日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

大宮の103系訓練車を作る(1/4)

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かなり有名な事業用車で、改造元が103系ということもあって「鉄板のモデリングネタ」となっています。


実車は、モハ102-224にクハ103-322の前面を取り付けた車輌とクモハ103-100でユニットを組んでいました。形態的には非常に珍しい「非ユニット窓の高運転台車」が含まれるため切り接ぎ工作は必須。2両で完結するお手軽さ(お手軽とは言ってない)を買って挑戦しました。


・素材を用意する

今回はジャンクの103系を購入しました。共にマイクロエース製の、

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モハ102-272と、

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クモハ103-66でした。(顔しか撮ってませんでした)



モハはA-0554「103系 武蔵野線・オレンジ[改良品]8両セット」に、クモハはA0446「国鉄103系 中央線・オレンジ・冷改車 基本7両セット」に入っていたものだったそう。



顔だけ持って行かれるのはこちら。

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KATO製で、妻面と側面の間に酷いヒビが入っていて使い物にならないジャンク。ブッ○オフで捨て値で売っていました。


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運転台の後ろには点検蓋のようなものが付いていますが、これはどうやら飛び出しているタイプとツライチなタイプの2種類があったようです。今回制作する訓練車の写真を見る限りツライチなタイプが正解のようですが、今回は省略します。





・前面の切り接ぎ

高運転台車は、実車がモハに運転台を取り付けた物でした。模型でもその加工を行う必要があります。


KATOの高運転台車を乗降扉の前で切断します。こちらは簡単。

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懐かしのスイの所属表記。


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こうやってまじまじと見ると分かりますが、車体の側面に対して前面がズレています。金型を合わせる位置が悪かったのでしょうか。


一方、中間車のカット位置ですが…
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フタ屋根を開けると車体がこんな感じになっています。天井に穴が開いているほうを切り落としたくなりますがなんで開いているんでしょうね、ここで側面のルーバーの配置が重要になってきます。

実車の資料を見ると、反対側で切るのが正解となることが分かります。



ある程度長さを揃えたらIPAへ投入。マイクロ車はすぐに落ちてくれましたが、厄介なのはKATO車。なかなか落ちてくれません。
漬けすぎてもプラが傷みそうなので途中で妥協しました。


塗装を落としたら、断面のすり合わせを行います。
車体の長さは屋根板に合わせて調整。
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車体の裏側を多く削るようにするのがポイント。車体はタミヤセメントで接着しました。流し込みタイプの緑キャップをメインで使用。

車体幅が異なっていたので若干ばかり強引。両社の雨樋の表現の強さの違いが際立ってしまいますね…

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あとは接いだ表面の処理。塗装すると一気に悪目立ちする可能性があるので少々怖いです。Bトレの209系の屋根板を接いだときみたいに…


タイラーなどをフル活用しつつ処理しますが、どうも気になったので雨樋はプラ板で追加しました。
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t0.1のプラペーパーを、毎度お馴染み細切りテンプレートで幅0.4mmに切り出し。これをタミヤセメント(緑キャップ)で接着し、ヤスリで整えれば雨樋が整います。
ちなみに、継ぎ目の黒い「何か」は「黒い瞬間接着剤」です。微妙な隙間埋めに便利なのでお試しあれ。
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修正が済んだらMr.カラーのサーフェーサーを吹き付け。審判の時です。

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容赦なく実情が浮き彫りになりますね。まだマシなほうか…?


あとは修正を加えれば、最低限の加工は終わりです。接いだ部分は強度が低いので裏から瞬間接着剤を盛っておきます。



・屋根板

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まず、一番前に来るインバータとランボードを撤去。

カッターである程度サクサク削ったらヤスリがけ。ここでもタイラーが活躍。

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変な角度からですが、途中経過。話が前後しますが、高運転台側のジャンパ栓の受けは撤去しておきます。付いたままになっている作例が多くて気になるもの。以前Bトレで試作品を作ったときに、実車には無いことに気付きました。

穴はランナー焼き伸ばし棒で埋めます。

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ここまでが終わるとこんな感じ。不揃いに感じるクーラーの向きですが、実車と比較したらこれで正解でした。クーラーの向きを記録するために撮影…

