日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

【1/80】山形鉄道の鉄道むすめラッピング車を作る(7)

デカール作りでかなり工期が伸びてしまいました。今回はいよいよ車体を仕上げてデカールを貼っていきます。
前回の記事はこちら。



・目次



車体加工の仕上げ

塗装と組み立ての順序を考えながら、小パーツ類の取り付け穴を開けていきます。
 


ワイパーの下穴

ワイパーにはトレジャータウンの8206-02「ロングアームワイパー」を使います。

こんな感じ。ワイパーブレードの長さは後で調整しましょう。
 


車側灯の下穴

元のキットでは完全に省略されているのでパーツを付けます。こういうパーツも出ているのがビッグサイズのHOならではですね(んなことない?)

エコーモデルの3621「車側表示灯(丸型・赤色)」に合わせて開孔します。

ちなみに取り付け位置ですが、キットに合わせてデフォルメしています。キットの側引戸の天地が実車より短い(実車山形鉄道仕様は他社一般NDCよりドアが細長い)ため、印象優先でドアとの相対位置を合わせています。
ドア部の自作も考えていましたが、面倒だし綺麗に仕上げる自信も無いし言っても分からない程度の違いな気がしたのでやめておきました。
 


貫通扉の取っ手

ここも立体化します。

トレジャータウンのTTP8204-01用の下穴を開けておきました。
 
 


反射板掛け


荒砥方の前面だけに付いている反射板掛けです。Nならパーツが出ているのですが、HO用は無いみたいですね。
というわけで自作しました。硬めの帯材なら何でもいいので、N用エッチングパーツのランナーを活用しました(笑)

前面の下部に差し込む穴を開けて取り付けるつもりで進めます。

 
 


スカートに追加工

スカートにエアホースの部品を取り付けます。エコーモデルのNo.3603「エアーホース」を使用。スカートにプラ材で台座を作り、エアホースの部品を取り付けながら曲げて形を整えます。

荒砥方のスカートだけはこのエアコックのハンドルを避けるようにして切り欠かれています。こういった「カタチの理由」みたいな物が見えると嬉しいですよね。
 
形が決まったらエアホース本体を脱脂→プライマー塗装しておきます。
また、スカートの側面が射出成形後のヒケ?で凹んでいたので接着剤を盛って削って平らにしておきました。
 
 


ライトケースの接着

車体に埋め込まれるライトケースは塗装前にボディに接着しておきます。接着前に一旦磨いて表面の酸化皮膜を落とし、錆止めのためにメタルプライマーを吹いておきました。

なお、手すり、銘板、ワイパー、反射板掛けは別で塗装しておき、クリア塗装の後で取り付けることにしました。デカール保護用にクリアコートを厚めに吹くつもりなので、塗膜で太くなったりディテールが埋もれたりしそうだったためです。
  
 


車体の塗装

加工が済んだら車体を洗剤で洗い、脂や汚れを落としておきます。

車体色

車体色はバーチャロンカラーのVO-01「ウォームホワイト」にしました。なんとも言えない、かなり白に近いクリーム色にちょうどいい色でした。

後で付ける手すりにも忘れずに塗っておきます。

車体ステップ部

乾燥したらマスキングしてステップの凸部にグレーを塗ります。GMカラーのNo.35「ダークグレー」を使用しました。

ステップをグレーアウトする塗装は珍しい?気がします。
 
 

ピンク帯色の調色&塗装

ライトケースの側面と後付けにすることにした銘板、それに給油口の凹部の色になります。帯デカールに合わせて色を探し、バーチャロンカラーのVO-27「マイザーピンク」をベースに調色することにしました。マイザーというのはこの子のことみたいです。

ガイアカラーのNo.001「ピュアホワイト」を混ぜたら純正帯デカールとほぼ同じピンク色が作れました。このピンク色でライトケースの側面、給油口の凹部と給油口の部品に色を入れます。
 
 


