
プレスト製のED301・ワ1・ワム3500の3両入りキットに入っているワ1形です。
2025年3月23日にアルピコ交通の新村駅で開催された「上高地線ふるさと鉄道まつり」のブースで購入しました。実は3両セットの中で一番のお目当てはこの車両でした(え!?)

古の小型貨車をNjゲージ化してやりたい……!とか考えていたところでこのキットに出会いました。売り子の方と話したところ、横幅をデフォルメせずに模型化しました!とのことだったので購入してみました。プレストホビーの売り子の方がNjゲージを知っていて嬉しかったです。
■目次
実車について

アルピコ交通の新村車両所の看板娘(?)です。今やダルマ倉庫ですが、実は筑摩電気鉄道時代からの最初期勢だったりします。実車は1923年(大正12年)7月に新造されたとのことです。
実車の写真は一時期「市民タイムス」紙のサイトに掲載されていたのですが、その後ページが削除されてしまいました。やはり画像は見つけた瞬間に保存すべきですね。なお、幸運にもアーカイブが Wayback Machine に残っています。松電ワの見学会、知っていたら行きたかったな……(´・ω・`)
倉庫と化した今でも台枠に「松本電鉄」の文字が残っています。松電は1974年に貨物輸送を廃止しているので、その頃の標記が今に残っているのでしょう。

車端部の台枠には丸穴が2つ開いています。実車は1925(大正14)年の連結器一斉交換より前に落成しているので、この穴はバッファが付いていた穴とみて間違いないでしょう……とすると、デビュー後数年で連結器が交換されたことになりますね。

車体寸法の調査
先述の鉄道まつりを訪問した際に友人と協力して採寸したところ、妻板の幅はおよそ2550mmでした。
キットの車体幅は15mm。本当にデフォルメせずに作られていますね。ヨシ!

キットの観察




床板と車体とカプラーポケットの4ピース構成で、とてもシンプルです。キットというよりは同社製の「塗りガチャ」のリアル志向版といったほうが正しいかもしれません。

サポート材はそういう感じで付けているんですね。勉強になります。
台枠の改造
足回りを改造して「Njゲージ」化していきます。改軌にあたり台車の表現を削り落とすことになるので、代わりにアルモデルのA3045『2軸貨車用台車』を装着するつもりで進めます。
幸いなことに、軸間距離がワ1のキットと全く一緒でした。松本電鉄のワもこの頃の2軸車によくある規格で造られたのでしょうか。

元のキットの台車レリーフも良く出来ているので気後れする節はあるのですが、無心でどんどん削っていきます。このとき、足ブレーキの表現は割らないように気を付けながら残します。
して、アルモデルの台車を取り付けます。確実に固定するため、接着ではなくネジ止めとしました。

なお、足ブレーキと台車が干渉する部分は台車パーツを切断して避けました。アルモデルの貨車用台車は確かに金属製パーツなのですが、カッターで切れるぐらい柔らかい素材でできています。Nスケールだとこれぐらいが加工がラクでありがたいものです(?)。
先述の市民タイムスに掲載されていた写真の姿ではスポーク車輪ではなくプレート車輪を装備していたので、KATOの黒染め車輪を6.5mm改軌した物を履かせました。
連結器
キットの説明書ではカトーカプラーNの使用が推奨されていましたが、走行中解放が多くあまり好きではないのでTNカプラーを使います。
台車をいじった関係でキットに付いてきたカプラーポケットが使えないので、別な方法で連結器を取り付けました。

TOMIXの0391に針金を刺して床板からぶら下げ、別な針金で胴受を作って下から支える方式にしました!これならカプラーポケット不要で連結器が垂れ下がることもありません✌以前作った貨車でやってみた「リアルガチ胴受」方式ですが、今回はさらに連結器の高さ調整がやりやすくなっています。
ここまで組み上げたらこんな感じです。

キットの説明書には床板をはめる向きの指示がありませんが、足ブレーキがある側をブレーキ手の手すりがあるほうと揃えて組んであげるべきですね。
ちなみに実車の足ブレーキ用の手すりはこんな感じです。