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とか思っていましたが、取付穴の大きさを変えることで付ける向きを間違えないようにする工夫がなされていました。


ここで屋根板をIPAに投入。タッパーを少し日向に置いておいたらあっさりと落ちてくれました。


さて。クーラーの下に付いている台座のような四角い何かですが、これは実車には付いていました。相方の低運転台車にも付いていたのですが、購入した模型には表現されていません。武蔵野線103系の写真を眺めていたら台座がない子を発見したので、おそらくはプロトタイプの違いでしょう。

作るのめんどくせぇと思っていたらボナファイデのこんな製品を発見。
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P-137「AU712 クーラー台座 精密切削パーツ 103系用:2輌分入」。

プラ板を貼り付けて削る作業も検討しましたが、時間がかかりそう&美しくキメるのは困難そうなのでやめました。お値段は案外安い定価450円+税。時間を買うお買いものです。時給1000円換算だと…と考えると、コスパは抜群。


この手の曲面が絡む商品は大抵「トミー用」「GM用」などと対応メーカーが指定されているのですが、この商品にはそのような但し書きがありませんでした。103系のような超定番車種、それも設計図がオープンになっている国鉄車だと、現代の水準ならどこが作っても同じになるのでしょうか。実際、先ほど載せた写真ではKATOの前面にマイクロの屋根板を合わせているのですが、曲線のズレは無視できる程度でした。


マイクロの製品はクーラーの下に台座が潜り込む本当の「台座」ですが、この製品を使うと「台座モドキ」となります。クーラーの取付足と干渉させない配慮でしょうか?


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ここまでが終わるとこんな感じ。インバーターを撤去した屋根板はヤスリで丁寧に均して、サーフェーサーを吹いて傷を隠しておきました。


・動力

購入したのは2両ともT車。片方をM車に仕立てて自走式にしようと考えました。


低運転台車は特に切り接ぎをする必要がありません。従って、床板は基本的に無加工で済むため、こちらを改造するのは得策ではありません。

動力化するのは高運転台のほうとなります。

ただし、動力ユニットをそのままはめる訳ではありません。ライト類は点灯する仕様にしたいので、床板の前半分はKATO製を使い、いわゆる0.5M仕様とします。


・動力ユニット

・動力の選定

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これがKATOの床板の前半分。後ろにKATOの103系用の動力ユニットを切って付けるつもりだったのですが、台車の表現が全く別物なんですね。完成後も違和感を放ってしまいそうです。

KATOの動力台車は構造上レリーフの差し替えができないので不採用としました。

代わりに出てくるのがTOMIXのE501系の動力。

車軸のうち、車輪の内側部分に集電板を押し当てて集電する方式となっています。
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言葉では伝わりにくいと思うので、レリーフを切った(後、断面にプラ板を貼った)姿を。写真では集電板が外してありますが、ご覧のように車軸が車輪の外側に飛び出していません。つまり、台車レリーフは機能に関係がないんですね。


・動力の改造

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というわけでマイクロのトレーラー台車も解体して、

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融合。これで「マイクロ風TOMIX動力台車」ができるわけです。

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ギアボックス(?)の部分も改造。ボディマウントカプラーを取り付けるため、カプラーポケットを落としておきます。



ダイキャスト部分は、モーターの使わない側のシャフトがギリギリ収まる程度のところで切ります。ゴツい金属を切る作業となるため、金鋸が必要です。


・床板の融合


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高運転台車の床板の前半分は、先述の通りライトユニットの関係でKATO製を使用。


ガラスと床板が干渉する部分は全て切り落としておきます。

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こんな感じで車体にはめて、前後のすり合わせをしたら床板の黒い部分のみを接着剤で固定。

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こうなります。強度が大事になってくる部分なので、一晩程度は放置するのが無難かも。

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動力ユニットの集電板を切って曲げて加工し、

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ライト部分に合わせます。


ライトユニットの下にくる部分はKATOの集電板を使用。ハンダで繋ぎます。


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微調整を繰り返せば完成。これで、ライトと動力の両立が可能となります。



