日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

TOMIX旧製品の動力台車をNj短軸改軌する

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1/150スケール、軌間6.5mmの通称「Njゲージ」です。狭軌車にはうってつけの規格なのですが、KATO製、またはGMコアレス動力以外の模型だと動力台車の改軌がネックになってきます。TOMIX旧製品のスプリングウォーム動力台車を改軌することに成功したので、その方法をここに書いておきます。真似してくださる方がいれば幸いです。

まず、元の台車はこんな感じ。ごく普通のTOMIX製品です。

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・車輪

何はともあれ輪軸です。元の集電板と車輪は使いません。ギア付き車軸と集電スプリングは使用します。

肝心の車輪ですが、これはKATOの物に交換します。TOMIX旧製品は車輪が厚すぎるのと、径が大きすぎて(φ6.2mm)台車によっては実感的でないからです。

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それからKATOの車輪の軸をを少し切って詰めます。切らないで改軌すると、後述する集電板の設置ができなくなってしまうからです。
軸切りにオススメなのがホームセンターで売っている硬鋼線カッター。かなりの硬度を誇るKATOの軸ですが、これなら意外と楽に切れます。

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軸を切ったら、KATOのプラ車軸を薄く切ってスペーサーを作ります。上の画像で車輪の裏側に付いている黒い物です。車輪の軌間(?)はこのスペーサーで調整することになります。両側に同じ厚さのスペーサーを入れるとギアが適切な位置に来るので、頑張って調整してください。私の場合は0.8mm厚×2にしましたが、曲がりたい曲線によって変わってくるので各自で調整してください。

さて、KATOの車輪とTOMIXのギアを組み合わせます。KATOの軸はφ1.0mm、TOMIXのギア付き車軸は内径1.2mm。隙間を埋めるのには金属パイプを使います。
Albion Alloysの物が一番コスパがいいかと思います。ボークスのプラモコーナーで購入できます。あるいは、エコーモデルの物でもいいでしょう。割高ですが少量で買えます。

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エコーモデル製金属パイプ(画像は記事にある製品とは異なります)

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完成後の姿がこちらになります。車軸とパイプの間はすきまばめになるので微量の瞬間接着剤を入れておきます。パイプとギアは、これがうまい具合にはまるので接着剤は不要です。

・ギアボックス

ギアボックス部分を削って薄くします。先程の輪軸が滑らかに回転するようになるまで削ってください。
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車軸が入る四角い部分は、この部分で軸を支持しているので横から見たときの四角い形状が変化しないように削ってください。鉄コレ動力やTOMIX旧製品の改軌が難しいのはこの構造のせいなんですよね…


次に、下の押さえの幅を詰めます。まず、元の台車レリーフは不要なので切り落とします。

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続いて幅を詰めるとき、前後に付いているツメは切り落とさないでください。失敗して分かったのですが、車輪の間のツメで押さえているのは上下方向の運動のみで、前後左右の動きはこのツメが拘束しているんですね。
切るとぐらついてカバーの役割を果たさなくなります。

・集電板

改軌した後も元の動力ユニットに入れられるよう、集電スプリングの位置はオリジナルを踏襲します。
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KATOの集電板の上の部分にTOMIXのスプリングをハンダ付けします。スプリングの端をつまんで90°ねじり、集電板を間に挟むようにするとやりやすいかと思います。

・台車レリーフ

ここが一番アドリブを効かせる必要のある部分です。

まず、使いたい台車レリーフを持ってきます。今回は試作品なのでKATOの台車を解体した物を使っていますが、せっかくの短軸改軌なので3Dプリントで出してもいいでしょう。
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次に、台車とギア押さえの両方に小さい穴を開けて、細い針金でダボ継ぎをしました。間に先程作った集電板を挟みながら、台車レリーフが正しい位置に来るまで気合と根性で頑張りましょう。もっと良い方法を開発したいところです。
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はい、完成!

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某所で試運転をさせて頂きました。前台車は電気的につながっていない状態でもスムーズに走ってくれました。

真似してくださる方がいれば幸いです。Nj規格は普及がこれからの課題なのです…!!

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