前回の続き。今回はディテールを付けていきます。多いのでディテールだけでまた記事を分割する羽目に…
・床下機器
今回使用した動力ユニットはTOMIXのE501系の物。動力カバーは当然使えません。103系のインバーター車?JR東海とか東芝が持っていましたね
面倒なので詳細は省きますが、
マイクロの元の床板とにらめっこしつつ、
GMの95-3「103系改造パーツキット」に入っている床下機器を用意して、
ブレーキ作用装置にも何種類かあることに気付いたり、
空気元ダメを切り出したり…
作業の過程。片側は多くの機器を流用できたのですが、反対側は全滅。なぜかって…
・前面
・運用番号表示器の穴埋め
低運転台車は運番表示器が埋められていました。元々はまっていたガラスの出来がよろしくなかったので透明パーツを穴埋め材として使ってしまいました。実車の話をすると、ここはATS-P関連の機器の搭載に伴って埋められたようです。
・前面強化
低運転台車には前面強化が施されていました。
前面強化用の部品はボナファイデのPE-004を使用。
GMのEVOシリーズ用の部品だそうで、裏を見ると
本製品はグリーンマックス製のEVO SERIES 103系にあわせて設計したパーツです。その他の車両への取り付けは考慮しておりません。
とありました。果たしてマイクロ車には使えるのか無理なのか。
幅の様子見。
はい、ダメでした。
ついでに言うと、
車端から乗務員扉までの長さも合っていません。下は鉄コレの105系仙石線。こちらにはちょうど使えて、先述の幅もピッタリでした。
…となると、マイクロの設計がガバガバだったということになりますね。
ここでまさかと思い、101系と比較してみると…
白いのがマイクロの103系、上の写真の101系はKATO製、下の写真では鉄コレの101系と比較。
はい、思った通りでした。この103系は、乗務員扉の位置が101系と同じになってしまっています。
…というわけで、BONAの前面強化パーツは使えずじまいでした。
しかしプラ板で自作すると、手すりや尾灯の位置決めが大変になるのは明らか。
そこで、
側面に出る部分を切って、
パーツの説明書に従って、元の手すりや尾灯、連結器上のステップも全て削ぎ落として、
前面の分だけ貼りつけます。
前述のように、低運転台車は尾灯の上の手すりがズレていました。元のパーツは標準的な位置に手すりが来るように開孔されていたので、
手すりの穴の外側に「第三の穴」を開けておきました。無理に引き伸ばしたからきたない写真ですねぇ
補足しておくと、手すりの穴の径は0.25mmが丁度でした。
最後に、側面の分はt0.1mmのプラペーパーで自作。コーナーは接着剤などで埋めて、ヤスリで仕上げます。
三連の手すり穴は、一番内側にくるものをこの段階で埋めておきます。
サフを何回か吹いて修正、最後の仕上げにテールライトの部品を取り付けます。
前面強化のパーツが指定していた部品を素直に使用しました。タヴァサのPN009「新型テールライトA レンズ付き2組入り」です。
手すりも取り付けて、メタルプライマーからの仕上げのサフを吹くとこんな感じ。
手すりにはトレジャータウンの汎用手すりを使用。前照灯の下は1.2mm、その他は1.0mmを使用しました。毎度のことですが、垂直平行に気を付けて開孔するのは難しいもの。
「第三の穴」もですが、トレジャー製の手すりのランナーに付いてくる穴開け治具が本当に便利です。
上の写真ではライトレンズもはめていますが、あとでコンパウンドで磨いたほうがいいですね。
というわけでここまでの進捗。
別角度から。
…安っぽい、安っぽくない???
高運転台車の尾灯ですよ、尾灯。相方がこのシャープさなのに…あまりにも差がありすぎません???