・車体と床板の固定

動力を改造すると一番悩ましいのが車体と床板の固定。接着剤などで固定するとメンテナンスが困難です。車体と床板のメーカーがバラバラなため、ツメは使えません。

前面と床板の前半分はKATO製で共通なため、前部はライトユニットで固定できます。問題は後部。

TOMIX純正のライトユニットを止めるツメを活用しようかとも考えたりしましたが、あれこれ考えた末にボツ。

結局、磁石で固定するという方法に落ち着きました。

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使用したのはハイキューパーツのネオジム磁石の1mm×4mm×1mmのもの。

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ネオジム磁石の中でも、磁力の強いグレードN52です」の言葉通り、こんなに小さい磁石同士でも十分に重いダイキャストとモーターを保持してくれます。ここまで便利で、お値段は10個で250円程度。この他にもサイズや形状にバリエーションがあります。


ハイキューパーツは鉄道とはあまり縁のないジャンル向けの部品を扱っているブランドですが、他のジャンルの商品も上手く使えば効果抜群。たまに他ジャンルのコーナーを覗いてみるのもいい刺激になりますよ。


・T台車

こちらはマイクロの台車をそのまま使用します。しかし、そのままポン付けとはいかなかったので、

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穴をプラ板で塞いで、

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穴を開け直してから装着しました。車高の調整はまた後ほど。



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動力ユニットの全体像。床下機器の話は次回。




続きはこちら→大宮の103系訓練車を作る(2/4) - 日ノ出前検車区


・前後の記事



・更新履歴

2017/05/30 リンクの追加
2017/06/23 加筆
2019/01/18 写真の追加

Bトレで大宮の101系訓練車を作る(2/2)

(この記事は「Bトレで大宮の101系訓練車を作る(1/2)」の続きです)

・屋根板

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ベンチレーターの色が青みがかった灰色だったようなので、Mr.カラーのNo.35「明灰白色(三菱系)」で塗装。

まずベンチレーターに細切りのマスキングテープを巻き付けるようにして側面を覆い、次に上面にマスキングゾルを付ければきれいにマスクできます。

あとはGMのNo.35「ダークグレー」で塗装してツヤ消しクリアーを吹けばおしまい。

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パンタグラフもあわせて塗装しておきます。

それと、無線アンテナも追加しておきます。

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屋根板に穴を開け、鉄コレの付属品と思しき適当なものを屋根と同じように塗って取り付け。


・ガラスの塗装

Bトレの101系・103系は窓枠の一部がガラス側に表現されています。この部分、筆塗りだと格好が悪いのでエアブラシで塗装。

画像は他の車輌の制作記からの流用ですが、

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中央の窓を保護して、
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適当な紙に適当な穴を開けて、
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こんな感じにマスキング。この上から色を塗るわけです。

この車輌の最大のトラップ、実はここにあるかもしれません。一般的な車輌と異なり、左右共に同じ色を塗ったら負けです。ちなみに私は負けました。


・Hゴムの色差し

あまり広くは知られていないようですが、ポスカを使うと、簡単に、きれいにできます。
ペンタイプの色差しツールにはおなじみのガンダムマーカーがありますが、隠ぺい力が弱いうえに乾燥が遅く、関係ない場所にまで色が付いてしまうためお勧めできません。

今回、側面ガラスはHゴム色差しの必要がないのですが、妻板と前面には使用しました。

・車番インレタ

この車両には車番が入っています。バラ数字からナンバーを作り出す練習も兼ねて、キシャ会社製のインレタを使用。

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だいたいどの車番インレタもそうですが、下に線が引いてあるのでそこに合わせて転写してやればいいのです。

ところがこのインレタ、古いのでうまくくっついてくれず、転写が大変でした。キシャさんが悪いんじゃなくて古いのがいけない。

ちなみにこの「キシャ会社」、このご時世にホームページを持っていないそうです。JNMAが言うんだから間違いない。

入手が容易なGMのインレタではない理由はただ一つ、このキシャのインレタが某所のホビーランドぽちで安売りされていたからです。「クモル」や「キユニ」「モハネ」「クエ」などマニアックな文字が収録されていて、事業用車趣味がはかどると感じて購入したのですが作業ペースの遅さゆえにちっとも使えていません。なんてこった。

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それと、インレタは専用の転写ツールがあった方がいい…もとい、ないと辛いです。ぜひ購入しましょう。インレタ本体も決して安いものではないので…