左の手すりが車体補強用?の金属製の斜材の裏にあって非常に掴まりづらそうですね……突放されたコレに飛び乗ったら労災確定なので、おそらくこの貨車の足ブレーキはあくまで留置ブレーキとして使っていたのでしょう。……ですよね?
塗装と標記類
メタルプライマーを吹いた後、ガイアノーツのNo.75「ニュートラルグレーⅤ」で塗装しました。限りなく黒に近いグレーということで、あえてただの黒を使わないのがこだわりポイントです。
続いてキットに付属のデカールを貼ります。

実車の現役時代の写真だとクセの強い松本の文字が入っているのですが、キットのデカールはかなり文字の可読性が高いです。こういうスタイルで書かれていた時期もあったのでしょうか。
Q. どうして車番がワ2なんですか?
A. キットにこれが入っていたからです♨

恐らくは梱包作業時にデカールを入れ間違えたのでしょう。公式サイトを見る限り特に車体の作り分けはしていなさそうだったのでそのまま貼ってワ2として仕上げることにしました。
なお、ワ2のほうには「制動筒(ブレーキシリンダー)無し」を意味する+のマークが入っていた痕跡があるとのことなのですが、ワ1は状態があまり良くなく標記類はよく分かりません。
話は逸れますが、2025年3月23日時点のワ2の様子です。2013年の上記記事の時点では+マークの痕跡が割と明瞭に見えますが、今となっては心の目を使えば見えるかな?程度のものです。12年で間違いなく車体の劣化が進んでいますね……

入っていたデカールは車番と社紋だけでした。検査標記や台枠の「松本電鉄」も入れておいてくれたらもう少し賑やかだったかなとは思います。
側面が仕上がったら屋根を塗ります。実車はざらついた感じの布?張りになっていたようです。布をワッシャーと六角ボルトで留めているのが印象的です。

ちなみにふるさと鉄道まつりの会場で展示されていた公式サンプルでは濃い目のグレーで仕上げられていました。

新たな試みとして、ザラザラ感の演出のためガイアノーツの鋳造表現塗料をエアブラシで吹いてみることにしましt

●エアブラシではご使用になれません。
……
それではやっていきましょう。


割と上手くいきました。ただ、ザラザラの粒子がカップの底に沈殿するので、塗装中は定期的にうがいをして塗料を混ぜてあげたほうが良いですね。いずれにせよメーカーが禁じている行為なので、これをやる場合は完全に自己責任となります。筆者もこれは壊れても構わない10年選手の中華ブラシでやりました。
今見たらこの鋳造表現塗料、公式サイトから消えていましたね……割と良かったのですが、これ以上入手できないのは困りましたねぇ。
最後に順位標記?の白い縦線のモールドに色挿しをしました。

リターダーマイルドで溶いた白いサーフェーサーを使うと下地の黒に負けないのでオススメです。

実車もこのマーキングだけは今なお綺麗に残っています。部分的に錆びてはいますが、50年以上屋外放置されていたことを考えると驚きの白さです。耐候性を見るにこの板はホーロー看板的な製法で作られた物だとは思うのですが……実車と対面した時に近付いて見ておけばよかった。(´・ω・`)
ということで、完成!



とはいっても黒貨車なのであまり盛り上がりませんね(笑)
ちなみに足ブレーキがある側のデカールは思いっきり貼り間違えました。
Njゲージに改造した効果はこんな感じ。線路幅のわりにノッポな日本型らしさが出たかな?



台車を奥に引っ込めたので足ブレーキが立体的に表現できます✌ ブレーキを引っ掛ける縦の棒はさかつうの□0.6mm洋白角線を使ってみました。

類似形状の国鉄ワ1が貨物鉄道博物館に保存されているとのことなので、近いうちに見に行きたいと思っています。松電ワの車体も復元の機運が高まったりしないかな。
同じキットに入っていたED301も鋭意制作中です。乞うご期待(?)