デカールの貼り付け

塗装はここで一段落です。塗装はほぼ単色ベタ塗りで帯をデカール任せにできるのは楽でいいですね。

大きなデカールの貼り付け

デカールとキャラクターのデカールを貼っていきます。
なお、白デカール以前の記事の検証から隠蔽力が低く下地が透けることが分かっているので、帯デカールとキャラクターは極力重ねない方針で進めます。

まずはMaxモデルの純正帯デカールを貼っていきます。

Maxモデル純正のカルトグラフ製デカールはコシが強く肩の曲面に追従してくれなかったので、マークソフターで曲げてマークセッターで固めました。
 
キャラ絵と帯が被る部分は、

デカールの試し刷りの紙をキャラの輪郭に沿って切り出したものを帯デカールに貼り付け、その端に沿って帯デカールを切り、
 
こうして

 
こうじゃ。

 
大変にめんどくさいです。片面仕上げるだけで丸2日以上かかったゾ……

 
 
前面の帯も貼ります。
……が、純正帯デカールが固くてなかなか曲がらず、コーナーのRに追従する前に割れてしまって難儀しました。

Mr.のマークソフターは軟化力が弱めなのかな?と思いタミヤのマークフィット(ハードタイプ)と《スーパーハード》も買ってみました。帯デカールはハードタイプならよく曲がってくれました。ちなみにスーパーハードを使っても十分耐えていました。カルトグラフのデカールは硬めなのかもですね。
 
あとMaxモデルさん、短いほうの前面帯の長さが寸足らずなのどうにかなりませんか🥹

 
 


デカール

キャラクター名のデカールに加え、キット付属の標記類のデカールを貼ります。

賑やかになっていいですね。透明デカールにはファインモールドのクリアデカールを使用しました。こちらは柔らかかったのでマークソフターは使わないほうが良さそうです。

なお、ドア上広告のデカールはクリア塗装の上から貼って、走らせるうちに剥がれてなくなってしまったら都度新しい物を作って張り替えることとしました。実車の広告も結構頻繁に変わっているので、ある意味それが一番「リアル」な気がします(笑)
 
 


ドアレール

ドアのローラーの通り道です。銀の車番インレタのガイド線の部分を活用しました。

ちなみにこれは手持ちの車番インレタを発掘してきて使ったのですが、手持ちが何枚もあったのに多くが古くなっていてうまく貼り付きませんでした。巷で言われるインレタ復活法を試してみましたが、やはりうまくいきませんでした。まだ生きている物があったので何とかなりましたが、結果としてほぼ未使用のインレタシートを3枚ぐらい捨てる羽目になりました。

やはりインレタは生ものですね。直近で使う用事が無いなら買うべきではないようです。反省。
 
 



最後にクリアーを吹く前の仕上げを行います。

デカールに開けてあるライトケース穴が音羽工房のパーツよりも若干大きかったので、上述の自作したピンク色で隙間を塗って埋めておきました。

また、オレンジの帯デカールタイフォンのモールドに追従させている時に欠けてしまった部分などは、タミヤのX-6「オレンジ」にMr.のピュアホワイトを混ぜたものでタッチアップしておきました。

緑帯のスレている部分等はガイアのNo. 「ビリジアングリーン」にGMカラーのNo.「緑15号」やピュアホワイトを加えたらそれっぽくはなりました……が、完全に納得のいく色は作れませんでした。


調色は無理だと思って避けてきたのですが、スタート地点でそれっぽい色を選んでおけば意外とどうにかなるものですね。何事もやってみるものです。
 
 



いよいよクリアコートの準備が整いました。
ちなみに車体色の塗装からここまでの工程は車体の側面や前面を直接触らないようにして行っていました。

屋根にマスキングテープを貼って車内にはスポンジ(余っていた車両ケース)を入れることで、直に触れずに上下を掴めるようにしていました。屋上機器の取付穴には針金を通しておき、吊るすようにして持つこともできるようにしてありました。
スポンジには角穴を開けておき、塗装時の持ち手となる別なスポンジが挿せるようにしてありました。思いつきでやってみたのですが、案外うまくいってよかったです。