・行先&運番

報道陣に公開された際の行先表示は手作り感満載の「新大宮」でした。近鉄奈良?知らないなあ

f:id:hinodemaeinspection:20161207110422p:plain:w200←画像ですよ、コレ(^^ゞ
ワープロの香りがする文字をWindows Paintで作って…
f:id:hinodemaeinspection:20161219215500j:plain:w300←ガラスが汚い…あとで掃除しました。(制作途中の画像です)
家庭用のインクジェットプリンタで印刷。便利な時代です。ちなみにフォントは「MS P明朝」を使いました。手作り感の原因はこれかも。

とはいってもMS明朝が登場したのは1992年(Windows3.1の時)、この101系が訓練車に改造されたのは1989年ですから、実物が昨今ありがちな「適当にパソコンで作った」代物でないことは確実です。深まる謎。



話がそれましたね… (^^;
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運行番号は、大昔のGMのステッカーを利用。品番はS-432で、名称は「101系ステッカー」。

本来の101系だけでもかなりマニアックなものまで収録されている上に、他の車種のステッカーもあるので色々な意味で素晴らしいのですが…

細かい部分は結構いい加減で、

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御茶ノ水がOCHIANOMIZUなのは序の口、(/ロ゜)/オチィエアノミズゥ!


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(*。◇。)タティカァワァ-

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全体の傾向としてタ行がおかしいのかな?

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当時のグリーンマックスの労働環境が心配になってくるような間違いのオンパレードです。

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もはやここまでくると逆に気付かないもの。このステッカー、たぶんと言うか確実に担当者は鉄道ファンじゃないな…


少し前に書いたGMの211系5000番台の記事のように、昔のGMステッカーやデカールは観察すると面白いです。皆様もぜひ。


最後に大きく話がそれましたね、運行番号はありがたく使います。クモハ100-171には報道向け公開のときと同じ"05A"を入れておきます。


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部品が入手できなかったため最後になってしまったのですが、ここでようやくクモハ101のシールドビームを取り付けます。

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レボリューションファクトリーの1641「EF15ライト ブタ鼻パーツ KATOサイズ」を使用。2灯式シールドビーム化改造にはGMの101系のパーツが便利なのですが、切らしてしまったのでこちらを購入。切り出すときに形状を丸く整えるのが難しい部品でした。

最後にエナメル塗料の銀で色差し。




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さて、ようやく完成しました。

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特徴的なペイントを真横から。

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一度でいいから実車を見てみたかった。もっとも、ネット上にもまともな写真がない以上、見ることができたのは「中の人」だけだったのでしょうが…

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クモハ100を前に。

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クモハ101を前に。

・後日談

パトランプを安価で大量に生産する方法を思いついたので取り付けてみました。
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訓練車らしさを演出する大事なアイテムですね。作り方はこちらの記事内に書いておきました。
大宮の103系訓練車を作る(3/4) - 日ノ出前検車区




今度はフルサイズのNゲージで作ってみたいものです。


→作りました。


・おまけ~GMとFARBEの「クリーム10号」~

この制作記のなかでチョロッと書いた3枚目の妻板の話です。
実は大船工場の101系入換動車のために塗ったもので、車体のクリーム10号はグリーンマックスの鉄道カラーです。結果的に、今回の色とは違いました。

写真で色を云々するのも野暮かも知れませんが、比較画像を貼っておきます。

・太陽光で
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・白色蛍光灯の下で
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・電球色蛍光灯の下で
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こんな感じになります。GMのほうが白っぽいですね。塗った身としては、FARBEのほうが隠ぺい力が強くて使いやすかったです。色に正解はないので、状況に応じて使い分けると表現の幅が広がるかもしれません。

・外部リンク

MS 明朝 - Wikipedia
何気なく使っているフォントの生い立ちも、調べてみると楽しいものです。

・こちらもあわせてどうぞ

・更新履歴

2017/06/23 加筆

Bトレで大宮の101系訓練車を作る(1/2)

相当にカゲの薄い事業用車です。

落成時に報道陣に向けて公開され、カラー写真が
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・鉄道ファンのNo.345(1990年1月)
・とれいんのNo.180(1989年12月)
に載っていますが、それ以外の資料があまりありません。
f:id:hinodemaeinspection:20161023135830j:plain:w200鉄道ピクトリアルのNo.874(2013年4月)でさらっと一文だけ言及されていますが「種車番号は不明」となっていて、この車輌に関してはあまり良い資料とは言えません。

