日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

札幌のササラ電車のフィギュアを動力化する

海洋堂の創る超リアルな(フィギュア版)冬の北海道大物産展という名前で模型化された車両です。どうやら飲み物のオマケとして2006年の1月頃に販売されていたようです。

さて、どうしてそんな物が私の手元に来たのか。
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地元にかつて存在したリサイクルショップで発見したからです。お値段50円。

中に入っていた紙はこんな感じ。
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下に見えるCDケースは押さえつけるためにスキャナーに挟んだ物です、気にしないでください(汗)
ササラとはそもそも何なのか、そういったところまで説明されている丁寧な解説書。

気になるスケールですが、
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軌間を測るとだいたい6mmといったところでしょうか。札幌市電狭軌なので、スケールダウンが正しく行われているとすると約1/178になります。しかし、線路と車体の縮尺が本当に同じなのか、そもそも車体はデフォルメされていないのか、そこは私には何とも言えません。


さて。勢いで工作をしたら全然写真を撮っていませんでした(笑)完成した動力ユニットがこちらです。
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モーターは少し前に購入した秋月電子の振動モーター(現行の物とは少し違う)からオモリを外したもの、ウォームギアとギア付き車軸はKATOの物を使用しています。
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車輪はロクハンのφ4mm車輪を使っています。鉄道ホビダスによると、この車輌の台車は「Brill79E改」で、原型のBrill79Eを大改造した物だそう。同じく鉄道ホビダスによると、その原型の台車は車輪径が610mmだったそうです。610÷150≒…というわけで車輪径を4mmにしています。ただし、大改造の際に車輪径が変わっていない保証はありません。

一番重要なのは軌間。1/150の車両が9mmのNゲージではなく6.5mmのZゲージのレールを走る、いわゆる「Njゲージ」という規格で動力化しました。Nゲージに改造するのには無理があったからです。
原因は、1/150の世界において9mmゲージは標準軌馬車軌に相当することです。1435÷150≒9.57で、1372÷150≒9.15。一方、1067÷150≒7.1で、これを9mmに揃えているのが今の日本型Nゲージ、というわけです。一般的な車両ならばこれでもなんとかなるのですが、車体が横に小さいササラ電車では無理でした。Njゲージ規格を採用した理由はこれです。

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というわけで、ギア付き車軸は左右の長さを詰めて使っています。内径は同じ1.0mmだったので穴は加工せずに使えます。集電板は同じくKATOの物を切削加工し、軸間距離を詰めて使用しています。

最後にですが、モーターにウォームギアを取り付ける際に気付いたことを何点か。

まず、KATOのウォームギアの穴径は1.0mmです。片方の端っこだけ1.0mmしまりばめ、残りはすきまばめという造りになっています。
ところが、今回使った小型モーターの軸径はそれより細いのです。軸を揃えてあげないとギアがブレてしまうため、金属パイプで穴径を変更して差し込んでいます。

で、このモーターの軸径を測ったら0.8mmと出ました。なので、Albion Alloysの外径1.0内径0.8のパイプを購入。

しかし、実際に挿してみたら緩くて全然軸が合いませんでした。まさかと思い、後日内径が0.7mmの物を購入したところ…
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気持ちいいほどにピッタリでした。0.7mmじゃん。

原因は測定器具にありました。
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昔から使っていたプラ製のノギスを使ったのですが、これがよく見ると最小読取値0.1mm、器差0.1mmと書いてありました。これはいけませんね。こういう目的で使うならば、もっと高級な器具を用意すべきでした。反省。

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で、外径1.0、内径0.7のパイプというかなりマニアックな代物ですが、これはエコーモデルさんが製品化しています。他にも様々な外径と内径の組み合わせで売っているようなので、動力の自作をする際には重宝するかと思います。

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ここまで終わるとこんな感じ。動力にはウェイトとして鉛を積んでおきました。

最後に、ササラを取り付けます。元のディスプレイモデルではブラシが台座側に表現されていました。車体にブラシを付けてやります。とは言っても、進行方向前側のブラシは雪に埋もれているため、台座から切り取って付けることはできません。新しく作ってやる必要があります。

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まずアームの位置が低すぎたため、車体から切り離して「おゆまるくん」で型をとった後、取り付け直しました。
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次に、このアームを複製して反対側にも取り付けてやりました。

ここに歯間ブラシを加工して白く塗ったものを取り付けてブラシとしました。


さて。某イベントでこの車両の試運転をさせて頂いたのですが、やはり一般的なパワーパックを使うと爆走してしまいました。KATOのスタンダードSXでも路面電車にしてはちょっと速いかな?という速度にしかならなかったので、やはりどこでも走れるような車両にはなりませんでした。あくまで自宅用とするほうがよさそうです。もっとも、Zゲージ(Njゲージ)のレンタルレイアウトなんて日本にいくつあるのか、という問題がありますが…(笑)




走行の様子。電源はKATOのスタンダードSXです。手作り動力のわりによく走ってくれますが、数分間走らせただけで熱々になってしまいます。振動モーターを鉄道模型の主電動機として使うのはやめたほうが良さそうです。


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2019/01/03 YouTubeチャンネル開設に伴い、動画へのリンクを追加しました。

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