クリアコート前には屋根のマスキングテープを剥がしておきます。


保護塗装

デカールがしっかりと張り付いていることを改めて確認したら、缶スプレーのクリアーで厚い丈夫な塗膜を作ります。
 
「Mr. SUPER CLEAR 光沢」を使いm……

スライドマークを貼った上から吹き付けないでください。

⁉️

テストピースに試し吹きして実験しました。

……問題なさそうです。普通に塗る分にはMaxモデルのデカール、ファインモールドのホワイトデカールとクリアデカールは大丈夫でしょう。


塗り重ねる度にホコリの巻き込み確認をして慎重に進めます。5回に分けて少しずつ塗り重ねました。



……して、
なんかシワシワになってる( 'ᾥ' )

「片側だけ」帯デカールにシワが寄っていました。

片側だけなので、相性問題ではなく最初にクリアーをドバっとかけてしまったのが敗因でしょうか。


……満足いかない出来になってしまいましたが、下手に手出ししても悪化しそうなこと、光を反射させなければ目立たないことからこのままにすることにしました。走らせれば分からない理論発動!!!


塗り終わった後、5日ほど放置して完全乾燥させました。

本当はこの後カーモデルのような「研ぎ出し」をしてやるべきなのでしょうが、度胸も気力もなかったのでやめておきました。




完全に余談ですが、Mr.の水性プレミアムトップコートTOMIXの発泡スチロールは相性が悪く、車両ケースに保管していたら塗膜が劣化したという報告があります。
鉄道模型用途の場合、臭くてもラッカー系を選択するのが無難なようです。

そういう意味だと鉄道模型って特異な模型ですよね……完成後に何度もハードな輸送をされた挙げ句ベタベタ触るのが前提のプラモデルもそう無い気がしています。



本作の一番大変な部分が終わりました。

続きます。次回は細かいパーツ類を取り付けて仮完成まで持っていきます。

 


余談

YR-887の実車が再塗装されている様子です。Maxモデルのデカール、彩度が高すぎないか……?と思っていたのですが、日焼けする前の実車はこんな色だったんですね。色って難しいです。

【1/80】山形鉄道の鉄道むすめラッピング車を作る(6)

MaxモデルのNDCキットから山形鉄道のYR-887を作る話です。前回は主役のキャラクターが印刷されている白デカールを作成しました。今回は表記類の透明デカールを作成します。
 
前回の記事はこちら。




今回もデータを作って試し刷り→サイズ調整のサイクルを回します。
 

キャラクター名

イラストの横に書かれている名前のデータを作成します。
なお、実車にはこの文字の下に白地に小さい文字(テプラ?)で版権関係の表記が入れられているのですが、細かいのと見た目が良いわけでもないのであえて再現しないことにしました。
 
 
PowerPointのテキストボックスで作っていきます。

フォントは基本的に全てMS Pゴシックを使用しました(笑) ただ、MS Pゴシックは"Ringo Ayukai"のgの書き方が実車と違ったのでgだけメイリオを使いました。フォントサイズをいじったら案外違和感なく馴染んでくれました。
 
で、これを全員分作って印刷したところ、

なぜか青字が濃い紫色で印刷されてしまいました。📞🐱<どうして
 
 
実験的にデータの文字色を思いっきり明るい水色(左)と分かりやすい#0000FF(右)にしてみました。

左は欲しかった色が出ました。右は相変わらず紫色で出ています。

うーん。危うくRGB-CMYK変換の罠にはまるところでした。こういった意味でもプリンターを自分で持っておいて試し刷りできると有利ですね。

狂気。

 

試し刷りしてサイズ確認。オレンジの上に青字の透明デカールを貼るので色が黒っぽくなるとは思いますが、実車もそんな感じなので問題ありません。
 
 
余談ですが、この後"Nagisa Shimizu"にもgが入っていることに気付いてデータを修正しています。aやgの書体が2種類あって統一されそうにないことの背景が気になりますねぇ。
 
 


鉄道むすめロゴ


ここから持ってきました。淡い茶色の画像だったのでGIMPで色をいじって黒くしました。


こんな感じになります。
 
 


ドアエンジン点検口(?)

