日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

KATO動力ユニット対応の短軸Nj台車を作る

KATOの電車・気動車用動力は車輪と車軸が別パーツなので比較的簡単に6.5mm改軌できるのですが、いわゆる長軸改軌ではなく短軸改軌をして台車をなるべくリアルに作ってやりたかったという話です。

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鉄コレの相鉄モニ2000が発売されたとき(2014年4月29日ですって。時の流れは速いものですね)に鉄コレ動力のTM-07を探したのですが、見つからなかったのでKATOのクモハ12の動力ユニットを買ったのが全ての始まり(元凶?)でした。

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三陸鉄道……?
それから6年、モニは未だに積まれたままでN化されていません(笑)。その間に伊豆箱根のコデ165が作りたくてさらに2箱買い足したり「Njゲージ」に目覚めたりと色々ありました。


で、Njの車両を作ったのはいいのですが、一般的な運転会で走らせることができないんですね。それではちょっと寂しいので、いつもの6.5mm台車と汎用性重視の9mm台車を簡単に履き替えられるような車両にしたいと考えてKATO動力ユニット対応の短軸Nj動力台車を設計することにしました。


設計を始めたとき17m旧国の台車を持っていなかったので、クモヤ90の台車を採寸して車体への取付部やギアの軸受を作りました。旧国の台車は物によって軸間が2450mmだったり2500mmだったりするのですが、KATOは全て16mm(2400mm相当)でまとめているようですね。もっとも、KATOの旧国台車の車輪には汎用のφ5.6mmが流用されており、φ910mm相当のφ6mm車輪ではないので、全体としての縮尺を揃えるという意味ではある意味正しいのかもしれません。

飯田線シリーズあんなに頑張ったんだから車輪ももう少し頑張って欲しかった……「正しい」車輪が鉄コレ用しかないってどういうことよ……

また、歯車の軸間距離は、こちらのサイトの数字を利用して出しました。

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色々やって構造を検討し、

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はい。こんな感じになりました。レリーフは別パーツにしておいたので上を向けて出力できます。また、軌間を詰めたことにより台車集電板が内側に寄り、動力ユニット側の集電板と当たらなくなります。このため集電板とユニットの電気的な接続はリード線でやるつもりです。

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3Dプリント材は脆いのでツメを対にしてパチン!みたいな設計にはできません。ツメは片方のみ、反対側にネジを入れて上下を留める方式にしました。



さて。設計が終わった後で買い出しに行きました。伊豆箱根のコデ165に組み込むつもりなのでDT10を表現した物を……ということでクモハ11の台車(740571D1)を買うつもりだったのですが売っていませんでした。ネットで見つからなかっただけで別のがないかと探したら、こんなものが見つかりました。
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4963D1「クモニ13025飯田線 動力台車」です。飯田線シリーズとしてクモニ83とセットで発売されたスカ色のクモニ13のほうのことですね。この後クモニ13(茶)としてクモニ13012が出たのですが、そちらは違う台車を履いて製品化されています。旧国の沼が垣間見えますねぇ。
あとついでにT台車のDT10は74059-1D「クモハ11443鶴見台車DT10」という名前で売られているみたいです。

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車軸の上にあった何かは切除してあります
どうやら違いはスポーク車輪であるか否か……と値段だけな模様。古いほうのクモニ13(須)は普通の黒染め車輪が付いていて100円安いです。


設計の参考にしたクモヤ90の台車とは一つ大きな相違点がありました。
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ウォームギアが付いている軸です。金属軸に対するギアの取り付け位置が違うほか、ジョイントを受ける部品も小型の物になっています。

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以前「走る床板」を作ったときに可能な限り前後方向を詰めたジョイント受けを作ったのですが、これを公式でやった部品があったんですね。




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他の物とくっつけてDMMに出力を依頼し、届くまでにリード線の取り付けを検討します。

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台車を取り外し可能にするにはリード線にコネクターを挟まなくてはなりません。いつものハーフピッチのピンヘッダーの金具を流用した極小コネクターを使いました。

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さて、問題はこれをどこに置くかです。狭い空間に様々な機能が詰め込まれているため、スペースの余裕がほとんどありません。KATOは本当に巧みな設計をしますねぇ。

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結局、ここに横向きで配置すれば入ることが判明しました。


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また、念のため動力ユニット側の集電板の拡幅を想定した実験もやってみました。リン青銅板をもう一枚挟んでみたところ、台車の回転が渋くなってしまいました。やはりリード線で繋ぐしかないようです。


4/28に注文した†加賀の伝統工芸品†が5月2日に届きました。速いですね。みんながコ□ナウイノレス騒ぎで引きこもる→みんなのモデリングがはかどる→DMMが忙しくなるという流れを想定していたのですが、実態はそうでもなかったのでしょうか。

さぁ組み立てましょう、まずはギアボックスに歯車を移植して……

バキッ

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はい。知ってた。3Dプリント材に柔軟性を期待した私が悪いのです。ちょっとだしイケるやろ~~と思ったのですがそんなことはありませんでした。
ちなみに見ての通りギア同士の間隔はほぼ完璧です。先述の模型の歯車のデータは正しかったということになります。ありがとうございます!管理人の方がピッチ円径or軸間をどう測ったのかが気になるところです。


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なお、割れていても組み立てることができました。使えそうなのでリード線を取り付けます。

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リード線はこれを使用しました。非常に柔らかく、かつ細いので愛用しています。


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で、集電→動力伝達という動力台車としての機能を持つことを確認しました。また、強度的な面に関してですが、動力ユニットとの着脱を繰り返しても割れたりしませんでした。歯車まわりが窮屈なので少し寸法を見直せば本格採用できそうです。



2020/06/16追記:
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ギアまわりの寸法を見直したものを作りました。歯車の回転がスムーズになりました。

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きちんと2個作ってロクハンのレールを走れることを確認しました。





というわけでKATOの動力台車を3Dプリントで作る、というのは上手くいくことが示されました。これより先の話はいずれ作る予定の伊豆箱根のコデ165の制作記のほうに書こうと思います。

また、今回は軸間16mmと実装スペースに余裕のある仕様で作りましたが、いずれ軸間14mm仕様でも作ることになるでしょう。現状の設計だとネジ等がギリギリ入らないので、また頑張って考えようと思います。





2020/06/10追記:
DMMに投入された新しいアクリル素材のHiResoとHiPerfはどうやら非常に柔軟性が高いようです。これならばギアボックスが割れる問題ともおさらばできる……かも。また今度実験してみようと思います。


また、従来のUltra/Xtremeは側面に縞模様が出る、裏面はザラザラになることから見た目が重要な面は上を向けるのが鉄則でしたが、どうやら新アクリルは側面に余計なものがつかないようです。

なかなか面白そうですね。その一方、柔らかすぎて台車の梁になり得ないという可能性も否定できません。いずれ出力したときにレビューを織り込んだ記事を上げようかと思います。




2020/07/06追記:
今回のNj台車に使ったギアは手持ちの他の車両から奪取してきたものだったので、上手くいくことが判明してからギアを追加で買ってきました。

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29-951-3『新幹線用ギアケース灰4260 メンテナンス用分売パーツ』、軸間16mm仕様のギアケースです。ギアだけが欲しかったので困らないのですが、どうやら旧国用のケースが黒いものは分売されていないようですね。

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ギアを移植する前に並べて気が付いたのですが、もしかして形が違う???

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はい。形が違いました。ただの色違いじゃなかったんですね。

ちなみに29-951-4『新幹線用ギアケース灰4629 メンテナンス用分売パーツ』も同じ物のようです。品番が変わっている理由が気になるところです。

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