ちなみに上記の鉄道ファンととれいん、共にキロ59「セイシェル」の取材に気合が入っています。作る方は是非…

[クモハ101-201][クモハ100-171]

で編成を組んでいて、側面には種車の車番が書いてあったものの車籍はありませんでした。側面2両分を使って「JR」と大書してあるのが特徴的です。

・車体の加工

外観上の形状は営業運転時代とさほど変わっていないようです。

まず前面のライトを削り取っておきます。ブタ鼻ライト(シールドビーム)を取り付けるためです。

・塗装

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前面はマスキングゾルを流してガラスを保護。
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側面と共に、FARBEの#026「緑14号」を吹き付けます。

・側面のマスキング

特徴的な形になる、側面のマスキングテープの切り出しはフリーハンドでは無理なので、

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Bトレの側面パーツをスキャンして、

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PCで画像の上にお絵描き。GIMPのレイヤー機能を使えば楽かもしれませんが、Windows Paintでも十分です。難しい曲線の部分は、楕円ツールを使って描いた曲線の一部をコピーして使うとやりやすいかも。

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こんな調子で
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どんどん描いていきましょう。

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JとRの傾き、同じなほうがいいかな…?

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Jを描きなおし。

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これで大丈夫かな。

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大きさを合わせて印刷して、
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透明なプラ板を重ねてずれないように固定し、マスキングテープを貼り込んで、
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透かして見ながら切り出します。

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これを貼りつけて、
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段差もしっかりとカバーして、





…ここでふと手が止まりました。

車体が平面なことを前提に切り出したマスキングテープなので、凹凸があるとズレるのです。今回使っている101の車体は、Hゴムが車体に表現されている仕様。当然、車体は平面ではありません。


まさにこの車輌こそ、アレの使いどころなのでは…と。


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こちらです。金型改良後の製品なのか、Hゴムがガラス側に表現されている代物。偶然、手元に2両分ありました。乗務員扉の表現も改良されているようです。
ジャンクを買うなら断然こっち。なかなかお目にかかる物ではないのですが…


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ちなみに従来品は側面裏の刻印が"K103A(1/2)"となっているのに対し、新しい方は"S1000A(1/2)となっています。

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カンのいい方は既にお気づきかと思いますが、なぜか新旧の側面でA1とA2の対応関係が入れ替わっています。
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しかも、妻板もあわせて新規製作されています。成型色は無色透明、金型番号は"S1000B3"となっています。

もったいないと考えて今まで使ってこなかったのですが、今こそ使うべき。

要領は掴めているので今回は速いです。先程と同じ工程で同じところまで持ってきます。


・前面

実車の写真は雑誌を購入して見ていただくとして、ちょっと不穏なツイートを見かけたのでリンクを貼っておきます。

…はい。雑誌に掲載されている写真は、とれいん&鉄道ファン、共にクモハ100を手前にして撮った写真でした。クモハ101のお顔は写っていないんですね。
そしてここに、クモハ101は原型ライトだったという情報があるわけです。

信憑性に関しては何とも言えませんが、本当にこの通りだとしたら模型的な面白さが増します。そうだそうしよう(オイ、イクラナンデモ キメンノ ハヤスギダロ

ライトをを削って塗るところまで行ったわけですが、なかったことにして別の前面を用意します。101系の改造ネタなんていくらでもあるさ


塗り分けですが、ただの折れ線だし(切り出しは)定規だけでイケるだろー、とか考えていたのですが無理そうでした。こちらもパソコンを使います。

前面パーツをスキャンし、Windowsのペイントでお絵かき。

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こんな感じになりました。

側面と同じ要領で切り出して
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前面に貼りつけて、
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マスキングが完了したら、妻板も登場させてFARBEの#027「クリーム10号」で塗装。
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なぜ妻板が3枚もあるのかって?君のような勘のいいガk…作った他の車輌に使おうと考えていたんですよ。塗り忘れていたんです(`・∀・´)ノ

車籍すら無いような車輌、塗装に関する詳細な資料はないのであくまで推測ですが、クリーム10号に緑14号という組み合わせはストライプの185系の配色そのものなので、JR東日本が車輌に塗る色として十分あり得たのでは、と考えています。

塗り終わってマスキングを剥がすとこんな感じ。
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いいんじゃない?



