日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

伊豆箱根鉄道のコデ165を作る(4)


こちらの記事の続きです。大まかな車体づくりと電飾が終わったのでいよいよ仕上げに入っていきます。


前面ガラス

←before (奥は元の鉄コレ) after→

実物のHゴム支持窓って構造的に車体とガラスが面一になるよな?と思い、ガラスパーツを少々突き出させてみました。模型臭さが低減していい感じです。


また、運転台側のガラスにはワイパーのモールドが付いていましたが、ここは余った相鉄モニ2000のガラスを頂戴してワイパーなしのパーツに差し替えました。代わりにエッチングのワイパーを付けてあります。


ドア窓

相鉄2000系を事業用化するにあたって塞いだ窓を復元した形になるため、ここのガラスは気合で作るしかありません。NCフライス?欲しいですねぇ。実物はHゴム支持なのでその分の凸モールドも自作する必要があります。
開口部キッチリでプラ板を切り出す→接着し穴あけをしてHゴムを作る→透明プラ板からガラスを切り出す……というのが定番ですが、自分にはできる気がしなかったので別な方法を試してみました。

Hゴムはビニールテープで作れるのでは?というアイデアです。家に黒がなかったので白で試作しました。テープを車体側に貼ってからガラスを嵌めるほうが楽そうですね。



模型のガラスに指紋や傷があると格好が悪いので、透明プラ板は表裏にマスキングテープを貼ってから切り出しました。確かt0.5のアクリル板を使ったかと思います。


頑張って気合でガラスを作って嵌めます。ビニールテープはガラスの厚みよりも幅広に切っておかないと位置決めが困難なので注意。接着剤には以前も登場したコニシのSU(ブラック)をごく少量使用しました。当然ながら固定はユルいのでドア窓は基本的におさわり禁止です。


避雷器

パンタの台枠の側面に取り付けるタイプの避雷器です。市販品はなかったので自作しました。
 

TOMIXの0255に入っていた避雷器パーツ(要するに手持ちの余りパーツ)を改造して作りました。
 

 

パンタグラフの部品に横から穴を開けて設置しました。いいアクセントになりますね。言い忘れていましたがこのパンタはTOMIXの0230のPS16Pです。
 
 

 
 

仮完成!キリのいいところまできちんと作るのは気持ちがいいですね。




まだ完成ではありません。運転台などの室内表現やNj対応の台車、床下機器、車端部ディテールが手付かずなのでグレードアップしていきたいと思います。ただ、ここから先しばらく(下手すると1年以上)はまとまった模型の時間が確保できなさそうです……続きは気長にお待ち頂ければと思います。


続きを書きました。何とは言わない激動の1年は乗り越えましたが、コデの制作は1年どころか3年開きました(笑)

KATO動力対応の短軸Njゲージの動力台車を作る話です。

伊豆箱根鉄道のコデ165を作る(3)

前回までで車体の塗装が終わりました。電飾を進めていきます。

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実車のヘッドライトは、実は元々大きな電球が入っていたところを中身だけ小型化したものとなっています。言ってしまえば丁寧なチクビームですね。


というわけで、これを模型で再現するために白くて光を通さない円環が必要になります。これをアルミテープにシール用紙を貼って作成しようとしました。


で、色々試して紙とアルミ箔にドリルで綺麗な丸穴を開ける方法を見つけたのでここに書いておきます。


①シール用紙とアルミテープを貼り合わせ、シール用紙には予め流し込みタイプの低粘度瞬間接着剤を染み込ませて固めておく


②いらないプラ板などでしっかりと挟みながら、剥離紙のほうからドリルを貫通させる
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③ドリルが最初に当たった面が引っ張られてシワになりますが、本体はノーダメージで済みます

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右手前が成功例、右奥がシール用紙のほうからドリルを当ててしまった例。

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で、これをカッターなどでちまちまと丸く切れば遮光できるリングの出来上がり。