戸袋の下の所に付いている開口部です。過去の記事でも触れましたが、ここに使えそうなエッチングパーツ等は無さそうだったのでデカール表現にすることにしました。
 

パワポの図形の一番細い線で描き、非常に淡いグレー~黒の間の何段階かで作って印刷してみました。塗装後に貼ってみて悪目立ちするようだったらやめておきましょう。
 
 



全体はこんな感じになりました。

面積的にはハガキ1枚分なんて全然使わないのですが、印刷物の大きさ合わせで問題になるのも面倒だったので今まで通りのはがきサイズでの印刷としました。
 
 


レタリングが入ると賑やかになりますね。貼るのめんどくさそう



最終的に、納得できるデカールの印刷が完了するまでにこれくらい試し刷りしました。

やはり3Dに限らず2Dでもプリンターは所有したほうがいいですね。お高いですが効果は抜群です。



続きます。次回は車体にパーツを取り付け、塗装してデカールを貼っていきます。

 

今日も一日鮎貝りんごが可愛い

【1/80】山形鉄道の鉄道むすめラッピング車を作る(5)

【大悲報】鉄むすラッピング終了


本当は実車と並べたかったのですが、叶わぬ夢となってしまいました。
それはさておき、ほとんどの車両が花柄になっている中で創業時の塗装が残ったのは素直に喜びましょう……あれ、でも貫通扉の社章とか🄵🄻🄾🅆🄴🅁 🄻🄸🄽🄴🅁とかが省略されちゃってるな?と思ったら、
 
🍜ラ ー メ ン 大 好 き 小 泉 さ ん🍜

……山形鉄道の制服を着た別な別嬪さんの絵が描かれました(笑) これはこれで楽しみです。内装の取材の時に乗れるといいな。
 
 



HOゲージのYR-887を作る話です。前回はデカールのデータを作って印刷に失敗しました。今回はアプローチを変えて再挑戦します。



・目次


デカール作成・再挑戦

GIMPでデータ作成

GIMPをインストールするところから始めます。

画像の解像度は600dpiで設定しました。最低350dpiというのは一般的な印刷物の話であり、デカールならもっと高いほうがいいかなとの考えです。今思えばファイルサイズも大したことないんだし1200dpiでも良かったですね
↑このあとデータ・プリンター共に1200dpiないと模型用途では厳しいことが判明します。

切り抜きとレイヤーの拡大・縮小を使って画像を並べていきます。
 

デカール用にサイズを合わせてPDFに書き出して1000%まで拡大するとこんな感じ。大丈夫そうですね。
 
 
実車は偶数側と奇数側で同じサイズのラッピングフィルムを使ってると思うじゃないですか、

杜みなせと釜石まなは海山でサイズが違うんですよねぇ〜〜しかもまなさんのサイズ違いは並べればギリ分かるレベルです。逆に平賀ひろこは片方がニーショットの構図、もう片方が全身立ち絵なのに海山でサイズが共通となっています。どうしてこうなった。
 
 


印刷依頼

作ったデータをpdf出力し、秋葉原に出向いて印刷してきました。

……?なーんか微妙なんだよな……
 
プリンターの性能を活かしきれていない感があるんですよね。
 



レーザープリンターの購入

某所で開催されたオフ会でデカール自作に詳しい方に相談したところ、pdf書き出しの工程が良くないのではないか、とのことでした。その方は本格派のレーザープリンターをお持ちで、Adobe Illustratorで作ったデータを直に印刷しているそうです。もうどうしようもないじゃん……というわけで、
 
 

レーザープリンターを買いました!!!デカい!!

