Bトレのモヤ700は、相模鉄道の事業者限定品として、2007年5月に発売されたようです。
実車は
海老名←[モヤ704][モヤ703][モヤ702][モヤ701]→横浜
で編成を組んでいることが多いですが、701-702編成+703-704編成で構成されている入換動車でもあるので、順番が入れ替わったり、間に違う形式を挟んで移動させていたりもします。
モヤ704
顔の下のスカスカ感が気になったので、ディテールを追加しておきました。
実車のジャンパ栓(なんと6本)とステップのインパクトが強いので簡単に再現。
ステップは真鍮線を曲げて顔面パーツに刺しました(ピンバイス必須)
ジャンパ栓は、盛り上がった部分をカッターで削ぎ取り、銅の針金を丸めたものを刺して、元の場所にフタをしました。 (丸ペンチ必須)
連結器は鉄道コレクションの余りを流用。
また、ATS車上子と排障器は針金とプラ板で作成し、台車に取り付けました。
側面の窓は付属のシールを使わず、塗装して塞ぎました。
ちなみに、「あれ、BトレのN化台車ってこんなんだったっけ…?」と思った方は鋭いです。ぜひ下のほうまでお読みください。
モヤ703
(右が703)
この車両だけ、クーラーのキセが灰色です。
マスキングしてサッと吹くだけで、大きく印象が変わるのでオススメ。
実際には形状も違うのですが、さすがにそれの再現は見送りました。
ちなみにマイクロエースのモヤ700では、このネタが形状の違いも含めて拾われています。
モヤ702
一番、気楽に組めます。
モヤ701
ここの改造が、更新車の目玉です。
余る屋根板のパンタ台座の部分を、余計な機器類を削り落としてから切り継ぎ。
クーラーをマスキングし、タミヤの缶スプレーのTS-4「ジャーマングレー」で屋根板を塗りましたが、肉眼ならば言わなければ違いが分からないほど元の色と似ています。
あとはアンテナも追加しておきました。
ドアは、プラ板と瞬間接着剤で塞ぎ、その上から塗装しました。(今見ると乱れている…)
なお、Bトレで更新車を再現する場合、「どこを塞ぐか」に正解がありません。
実車は塞がれた場所が左右非対称なので、そこも拾ってやると面白かったかも知れません。
・ステッカーに細工
元々のステッカーはつや消し仕上げでした。
車体も、黄色い部分はつや消しだったので問題がないのですが、ステンレス部分はツヤありです。
そこにツヤなしの「δSOTETSU」を貼ると浮いてしまうので、艶出しのクリアーを厚吹きしてから貼り付けました。
・台車の加工
台車は、基本的にバンダイ純正のT車走行化キット&動力ユニットに元の台車レリーフを使いました。
レリーフは、元の色がおかしい(濃灰)ので、薄灰に塗ったあと、ブレーキディスクに銀色を筆塗りし、スミ入れしました。
先程の変な台車の正体ですが、
実は台車枠ごと自作しています。
写真に解説を加えると、
レリーフには、KATOの集電板のピボット部分のみを、半田ごてを使って(レリーフを裏から溶かして)埋め込んでいます。
昔の台車の骨組みを可能な限り削って、レリーフと接着することでNゲージのような台車枠を構成しています。
それを床板に取り付けるのですが、そのままでは台車が回転しないので床板の穴を棒ヤスリでさらって大きくします。
台車側の回転軸の穴をいったん塞ぎ、画鋲の針が刺さる程度の穴を開け直します。
そして最終的には上の画像のようになるわけです。
ただ、この工法は
・半田ごてのところでやりすぎるとオワる
・手作業の限界により、走行抵抗が大きい
のでおすすめできません。
元々はすべてのT台車をこの工法でN化する予定だったのですが、諦めて純正品を買いました。
ちなみに連結器の色が薄灰になっていますが、これは間違いです。黒のままにすべきでした。
昔の製品ですが、場所によってはまだ売っているようです。
技術的にも、切り継ぎ・調色・元の色を残したままの穴埋め・一部のみの色変えなど、さまざまなテクニックの練習に使えます。
皆様もお二つ(4輌)いかがでしょうか?