長くなったのでここで分割します。続きはこちらからどうぞ。

【番外編】繁華街の某カラオケに宿泊してみた【青春18きっぷの旅?】

・はじめに

この記事では、私的な用事の都合でカラオケに宿泊する羽目になってしまったときの体験談を扱っています。

サンプル数が1な状況で結論を出すのは如何なものかと考えもしましたが、今の段階の個人的な結論を言うとカラオケ泊はやめとけとなります。

これは当たり前ですが、カラオケは宿泊施設ではありません。

「(本来は宿泊する場所でない所に)泊まってみた」系の記事となるうえに、結論が上記の通りとなる以上、マイナスなことを書く羽目になるのですが、これは別に私が行ったカラオケが悪いわけではありません。

評判を傷つけてしまうのは不本意なので、今回は店名もエリアも伏せます。




青春18きっぷ旅行の際、都市部で一泊するときの選択肢としてカラオケが挙がってくる可能性もあるので、タイトルには一応そのように書いておきました。



・お値段


繁華街のカラオケ店の場合、下にキャッチがいます。一緒にいた友人がその道のプロ(?)だったため、「キャッチをキャッチして値引き交渉」という技を繰り出しました。
交渉術はよく覚えていませんが、なんやかんやでソフトドリンク飲み放題付きで6時間2000円になりました。一泊のお値段としてはそこそこ…


どうでもいいのですが、気がついたらドリンクは一滴も飲まないまま時間が来てしまっていました。フリーソフト要らなかったやんけ。




寝具

寝具と言ってはいけません。要するに、「イスに寝そべることができるか」という話です。

私が行ったところでは無理でした。コの字形の座席だったのですが、1辺の長さが足りない。おまけに、コーナー部には謎の動かせないブロックが配置してあって、各辺の有効長が余計に短くなっていました。本来の用途で使う際はドリンクや選曲用の端末など、小物を置く台として重宝するのでしょう。

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仕方がないので、図のように体を配置して寝ました。橋か。
今思えば、ブロックの上に足を乗せればよかったのかも知れません。


2人で行ってこのような部屋に案内されたので、結構な人数で行かないと十分な寝具は与えられないでしょう。←いやだからカラオケは宿泊施設ではありませんってば




・音


カラオケの個室はそれぞれが防音ルームになっているそうです。…が、物事には限度というものがあってですね、


どこか近隣の部屋で、遊助の『ひまわり』とか大塚愛の『さくらんぼ』を、
それはそれはひどいデスボイスで歌っているどう考えても酔っ払いの団体がいてですね、


ホントにもうジャイアンみたいでした。あれ歌ってるって言わない。
ボエ~~~~~ホゲー~ーー~の世界。でも悪いのはこっちです
カラオケは宿泊施設ではありませんからね。





・光


雰囲気作りのために暗めに設定されていますが、それでも仰向けで横になると眩しいもの。当たり前ですが消灯はできません。音の聞こえにくい個室、いい雰囲気になった2人は…といった事態はカラオケ側としても避けたいもの。仕方がありません。カラオケは宿泊施設ではありませんからね。





・カラオケの機械


私が行ったカラオケの個室で一番厄介なのがカラオケの機械でした。まずモニターが複数ありました。画面の明るさもそこそこ。それに、デモムービーのようなものが延々と流れ続けていました。当然サウンド付き。モニターのスイッチを探しましたが、どうやら消せるものではないようです。消音の機能もありませんでした。

チカチカする画面とよく分からないサウンド。一晩中エンドレスで流れ続けていました。



天井のライトと合わせて結果的にどうしたかと言うと、持っていたコートを顔にかけて遮光しました。暗くなるとハッキリ伝わってくる、近くの部屋からの重低音。

何度でも書きますがカラオケは宿泊施設ではありません。





・まとめ

カラオケは宿泊施設ではありません。






24時間営業のファミレスに入って夜を明かす「ファミレス泊」や、24時間営業の牛丼屋のカウンターで仮眠を取る「牛丼泊」も聞いたことがありますが、さすがに都市伝説だと信じたいものです。

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