リコーの P C6010 、1200dpi×1200dpi出せて←ここ重要 10万円程度です。機種決定に至るまでの詳細、印刷のTipsは語ると長いのでこちらからどうぞ。

これなら手軽に何度でもやり直せますね。
 




試し刷り。綺麗に刷れていますね。設定などの詳細は先述の記事中にあります。
 

で、データを改めて整えます。

プリンターと†対話†した結果データはPowerPointで作ることにしたので、GIMPで彩度調整→パワポに貼り付け→試し刷り のサイクルを回します。ただひたすらに面倒です。


Tips
  • GIMP上でも画像のコントラストは調整しないほうがよさそうです。印刷がボケました。
  • パワポで同じ画像を複数並べる時はパワポ上のオブジェクトのコピペはしないほうが良さそうです。面倒ですが全て画像ファイルを挿入→サイズ変更してやりましょう。
  • パワポ上でのトリミングも出力された画像が若干ボケました。基本的にパワポ上ではサイズ変更以外の機能は使わないほうが良さそうです。



 

立ち絵印刷準備完了

ようやく納得のいく印刷が出来ました。


 
試し刷りの紙を切り出して大きさの確認。

いい感じですね。


長かった…………




続きます。残念ながら次回もデカールの話です。透明デカールに印刷する表記類のデータを作ります。ラッピング列車は大変ですねぇ。

久里浜の105系訓練車を作る(2)


かつてJR久里浜駅の脇にいた横浜総合訓練センターの105系を作ります。前回の記事はこちら。



・目次


塗装

車体の塗装

最初に貫通扉を淡緑1号で塗ります。

 
 
次にメタルプライマー……と思ったのですが、加工から塗装までで半年以上放置したせいで配管類が錆びており、その前に錆落としをする羽目になりました。仕掛け品を積むのはいけませんね(白目)

 
 
今回の種車の鉄コレ仙石線105系は成形色が白でした。車体が透けていると安っぽいので、


配管類を軽くマスキング→内側→外側の順でカステンのC-18『電飾用 遮光ブラック』を吹きました。
配管類は繊細なので可能な限り余分な塗料を乗せたくないという理由でマスキングしています。
 
 

厚吹きせずに遮光性能が得られます。すごい。

詳細は後述しますが、外側に遮光ブラックを吹いたことが後に2度の悲劇を招きます……
 
 



次に、黒帯のマスキングをします。書けば一言ですがこの作業はつらいので好きじゃないです。

これで一日溶けました。ドアに帯がかかってなきゃだいぶ楽なんですがね……ホントにしんどいです。

黒帯が少しだけ前面に回り込むのがこれまた面倒でして……

 
 

今更ですが車体に追加工をします。屋根横の雨樋の水を運転台横の縦樋に誘導する「ジョウゴ」部です。横幅が大きい物と小さい物のバリエーションがあり、元の鉄コレは幅狭タイプを再現しています。鉄コレ製品のプロトタイプはクモハ105-101+クハ105-105で(こちらは新秋津の訓練車になりました)、ジョウゴは大型のものでした。……とは言っても、大型ジョウゴを再現した製品はまずないように思います。知る人ぞ知る細かい差です(笑)

元のジョウゴを撤去し、プラ帯を切って貼って改造します。

本来なら塗装に入る前にやるべき加工ですよ??
 
 



ジョウゴ大型化が終わったら配管保護用のマスキングを剥がし、車体色の白として全体にガイアノーツのNo.071『ニュートラルグレーⅠ』を吹きます。ただの白を使わないのがこだわりです。

塗って気づきましたが、元の鉄コレのジャンパ栓受の表現がいいですね。製品状態だといいかげんな塗装のせいで全く見えなかったのです。



実車同様に車体から少し浮かせた縦樋も隙間が埋まらずに残ってくれていました。やったね。
 
 



次に黄色を塗ります。

窓周りは細切りのマスキングテープで外縁部の形状を出し、その枠の中を適当に切ったマスキングテープで埋める戦略をとりました。厚塗りになるのを防ぐため、青くする予定の部分も覆っておきます。
 