というわけで、今更ながらこちらも尾灯を削り落とし、
先程と同じTAVASAのPN009を装着。やっぱこうでなくちゃ。
ライトプリズムは、先端のレンズ部分を切り落とし、ライトリムが入るようにφ1.0mmの穴を開けておきます。
どうでもいいですが、元の尾灯の穴の大きさはφ0.95mm程度ではないかと。φ0.9mmは写真のように垂れてしまい、φ1.0mmは入りませんでした。
・シールドビーム
一灯式のライトを換装した、通称「ブタ鼻」。
最適解はKATOの101系メイクアップパーツなのですが、いかんせんお値段が高い。
さてどうしたもんかなーなんて考えつつ棚上げにして放置していたら、いつの間にか牡丹餅に化けて落ちてきました。全部そろって¥810という破格。以前もライトだけ2つで500円ちょいという代物を発見しているので、地道に探してみるもんです。
さて、ツメを切ってそのまま車体に貼りつけてみたら厚すぎました。
KATOの101系を見るとライト部分には円形の窪みが。これで厚さを吸収していたんですね。
丁寧にヤスリで薄くして、知る人ぞ知る「黒い瞬間接着剤」で位置決め。主な用途がキズ埋め・盛り上げなためか、瞬間接着剤を名乗っておきながら硬化速度が異様に遅いのでこういう使い方も可能なのです。位置決めが終わったら普通の瞬間接着剤で固定します。
・妻板
妻板の話になったので、最初に模型の情報を載せておきます。
クモハ103-66は貫通扉がグリーン系統の色、
モハ102-272は両側共に銀色でした。JR東日本の「更新車」ですね。
IPAに漬けて塗装を剥離したのですが、銀はあっさり落ちても緑は全然落ちませんでした。シンナーでこすっても効果なし。一体どんな塗装方法なんでしょうね…
・銘板
簡単な凸モールドで表現して終わらせていることも多い代物。今回の種車にはそもそも表現されていませんでした。
銘板の金属パーツが出ているのでそちらを使用。トレジャータウンのTTP207-11「京成赤電小パーツ集」。
かなりの精度を誇るパーツ。文字が読めるレベルの物も混ざっていますね。国鉄103系に使う部品じゃないだろとか言わせない
パーツの説明を読むと、プラ用の流し込み接着剤でこびり付かせた後、落ちないうちに塗膜で固着させろと書いてありました。
こんな方法では不安だったので、
小さな穴を開けて、
その上に銘板を置いて、プラ用接着剤で仮止めした後に裏から低粘度の瞬間接着剤で固定。これで確実に固定できます。
・妻面昇降ステップ
まずは高運転台車の妻板の手すりを立体化します。
高運転台車にはこちらの手すりパーツを使用。
0.8mmを使用しました。何度でも書きますが、トレジャータウン製を使う大きな理由はランナー部分に付いている穴開け治具。これ以外使った経験のない身としては、逆にこれが無い商品の場合どのようにして穴を開けるのでしょう…?とか考えてしまいます。
手すりを植えた高運転台車は、車体とステップを馴染ませるためにサーフェーサーを吹きます。
その前に一つ。貫通扉の緑は落ちませんでしたが、シルバーシートのマークもIPAでは落ちてくれませんでした。シンナーと綿棒で落としました。
んで、低運転台車です。話が飛びますが、激しい誤解をしていたために塗装してからステップを取り付ける羽目に。同時に、高運も勘違いモデリングをやらかしていたことが判明しました。
ここでマイクロのクモハ103の妻板をご覧ください。
はい。ステップが左右逆です。このような仕様の車輌もいたのかもしれませんが、少なくともこの訓練車はこうではありませんでした。
というより、ステップが右側にあると屋根板の手すりと矛盾するんですね。
雨樋を痛めないように注意しつつ元のモールドを削り落としたのはいいのですが、てっきりステップが無いものだと思っていました。追加します。
そして大変に今更な感じが漂いますが、ここまできて…
はい。103系用パーツセット001です。入荷してました。ここに入っている三角のステップを使用しました。