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白いことと遮光することを両立できました。

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ちなみに元のライトプリズムは削って引っ込めてあります。







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とりあえず装着してみました。光りますね。車体が透けまくっているのは想定の範囲内です。室内灯の部分が短いですが、実車も車両中央部にしか蛍光灯が付いていないようなのでこの仕様にしました。





さて遮光です。一般的には車体の内側を塗装しますが、今回は別な技法を試してみました。


ガラスの内側に塗装するというものです。


採用するにあたり、まず車外から見た時の影響を検討しました。
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裏側を適当にペンで塗って車体にはめてみます。

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左から銀、黒、未施工です。外からも結構見えます。今回は銀サッシなので銀で塗るといい感じですね。

というわけで、
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マスキングゾルを凹部に流し、

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まずは銀を塗ります。少しだけ期待していましたがやはり銀だけでは遮光が不十分ですね。

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というわけでさらに上から遮光ブラックを塗りました。ガラスがない部分は車体にアルミテープを貼っておきました。

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それらしくなりました。




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ヘッドライトはLEDチップをプリズムの根元に直当てし、少量の瞬間接着剤で固定した後コニシの「S・U」レギュラータイプのブラックを塗って遮光しました。遮光性が非常に高く、瞬間接着剤のように周囲が白化したりすることもないので愛用しています。本来の用途ではないんですけどね。

下にチラッと写っている金属の帯が印刷されたプラ板のようなものは、サンハヤト製のエクステンション基板ICB-073です。本来はFPCコネクタやFFCコネクタに使うものらしいですがよく分かりません()とにかく室内灯を作るのに便利なアイテムです。秋葉原なら千石電商日本橋ならデジット(シリコンハウス)に売っています。


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想定通りに光ってくれました。ヘッドライトの漏れもなくていい感じですね。



続きます。模型作りってこの辺りからだんだんと地味な作業が増えてしんどくなっていきますよね……

伊豆箱根鉄道のコデ165を作る(2)

こちらの記事の続きです。




前回までで車体の大まかな造形と動力ユニットの改造が終わりました。サフをしっかり吹いて先に進もうとしたのですが……
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ピンクサフをしっかり吹いたら大変なことが発覚しました。


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一か所だけ露骨に埋めた所が浮き出てしまっています。これは穴埋めに使ったプラ板の接着方法の違いによるものです。

他の箇所は裏(窓穴)からMr.セメントSP→低粘度の瞬間接着剤を流し込んだのですが、ここは試しにゼリータイプの瞬間接着剤を塗って貼り付けました。その結果がこのザマです。なるほど大きな凹部を埋めるときは裏から流し込んだほうがいいんですね。学習しました。


というわけでここにピンポイントでサフを厚吹きし(エアブラシの特権)、
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1200番のペーパーで削って修正しました。意外となんとかなるもんですね。



車体の造形ができたらパイピングします。

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線材は全てφ0.2です。変わった引き方をする母線と、空気作用管の謎の段差がチャームポイント。

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屋根上の配管押さえはトレジャータウンのTTP215-32「屋上配管止めバリエーション2」、前面は極細の銅線、ランボードはt0.2プラ板で足にはトレジャーのTTP201-12「汎用手すり1.2ミリ幅」を使用しています。オデコの手すりは同じく1.2ミリ、前面のステップにはBONAのP-086「手すりセットD【GM小田急1000形2000形中間車用】」を使いました。


さらに細かなパーツとして鍵外し線の台座を作り、3Dプリント製の連結器胴受けの座金(?)を付け(制作途中の撮影は失念……)たら車体の造形は終了となります。メタルプライマーを吹き、全体的な下地の色を整えるため改めてピンクサフを吹いておきました。



塗装に移ります。メインの黄色に使用する色はMr.カラーの#113「RLM04 イエロー」。以前Bトレ版を作ったとき、隠ぺい力の弱さゆえかなり厚吹きになってしまい大変に苦労しました。あれから3年、黄色の下地にはピンクサフを使うと良いと聞いていたので今回敢えてピンクを使用したわけですが……
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大成功です。ひと吹き目から色が出てくれて感動しました。すごいぞピンクサフ!