 
マスキングが済んだらMr.カラーのC113『RLM04 イエロー』を吹きます。彩度が高いにもかかわらず「軽い」感じのしない黄色なので気に入っています。

オデコの白を残すべき部分は表から覆っておしまいにしていましたが、裏からも保護するべきでした。車内側から吹き込んで黄色くなってしまうところでした。ヒヤリハット


全体が黄色くなったら青くする部分のマスキングを剥がします。


続いて黄色い部分を保護します。ドアに青が吹き込まないよう、丹念にマスキング。

手抜きするとすーぐ吹き込むので怖いもんです。
 
 

面倒なのは前面です。狂いそう……🐧
 
 




マスキングできたらガイアノーツのCB-15『コバルトブルー』を塗ります。


テールライトの塗り分け線が独特なので、尾灯のライトリムは適当なプラ片に穴を開けた冶具を使って塗り、塗装が終わった後で取り付けることとしました。

で、マスキングを剥がします。

きのくにシーサイドっぽい?

この後悲劇が起こります。

黒帯のマスキングを剥がしたら……


黒帯ごと剥がれました。

……

Bトレ版を作ったときはこんなことにならなかったんですけどね。


原因はおそらくカステンの遮光ブラックを使ってしまったことでしょう。厚吹きしなくても遮光できるよう、通常の塗料よりも顔料の割合を増やしてあり、樹脂成分が少ないので塗膜の強度は低い……と考えれば納得がいきます。

遮光ブラックにテープはNGでした。


ただ、IPAドボンにするほど酷くはなかったので筆でリカバリーをします。
↑この判断が後に別な悲劇を招きます。今思えばこの時点で諦めてドボンして普通の黒で塗り直すべきでした。


修正作業にはMr.リターダーマイルドが大活躍しました。普通のシンナーで薄めて筆塗りすると塗料が糸を引いてうまくいかないのですが、リターダーマイルドで薄めると乾きが遅くなり筆でタッチアップができるようになります。


二度とやりたくねぇ……



あともう一つ悲劇が起こっていました。

前面強化のエッチングパーツが酸化していたのか、プライマーが食いついてくれず剥がれてしまいました。当該箇所を磨いてからマスキングして再塗装です。


はぁ……


今回学んだことは

  • カステンの遮光ブラックにテープを貼らない
  • エッチングパーツの酸化膜はきちんと落としておく

です。




続いて屋根を塗ります。

マスキングしてからGMのNo.35『ダークグレー 屋根』を吹き、Mr.のつや消しクリアーを吹きます。


ちなみに、配管類は下にマスキングテープを潜り込ませて車体の塗色を保護しています。

これが終わったら吹き込みの表現をします。車体の塗色が屋根にまで付いてしまっているアレです。程度に関しては個体差、時期による差が激しい部分ですが久里浜の訓練車はかなり†しっかりと†吹き込んでいたようです。


エアブラシならではの芸当。


続いて配管に色差しをします。ここでもMr.リターダーマイルドが活躍しました。

0.1mmプラ板を重ねて凸形にした台座も形を残したまま塗れて一安心です。


こんな感じに仕上がりました。パイピングを壊さずに塗れて一安心です。


細かい色を入れます。運番表示器の跡とカモメの白を塗ります。
 
Bトレ版を作ったときはガイアのNo.002「ピュアホワイト」で塗りましたが、その改良版であるNo.031「アルティメットホワイト」を使いました。隠蔽力を増すべく顔料の割合を多くしたとのこと。顔料マシマシ……ウッ頭が

上に塗るなら全く問題はありません。隠蔽力の強い優秀な塗料です。
 

カモメはBトレ版を作ったときと同じ、自作ステンシルシートの上に透明デカールを重ねる手法を使いました。
 
クツズリにポスカの銀で色差ししておきました。

実車はクツズリの部品がステンレス製の物に交換されていたようです。 
 
 

インレタ

自分でデカールを作る気満々で画像を作っていたのですが、世田谷総合さんからインレタが出ました。

Yokohama Training Center

非常に独特な書体で書かれています。世田谷総合の製品でもiのドットや上下に潰れたgなどの特徴が的確に再現されています。

……が、(少なくとも左右方向に)ちょっと大きいですね。鉄コレの105系の寸法がおかしい訳ではなさそうなのでオーバースケールということになりますが、もはや言われても分からないレベルなので問題ないでしょう。
 
