですがいい感じじゃないかな?
前面ステップの滑り止め
これです。
トレジャータウンからデカールが出ていましたが貼りづらそうなのでパス。形状も単純なので自作することにしました。mtのマステの黒とコンパスカッターがあれば作れます。
いきなりですがこんな感じになりました。いいんじゃない?滑り止めの幅は13mm、コンパスカッターは半径50mmで切っています。
滑り止めを貼ることでステップ部分の反射光が減り、表情がかなり変わります。
ここまでやってインレタはないかと探したらありました。
世田谷総合車輌センターの221『電車前面ステップインレタ』を購入。205系、209系、211系、E231系、313系のものが収録されています。対象車種にE233はいませんが、実車を見た感じだと同じものを貼っているので流用可能かな?という気がします。
さて貼っていきましょう。
……
なんだか横に長すぎる気がします。実車を見ると、滑り止めシートの端も細くなっているというよりは四角くなっているイメージなので短いほうの滑り止めシート(209系用?)を使うのも違う気がします。
というわけで、
インレタの両端をこんな感じで切り落としてから貼ってみました。
インレタ(左)とマステ自作(右)の比較。インレタはもう少し奥に貼った方が良かったかな?新車状態の再現なら太さ的に自作のほうが近いと思う一方、主張が強くてうるさい気もするのであとは好みの問題でしょうか。
連結器の上のちょび髭的なマーキングも入れておきました(連結器位置表示線と呼ぶのかな?連結器の位置合わせに使うらしいですね)。これはステップインレタに収録されています。世田谷総合のインレタは「アートナイフなどでそいで貼ることも可能」なのが便利で良いです。
ドアコック表示
ドアコックのフタに付いている▼です。これはドアコックを操作した側の扉だけが開きますよという意味合いで、▲と▼が上下に組み合わさった物だと向こう側の扉も開けられるという意味らしいです。
最近だとドアコック蓋の直上、窓の上にも▼が入れてありますが、これはホームドア対応で後から追加した物なので今回は貼らないこととします。
模型にインレタを入れるとこんな感じになります。モールドの太さが気になりますがまぁいいでしょう。
使用したインレタはくろまやの7-D「ドアコック標記(上下向)」です。たまたま手持ちにあったので使いました。半分だけ貼れたらいいな〜〜とか考えていましたがそんなに甘くありませんでした(笑) 片方の▲は事前に削ぎ落としてから転写しました。もったいない気もしますが、古いインレタを末永く持っていても仕方がないので早く消費してしまおうという考えです。
ジャンパ栓
思い付きで付けてみました。いつもの定番アイテムZ04-5589『E259系 車体間ダンパー』の車体間ダンパーを切り落とすやつです。車両を連結する向きを間違えないように、という意味合いもあります。
で、この商品は片側にジャンパ栓が2本付いている物なのですが、ここでつい気になってしまいました。
実車だとジャンパ栓が1本しかない箇所もあるよな?
……ということで手元にあった資料『E233 Detail File 2018 winter』を見たところ、やはり1本が正解な箇所がありました。編成の端にあるサハやクハにはモハE233(パンタ車)同士を繋ぐ高圧補助線が来ないのでジャンパ栓の本数が少ない……という事情のようです。
ちなみにこの1本は編成全体に引き通されている440Vの三相交流線で、冷房等の電源線になっているようです。模型を通じて自分の中の実車の解像度が上がっていくのが楽しいですね。
室内表現
せっかく室内灯を入れたので椅子や壁の表現も行います。Densha.meの内装ステッカーの使用を検討していたのですが、
- ドアの両端に『ドア引き込まれ注意喚起ステッカー』も再現します。
ああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!
……はい。ドアの脇に貼ってある黄色い縦長のステッカーのことです。横浜線に貼られはじめたのは2017年の冬頃なので、これを貼ってしまうと登場時仕様ではなくなります。どうすっかな……と思いダメ元で旧仕様の商品を売ってもらえないかと問い合わせを出したところ、なんとOKの返答が!早速注文しました。
して、この部分の記事を書いたらかなりのボリュームになってしまったので記事を分割しました。こちらからどうぞ。
改造する気もないので製品そのままを楽しむつもりでちょっと手を加え始めたのですが、気が付いたらあれこれ取り替えて色々な物を追加しちゃっていました(笑)凝り性ってやつですね。まだもう片方のクハの電飾作業が残っているので、これからも加工をして楽しんでいこうと思います。
後日談
運転室灯
運転室にライトを仕込んだとは書いたのですが、当時はLED1粒で終わらせていて光り方があまり実感的ではなかったので改造しました。
こんな感じになりました!満遍なく照らされており、インパネ?の影の落ち方もリアルです。こんな所も実車通りにするといいもんですね。