黄色が塗れたらマスキングして屋根の色を吹きます……が、その前に無線アンテナを付けておきました。定番のKATO私鉄無線アンテナではなく、少々小ぶりな鉄コレのものを使いました。

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ガイアノーツのNo.072「ニュートラルグレーⅡ」に艶消しクリアーを重ねました。実車は屋根までツヤツヤなのですが模型的に微妙だったので艶消しにしました。が、半ツヤ程度でもよかったかも知れません。


塗りあがったらマスキングを外します、が……
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ヘッドライトの支持具にマスキングゾルをたっぷり付けてマスキングしたところ、予想以上に硬くなってしまいディテールが持っていかれてしまいました(´・ω・`) 反省ですね。


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塗料の乗りにくい材料でできているヘッドライト部の塗膜も持っていかれていたので、イエローをMr.リターダーマイルドで溶いて筆塗りして補修しました。イレギュラーな使い方ではありますが、これを使うと色挿しがかなり楽で綺麗にできます。
国電の床下車端部のコックパンタグラフの碍子など微細な部分への色挿しにオススメです。




色を塗ったらデカールを貼っていきます。
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特徴的な青い稲妻デカールで再現します。実は左右で稲妻の形状が異なるというのはこのデカールを見て知ったことです。何年も前に秋葉原鉄道模型店「レールマイスター」で買った委託品で、詳細は全く不明です。

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前面と側面の車番プレート、社章、スペック表記や検査表記、サボまで入ったトータルセットになっていました。非常に有難い商品でしたが、作者は一体どなたなんだろう……?

ちなみに①と②のエンド表記はデカールにも収録されていましたが、さすがに解像度でインレタには勝てていなかったので手持ちのインレタを使用しました。


側面の青い模様のことを私は稲妻と呼んでいますが、公式曰くモチーフは電気とかではなく「酒匂川さかわがわをイメージ」したものだとのことです。
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青い模様の違いはこんな感じ。下半分は同じですが上半分の角度が違うんですね。写真を漁っていたら非パンタ側の上半分だけパッチワーク的に塗り直した写真が見つかったので、その時に間違えたのかも知れません。





続きます。

伊豆箱根鉄道のコデ165を作る(1)


Bトレ版を作った経験を活かしN版にも取り組んでみました。コデは以前から作りたかった形式なので、元のモニ2000の3連用に2箱、コデ用に2箱と合わせて4箱も買うという奇行に走ることに……(笑)

前例を探したところ、ヤフオク鉄コレベースで茶色の姿を再現した作例を発見。また、キッチン製のキット組み立て品がレールマイスターから発売されていたのも確認しました。



目次


車体を作る

元の鉄コレモニ2000の2両セットのうち、モニ2019&2023タイプは片側が非貫通、モニ2005タイプは両側とも貫通扉付きという仕様です。コデは両側とも非貫通なので2019&2023タイプを2両用意して切り接ぐ必要があります。

車体を切る前に下処理をしておきます。

ドアは元が片側3ドアですが、コデに改造した時にうち2つ、つまり全体でドア4つを埋めています。残っているのは全体で2か所だけなんですね。埋めるドアの部分にもシル(窓下の帯材)が来るので、元のシルは全部落としておきます。また、乗務員室扉と客ドアの間の窓を増やしておきます。




モニとコデでは配管の引き方などが全然違ったため、屋根板のモールドはパンタ台座以外全て削り落としました。また、ヘッドライトを点灯化するためにKATOのZ04-6860「クモハ53飯田線 ヘッドライト」を取り付けておきます。ちなみにこれの青色(スカ色)バージョンがZ04-7648「クモハ52004飯田ヘッドライト」です