 

エンド標記・保安装置の標記

エンド標記もこのシートに収録されていた物を使います。異様に小さいのですが、なんとこれで実車通りです。

保安装置の標記ですが、細線の部分はあまり綺麗に印刷されていなかったのでくろまやのインレタを使いました。
 
 



この後、クリアーを吹きます。つや消し気味に仕上げるため、半光沢とつや消しを半々で混ぜたものを吹きました。
なお、貫通扉は多少ツヤがあったほうがいいと思い、保護して吹きっぱなしの状態にしておきました。


最後に渡り板を付けます。BONAの103系用のパーツにプライマー→GMの灰色9号を吹きました。



パーツ類の塗装

ここまでで基本的な車体色の塗装が終わりました。続いて細部や部品類を塗装していきます。



ベンチレーター


αモデルのベンチレーターを使いました。ただ、中央部分が僅かに凹んでいるのが気になります。ヒケでしょうか?GMのEVO用のパーツが分売されたようなので今度はそちらにしようかな。
 
 

パンタグラフ


プライマーを吹いた後でガイアの『ニュートラルグレーⅢ』を吹きました。ガイシはMr.のリターダーマイルドで溶いた塗料で色挿ししておきました。

クーラー

元の鉄コレに付いてきたクーラーを再塗装しm……せん。
 
自分で撮った写真がないので実車の画像は貼れませんが、資料を見返していたらクハとクモハでクーラーが違うことに気付きました。

訓練車の実車はどう見てもクハ側がAU75G2、クモハ側が一般的なAU75Gなんですね。
この車両の後継機209系もクーラーが互いに異なったのですが(片方は試作形の角張ったAU720)、まさかこれが先輩リスペクト仕様だったとはなぁ(妄想)


あっても困らんやろの精神で購入しておいたパーツが役立ちました。

αモデルのNo186『集中型クーラーAU75G2』です。相方の一般的なAU75GはGMのパーツを使いました。
 
一番造形が良いと感じたのは鉄コレに元から付いていたクーラーだったのですが、下部が潰れていたりして品質がイマイチだったので不採用としました。KATO、TOMIX(古い211系に付いていた物)も比較検討した上での判断です。もしかしたら今はTOMIXのほうの金型がリニューアルされていたりするのかな?


GMとαのクーラーをMr.カラーのスーパーステンレスで塗装して屋根に乗せました。取り付け足がKATO用とTOMIX用の2種類ありましたが、うまく嵌まらなかったので両方とも切断して両面テープで取り付けました。
 
 

ご迷惑をおかけします他のドアへお回りください


ドア故障時の取り扱い訓練も行っていたようで、ドアのところに付ける黄色い幕が装備されていました。かつて武蔵野線ではこの訓練の成果がしょっちゅう†活かされていた†ようですね?

ペイントで作った画像を印刷してガラスの裏から貼りました。こういうイースターエッグを仕込めるのも訓練車ならではですね。

ちなみに、この装備は209系にも引き継がれています。実物の画像はこちら。
http://rail.hobidas.com/blog/natori09/archives/2008/08/post_847.html



こんな感じに仕上がりました。

鉄コレ動力と床板を付けたら(仮)完成です。




塗装の経年劣化

3年後。
ボディの塗膜にヒビが入っていました。


Bトレ版との塗装の違いは黒の塗料だけなので、やはり下地に遮光ブラックを吹いてしまったことが原因なのでしょう。


皆様も遮光ブラックは遮光目的での使用に留め、重ね塗りはしないようにしましょう。以上、若き(当時)モデラーの失敗談でした。


どうすっかな……綺麗に戻せる気はしないので、割れ目に赤錆のような茶色のエナメル塗料を流し込んで固めつつサビ表現にしようかなとか考えていますが絶賛放置中です。崩れる前に何とかしたいものですが……

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