日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

鉄コレのHK100を全力でN化してみた

積み模型と化していた鉄道コレクションの『北越急行HK100新塗装 2両セット』です。いつの製品だよ……と思って今調べたら発売は2015年5月なんですね。光陰矢の如しとはまさにこのことです。あっというまに完売し難民が出てその後ゆめぞらと待望の電GO登場時仕様が出て……いろいろありましたが全て懐かしい話ですね。


好きな車両なので本気を出してみることにしました。ここらへんの技術を詰め込んで走行化&点灯化します。


自社(?)開発した動力ユニットは完全に床下に収まるため、椅子や運転台をだいたいそのままスケールダウンしただけの物を作ります。

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椅子は乗ったときに集めた資料を基にそれっぽくモデル化しました。


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運転台ブロックです。DMMのUltraのブラックは遮光性能がかなり高いことを利用し、ライト部分の裏にLEDを直当てしてボディの遮光塗装を省こうという算段です。



台車も作ります。いつものようにスケールを重視し、Zゲージのレールの上を走らせる軌間6.5mmの「Njゲージ」規格で作ります。
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台車の形式はHK62です。いかんせん資料が見つからなかったので、以前作ったDT50をベースにレリーフと踏面ブレーキを変更してそれっぽくしました。

踏面ブレーキ装置の造型がよく分からなかったので困りましたが、そういえばHK100ってエンジンの代わりにモーター積んでるだけで実質NDCだよな?と思い、NDCの資料を探してみることに。するといいものが見つかりました。こちらキハ11の台車です。そういえばJR東海にもNDCがいましたね。
また、Wikiwandの会津鉄道AT-700の記事にいい写真が載っていました。

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主電動機やけん引装置などは資料がないので元のままという適当仕様。なんか付いてるな、程度のものになればいいかという考えです。なお、スノープローは後回しにすることにしたので今回は付いていません。

Njだと一般的な9mm軌の運転会で走れないので、代わりに履かせる台車も作っておきます。
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719系5000番代のDT60です。砂箱は省略しました。応荷重装置のための細い棒の台座(何て呼べばいいのでしょうね)や差圧弁など、小さい差異が面倒臭い楽しいです。主電動機などは例の如くDT50のままの適当仕様となっています。HK62を標準軌アレンジしてもよかったのですが、どうせなら実在するのを作りたかったのでこうなりました。

ちなみに作った後で気づいたのですが、海外に目を向けてみると韓国鉄道庁2000系(現:韓国鉄道公社341000系&351000系)の台車や同5000系(現:同311000系)の1次車の台車がまさにDT50/TR235の標準軌バージョンでした。まだ計画段階ですがいずれ作る205系の履き替え用台車はこっちにしようかな。……と思ったのですが、向こうは車体断面の大きさが新幹線クラスなのでそのまま作ると空気バネがはみ出しますね。やっぱりDT60/TR245になるのでしょうか。


で、これらを他のいろいろとまとめてDMMに印刷してもらいます。運転台がZ方向に大きいので費用がお高くつきますねぇ。

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まずは椅子から。いい感じに出てくれました。一安心です。


続いて運転台を。車体にはめてみると……
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入らねぇ。

はい。車体は射出成型品なので当然車内側には抜き勾配がついています。車体の裾のところで採寸したのでそれにピッタリで作ると奥まで入らないんですね。完全に失念していました。

とりあえずやれることをやります。
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車体に入るまで削った上でLEDを配置。

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……はい。ダメでした。思いっきり透けています。車体の厚み程度の距離でこんなに拡散するんですね。考え直したほうが良さそうです。


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ちなみに、3Dプリントのヘッドが動く方向が造形物の形に影響することが判明しました。出力した時はいずれも写真左手前が上で、xy平面内での向きが90度異なっていました。壁の向きとヘッドの動きが直角だと壁が歪んで出てきてしまいます。3Dプリントは奥が深いですねぇ。

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運転台の改良版を作ります。
今度は金属パイプを使い、発光点を車体の表面近くまでずらす作戦です。
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こんな感じになりました。

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はい!大成功です。鉄コレの透けやすい白ボディでこれです。遮光塗装は全くしていません。今後はこの方法で点灯化しようと思います。


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ちなみにLED裏側からの光漏れはこの「S・U」のブラックで対策しました。本来の用途ではないですが、少量で高い遮光効果を発揮してくれました。

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で、尾灯まで仕込みました。こうなります。運賃箱を用意しなきゃ。


台車も組み立てます。
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9mm版はこうなりました、いやさっきの3Dモデルと違うやんけ!!!……はい、その通りです。9mm版の台車にもスノープロウが必要なことを忘れていたのです。やっぱ元の鉄コレのを使おう、ということでカプラーポケット用のアームを作りました。
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床板も作ります。

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M車にしてこのレベルで室内表現ができるというわけです。

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TNカプラーや床下機器、スカート等を取り付けます。

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スカートは元の部品ではなく、既に購入済みだった銀河モデルの3D-004を使いました……が、胴受けが湾曲しているTNカプラーがよかったので本来の使い方はせず、切り刻んで接着剤で固定しました。ごめんね。

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さて。組み上げて電気を点けるとこんな感じ。

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脚まで再現された椅子がならぶ室内の様子。ようやく自分の夢に近づいてきました。


あとは車体に遮光塗装をして床下やちょっとした塗装、室内表現をすれば完成なのですが、このたびのコ□ナウイノレス騒動により塗装環境が当分使えず前に進めなくなりました。いったんここでお休みとします。塗れたらまた更新しようと思います。

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