低運転台車は全て四角いステップを使ってしまいましたが、これも大間違いでした。妻面窓の横は三角、その上の2つは四角が正解なようです。
実車に関する知識の欠如、痛いものがありますね…
・屋上
・手すり
ヒゲ付きの手すりの質感が大好きです。以前、Bトレで大船工場の101系入換動車を作ったときにすっかり魅せられてしまいました。ぜひとも付けておきたい部品です。
さて、先頭車化改造の高運転台車ですが、こちらは何と側面ステップ上、屋上の手すりがありませんでした。改造した際に、不要だからと付けなかったのでしょう。
低運転台車には取り付けますが、元の模型に手すりのモールドがありませんでした。武蔵野線にはそういう仕様の車輌もいたのでしょうか。
取り付けるにあたり、位置を正確にコピーしたかったので
端部からの距離をマスキングテープでコピー。
手すりを付けたらGMのNo.9「ねずみ色1号」で塗装、その後につや消しクリアーを吹きます。
改造車特有の「吹き込み」も再現したかったところですが、とりあえず今回はシンプルに仕上げるということで…
・ベンチレーター
高運転台車のベースのモハにはインバータ(静止型インバータ)(SIV, Static Inverter または APU, Auxiliary Power Unit)が載っていました。この影響で、訓練車に改造すると一つベンチレーターが不足します。
当然マイクロエースは部品の分売を行っていないため他社製の物を混ぜる必要が出てきますが、それでは形状にバラツキが出てしまいます。
おまけに、種車の製造時期が違うので同じマイクロエースのなかでも形状が異なっています。
…はい。全て交換するのが吉ですね。
最終的に採用したのは、αモデルのNo.232「<新型>グローブ型ベンチレーター」。KATOの分売パーツも検討したのですが、シャープさが足りなかったので見送りました。いっぺんα製品が買ってみたかったってのも無くはない
・高運転台車のアンテナ
低運転台のほうは元から四角い台座が付いたタイプのアンテナが搭載されていました。訓練車もこのスタイルだったのでそのまま採用となります。
問題は相方。なんだか細長い何かが付いていて、さてどうしたもんだかと考えてしまいました。
適当に模型の山を漁っていたら、
ウグイス色の103系が出てきました。買った癖して今まで見向きもしていなかった不良在庫だったわけですが、ここに正解がありました。
お隣は水色の同型車。山手線仕様は屋根板が違ったのですね。
・パトライト
ようやく出てきたこの車輌最大の特徴です。何はともあれコレさえ付いていれば……的な一面もある位には大きな特徴。
当然のことながらパーツなど出ているはずもないので自作します。使用するのは…
鉄コレの余りパーツと、前回お役御免になったテールライトのプリズムの先っぽ。
穴を掘って適当に刺して接着剤で固めて…
車体と床板の分離を考慮してか先がすぼまった形状になっているため、先端部を切れば見事にプリン型のパトライトが出来るわけです。これ以上の素材はきっとないだろうと考えているのですが、唯一にして最大の欠点が入手性。「KATOの103系の尾灯のライトプリズムだけ」なんてまず手に入りませんよね…鉄コレベースで作る105系のあの子たちの分はどうしようかなぁ
取付位置は信号煙管のあった場所となります。そもそもこのパトライトは信号煙管の代用品。訓練で使用する度に火薬を消費するのは…というわけで取り付けられているのです。
取付穴ですが、トミーテックさんもビミョーな部品を作ってくれるもんで、φ0.9mmではささらず、φ1.0mmでは緩くて接着剤が必要でした。
さらに続きます。マトモなNゲージの制作記を書くのはこれが初めて。Bトレとは比べ物にならないほど加工点が多くて執筆が大変…
続きはこちら→大宮の103系訓練車を作る(3/4) - 日ノ出前検車区
・前後の記事
・更新履歴
2017/04/28 投稿
2017/04/30 部分的な修正
2017/05/30 リンクの追加
2017/06/23 加筆