Nスケールで気動車チックな動力装置を作った後、Nだと無理でもHOなら実車の実際の機構をスケールダウンした模型が作れるのでは、と思って始めたプロジェクトです。
会津鉄道のトロッコ車が作りたいとぼんやり思っていた所にたまたま図面(組立図)が手に入ったので今回はNDCの台車を作ります。ここのJR東海キハ11用のC-DT64の物を使いました。
今回の台車の上回りとして購入を検討しているMaxモデルのNDCが1/80なので、縮尺は1/80とします。軌間ですが、日頃から1/150軌間6.5mmの「Njゲージ」の台車を作っている身としてはぜひ16.5mmではなく12mmか13mmで作りたいと考えました……が、知り合いのHOをやっている人に16.5mm以外の軌間を使っている人がおらずどちらにするか決め手がないので、今回はとりあえず16.5mmの標準軌バージョンから作ります。ただし各要素は可能な限りファインスケールで作ることとし、将来的にどちらの陣営につくことになっても困らないようにしておきます。
そういえば日本に非電化の標準軌の営業線ってないんですね。歴史を掘っても塩江温泉鉄道からの琴平電鉄塩江線しかなかったようです。
とりあえず車輪を買います。Nゲージでお世話になっているKATOの車輪を買おうと思っていたのですが、なんとバラ売りがないんですね。なんなら集電板もバラ売りしていませんでした。工作派に厳しいですねぇ。
というわけでTOMIXのHO-W72を購入。これが私のHOデビューとなりました。車輪から入ったHOゲージerは多くないんじゃないかな。笑
プラ軸は外径3mm長さは14.35mm奇遇か?、内径……もとい金属軸の外径は1.5mmでした。
集電板ですが、これはどこからもバラ売りされていないのでKATOのN用の物を使います。すると問題になるのが台車レリーフの裏側同士の間隔です。いくつで設定すればいいか分からないんですね。
……こればかりは実測するしかないな、というわけでこんな物を作りました。
仮台車のような何かです。プラ板をネジで押さえる方式なので無段階調整が可能です。
後で発覚したことなのですが、TOMIXのHOの輪軸は長軸改軌に対応していました。Nだと車軸と車輪が一体成型になっているので意外でした。HOなら車軸をNより相対的に細く作りたいけどアスペクト比的に鍛造で一体成型できる限界を超えてしまう……といった事情でしょうか。
ただし、KATOのNのような有り得ないほど硬い素材ではないようです。尖ったほうを叩いて改軌したら先が丸くなりました。微調整を繰り返すのはやめたほうがよさそうです。
さて。まずは終減速機から作ります。最近の気動車はエンジンに近いほうの輪軸だけでなく、エンジンから離れているほうの軸も動かせるんですね。エンジンに近いほうを第一終減速機、遠いほうを第二終減速機と呼ぶそうです。
最初に車軸と歯車のセットを作ります。ちなみに歯車も3Dプリントして動くものができることは実証済みです。
続いてその殻を作っていきます。
組立図の解釈ができなくて困っていたのですが、NDCの台車の写真を上げてくださっている方がいました。
天井クレーン車体吊り上げ実演#関東鉄道水海道車両基地公開イベント pic.twitter.com/L5kZalg5aS
— うきゃらぴ(青) (@ukyarapi0914) 2016年11月3日
http://www7b.biglobe.ne.jp/~suzuki3309/20091103kantoumizukaidou.2009.html
日本学園中学校・高等学校の鉄道研究部のホームページです。上のTwitterと同じく関東鉄道の水海道の公開イベントのときの写真が載っています。
「2016 JR長野鉄道フェスタ」ここいしのブログ | 「ここいし」 のページ ヾ(〃^∇^)ノ - みんカラ
キハ110のDT58Aの展示状態の写真です。長野総合車両センターのフェスタでの写真だそう。
メーカーの中村自工のサイトです。減速機と車軸だけの写真が載っています。
減速機の中身の断面図が載っています。
やはり実物の資料があると非常に捗りますね。ありがとうございます。「NDC 台車」とかで調べても全然出て来ず、悩んだ末に「気動車 減速機」で調べたらいい資料が出てきました。自分もまだまだ"ググる"修行が足りないようです。
この辺がお気に入り。床下の錆飛んで赤茶けた部品をこんな間近で見られることないんでね(^^)
— みまさか ゆうか (@MimasakaYuka) 2018年10月28日
4枚目は請け負ってる伊勢鉄道の気動車の台車。まだバラかれてなかったので、2軸駆動の逆転機ってこうなってるんだとわかって嬉しかったです。#南海電車まつり2018 pic.twitter.com/vQeZYfvy3K
こちらはNDC仲間の伊勢鉄道イセⅢ形のもの。上の2つとは減速機を支えている棒の様子が異なります。色々あるのですねぇ。
そのイセⅢの床下に潜って撮影した写真を発見しました。
平歯車は"FM Gears"というFusion360のアドインを利用して生成しました。
外歯車だけなく内歯車やラックも生成できるので、これを使えば遊星歯車装置やラック式(アプト式)模型の自作も視野に入ってきますねぇ。
なお、モジュール0.5未満の歯車は生成できません。これだと今回の模型には大きすぎるので生成した後で等倍縮尺を使っています。
あまりにモジュールの小さい歯車をモデリングしても動く歯車ができるような気がしなかったので、ある程度のところで妥協しました。実物よりピッチ円と刃先円の差が大きい分色々とデフォルメしています。
こんな感じで頑張って
はいできあがり。第一終減速機です。
パーツ構成はこんな感じ。殻は上下で分割します。下にあるのが1円玉です。果たして動くでしょうか、そして実用に耐えるものになるでしょうか。
DMMに出力を依頼して届いたものを組み立てました。
思ったより小さいですねぇ。
で、きちんと動きました。エンジンからの入力軸を回すと車軸も第二終減速機への出力軸も回ります。このサイズの平歯車もきちんと回るんですね。
が、このまま実用化はできないことが判明しました。
問題はこの車軸に力を伝える小さいベベルギヤです。瞬間接着剤で金属軸と固定していたのですが、これが力に耐えきれず空転を始めるんですね。
というわけで、改良を加えれば実用化できそうだということが判明しました。出来たら更新しようと思います。