廃線跡に夏に行った体験記です。
倉吉線のレールが残されたままになっているのは末端近くの部分なので、倉吉駅からバスに乗りました。
利用したのは日本交通の関金線で、一時間に一本程度は出ています。
倉吉駅から松河原上まで乗車。
バスを降りて少し歩き、道路が突然に途切れる場所へと行きます。
看板の裏に、レールが残っています。
振り返って見ると、この道路が線路の跡であることがはっきりと分かります。
当たり前ですが、夏なので植物が生い茂っています。
でも突撃。同じことを考えた人がいたらしく、獣道ができていました。
雨が止んだ直後だったからか、築堤の上にはカエルがたくさんいました。
2歩歩くと3匹出てくるような密度でしたが、野生動物なだけあって逃げ足は速いので心配ありません。
しばらく歩くと、線路が道に分断されます。ここから先の線路は、背丈の高い草に覆われていたので、線路沿いの道を歩くことに。
ところが、しばらくすると築堤が突然に終わりました。断面には階段があって、上ってみると線路がありました。
先ほどの道路を歩き、坂を登ると…
レールが埋め込まれたアスファルト舗装の道路が登場。
しかしそれもすぐに終わり、再び草に埋もれます。
時折顔を出すレールを左手に眺めつつ、農道のような道を歩いていると…
線路の先にはガードレールが。
ここには橋が架かっていたようで、橋台が残されていました。
しかし、右側には道路があるので、簡単に橋の反対側へ行くことができます。
橋を渡ってすぐの所に泰久寺駅のホームがあります。
非常に短いホーム。
駅名標が立ててありますが、これはレプリカだとのこと。
ちなみに今回は、雨が降った直後だったので草にも水滴がたくさん。靴はすぐに濡れてしまいました。
泰久寺駅構内の線路には、どこからやって来たのか、カニがいました。
後ろを振り返ると、こちら側にもガードレールが。安全の確保は行われているようです。
ここから先は、線路沿いの道路がありません。少々日当たりが悪いためか、背丈の高い草はありませんでしたが…
トゲのある植物が生えていました。
足首に軽い切り傷を作りつつその区間を抜けると、線路は森の中へ入って行き、背丈の低い草ばかりになります。これで一安心。
少し歩くと、最も有名なスポットが現れます。
2本のレールの間から竹が生えている光景。
その手前の、倒れて線路を塞いでいる竹。
二度と列車は来ないことを強く印象づけます。
枕木もレールもしっかりと残っていますが、表面のヌメリは確実に腐食が進んでいる証拠。歩くときにも注意が必要です。
しばらく竹林が続きます。
開けた場所にくると、そこは川を越える橋の上。
特に注意書きや看板等はなく、転落防止のためか、橋の端に「鳥取県」と書かれた棒とロープが設置してあるところを見ると、行政の側も廃線跡への立ち入りを容認しているようです。
さらに歩くと、 線路は左カーブを描きます。
そして、その先にはトタン板で塞がれたトンネルが。
線路はその手前で終わっています。
トンネルの端に付いている銘板はなくなっていました。
中からは水が滴る音が聞こえてきます。
このトンネル、崩落の危険性があるとのことで閉鎖されているそう。
泰久寺駅の一つ隣で倉吉線の終端、山守駅はこのトンネルを抜けた先にあります。
ちなみにこの場所、携帯の電波は届きます。少し弱いものの、LTEでつながります。
帰りはバス停「泰久寺」から乗車。滞在時間は1時間30分程度。本当はもう少しゆっくりしたかったのですが、後ろが詰まっていたのと、虫が多かったために早々と退散してしまいました。
寒くなって、草と虫がいなくなってから再訪したいです。
・補足①
泰久寺~山守間のトンネルですが、廃線跡を歩くツアーに参加すると特別に入れてもらえるそうです。詳しくはこちらから。
2017/06/25追記:安全確認中のため、ツアーに参加してもトンネルには入れないそうです。
・補足②
鳥取県&島根県内のバス時刻表の確認やルート探索には、鳥取大学を含む産学官連携プロジェクトによって運営されている乗り換え案内サイト「バスネット」が便利です。某プリペイドカードではありません。
今回利用した「松河原上」は、検索しても有用な情報が出てこないようなバス停だったので、このサービスは非常に有り難かったです。
運営団体の性格上、乗換案内サイトには付き物の広告が一切ないため、快適に検索できます。
・更新履歴
2016/09/16 投稿
2017/06/25 加筆