さらに、ドア窓の穴あけをします。ドアごと交換することも検討しましたが、サイズが合いそうな部品が見つかりませんでしたし3Dパーツを作るにしても結局ドアのくり抜き作業が必要になります。

このモニ2000の小窓は作業中に割れると面倒だから縮小したんでしたっけ?戦中戦後に不足していたガラスの節約を目的に似たような改造を施された電車がいたような気がしていたのですが、記事を書きながらネットを漁ったところそういう話は出てきませんでした。記憶違いですかねぇ。そういう形態を再現するためのドアエッチングパーツも見た記憶があるのですが……




不要なドアを埋めるためのプラ板を切り出しておきます。

切り接ぎ位置はコーナーにしてあります。ここなら雨どいや窓のヘッダーのことを気にせずに接げるからです。


下処理をしたら車体を組み上げます。この時に屋根板も接着します。オデコの部分まで黄色いので継ぎ目を消したいからです。


いいんじゃない?ヘッダー(ドアや窓の上の帯)を残したままドアを埋めるのが難しそうでなかなか着工できずにいたのですが、やれば何とかなるもんですね。


KATOの旧国用のヘッドライト部品を取り付け、継ぎ目を消して水切りとシルをプラ板で作りました。


車体の形を作ったらエッチングパーツを取り付ける穴を開けておきます。チャームポイントの前面サボ受けにはトレジャータウンのTTP241-01「私鉄用正面サボ受#1」の天地を詰めた物を使いました。Bトレ版は面倒くさかったのでそのまま使ってしまいましたがNは手抜きしないゾ。


動力ユニット

足回りにはKATOのクモハ12の動力ユニットを使います。鉄コレの動力ユニットを使うのが一番楽なのは重々承知なのですが、連結器はボディマウントにしたかったこと、台車を履き替えてNゲージと「Njゲージ」の両方になるようにしたかったことがあったためKATO動力にしました。5000系の回送列車だけがやりたいならばコデは敢えてT車にしていくのもアリだったのですが、工臨もやりたいのでM車にすることにしました。


↑Njゲージ用の台車はこの方法で作りました。


連結器


続いて連結器を改造します。元はKATO密連(フック無)なところをTN自連に改造していきます。

先端を切り落とし、腕の部分を彫り込んで溝を作ります。

上側の部品を接着します。……とは言っても軟質プラ同士なので仮止め程度の気持ちです。


TN自連を組み立て、もげないようにエポキシ接着剤で根元を固めておきました。

こうなります。

でも伊豆箱根の旅客車(5000系)は密連だよな?と思い回送シーンを見たら、回送の時は5000系の連結器を交換しているんですね。JRのコキと繋いで駿豆線のほうに持って行っているので回送時の自連の使用は仕方ないのですが、どうして普段使いの連結器に密連を採用しているのかが気になるところです。増解結があるわけでもないですしねぇ。

後日追記:
コデの連結器は密自連ではなく自連でした。間違いに気付いたので作り直そうとしたのですが、

左:TN密自連 中:TN密自連改造品 右:TN自連

TN自連デカすぎない??電車には似合わんな???
というわけで密自連のトゲ(?)を削り落として自連風に仕立てることとしました。


下地塗装

BONAのP-206「旧型国電用テールライト(平妻用)」を取り付け、メタルプライマーからのガイアノーツのNAZCAピンクサフをごく薄く吹いて仕上がりを確認します。良さそうですね。オデコの継ぎ目が浮いていたので修正しました。BONAのライトリムシリーズが生産終了になっちゃいましたね。後継品がないので困っています……
今回のこれは近年の茶色ではなくかつての黄色に青い稲妻が描いてある姿で作ります。灰色と白の樹脂を接いだ部分を同じ黄色で塗らなくてはならないので、ピンクサフは後でしっかりと塗るつもりです。



続きます。

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