台車にモーターが付いているNの動力ユニットといえばワールド工芸の物やはこてつ用、鉄コレのクモル用などがありますが、いずれもモーターが床の上にはみ出します。
なお、このアイディア自体は私が初出ではありません。先に実践した方がいらっしゃいます。
できた pic.twitter.com/nyMkar8HNI
— マンディ (@maikeru220) 2017年10月26日
これをさらにNjゲージ(1/150、軌間6.5mm)でやりたい、というのが私の願望でした。問題となるのが実装スペースです。モーターを縦置き(レールと平行)にすれば入るのですが、動力伝達はどうしよう……という所で止まっていました。小さなベベルギアやクラウンギアを作ってくれる工場はあったのですが、特注扱いなので値が張ります。
2020/05/21追記:
3Dプリントのごく小さい歯車は上手くいかない、という話を聞いていたのですが歯の数が少ないものを作ってみたら動きました。なんでぇ。やはり自分でもやってみるというのは大事ですね。
色々考えていたら、ある日ふと解決策が思い浮かびました。
腕時計の時刻調整のツマミを回すと針が回転します。
内部で回転軸の向きが90度回転しているわけです。この機構を横取りすればいいのでは??
いい時代なもので、キャンドゥに行くとアナログの腕時計が108円で売っています。
バラしますと、
ほら出てきた!望んだ通りのギアが出てきました。
とりあえず試してみたかったので、オモリを外した振動モーターと車軸にギアを取り付けて、
走りました。ただ、どう頑張っても自走+αが限界で、MT比1:1の編成は無理そうな性能しか出ませんでした。おまけにスローは利かず、少し走らせると熱々になってしまいます。
残っているギアを使って、
スローが効いてよろしいのですが、手作業の限界からか抵抗が大きく、大量のオモリを積まねば走らない上にやっぱりモーターは熱くなってしまいます。
機械で作ればもっと性能が出るのではないか?と考え、台車を3Dプリントで出してみることにしました。
ギアの寸法や軸の相対位置(これがなかなか大変)を測定して、
Fusion360で3Dモデルを作成してDMMに発注します。サラッと書きましたが、この間にマトモなPCの入手や操作方法の勉強など色々あって大変に苦労しました。
待ったら出力品が届きました。
組み立てまして、
これを2ユニット用意して床板に付けます。
走りました。
ただ、これでも自走ができる程度の性能しか出ませんでした。しかも、1分も運転すればアツアツになってしまいます。最大3Vで小刻みに運転する前提で作られているモーターに対し、それ以上の電圧で長時間連続運転をしようとしたのですから当たり前ですね。
しかし、腕時計から外してきた歯車を使うというアイデア自体は成功しているようでなによりです。
次回はもっと大きなモーターを床板に付け、旧式の気動車のような装置を組んでみようと思います。
もうデータはDMMに投げてあるので届くのを待つだけだったりするのです
ところで、このあと遊星歯車付きの小型モーターを買ったのですが、これが約1500円ほどするんですね。大量の同等もしくはそれ以上に精密なプラスチック製歯車が入っていてさらに動力が付いているアナログ腕時計が108円で買えるというのがますます凄いことに感じました。これからも末永く売り続けてほしいものですがどうなるでしょうか……?
→届いたパーツと遊星歯車付きモーターを組み合わせて新型の動力を作りました。こちらからどうぞ。
2020/06/05追記:
ネットサーフィンをしていたら、似たような小型モーターを車輪に直接挿す、いわゆるDDM方式のNゲージ台車を作っている方がいらっしゃいました。共有させていただきます。