日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

【青春18に】山形鉄道フラワー長井線を満喫?する【+α】

乗車日:2019年3月11日(月)

以前からウサギの駅長がいるという話をTwitterで見ていたので、乗りつぶして終わりにはせずゆっくりしていくことにしました。

今回のルートは、(奥羽本線)→赤湯→荒砥→宮内→今泉→(米坂線)です。時間の都合でこうなりました。

赤湯駅

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奥羽本線普通列車で来ました。乗り換え時間はたくさんあったのでとりあえず東口の大きな改札を出ます。

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山形鉄道の乗車券はこの†食券マシン†で売っていました。線路の反対側の窓口が営業していない時間帯は乗車券をここで買う、または整理券からの車内精算しかありません。
なお、平日だったので『土・休日フリー切符』は使えませんでした。

青春18きっぷで入場し、山形鉄道が管理する西口に向かいました。

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跨線橋がやる気満々でした。鉄道むすめのパネルが貼ってあります。

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どうやら過去のイベントに合わせて掲出したものがそのままになっているようです。


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最上川橋梁の解説も貼ってあります。

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西口の窓口&改札はこんな感じ。オシャレなログハウスですね。まだ8:30ぐらいなので窓口は開いていません。

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営業時間は10:30~19:00で、まさかの日祝お休み。

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待合室兼用となっており、ポスターが貼ってあります。

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三陸復興応援のイラスト。MATSUDA98さんの絵は初めて見た気がします。


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駅舎の外観はこんな感じ。


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スズメってこんな風に雨宿りするんですね。

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向こうのカーブを描いている屋根がJR側の赤湯駅です。新幹線の駅なだけあって立派ですねぇ。

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さて本題。乗ります。

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ボタンがないなーと思ったら手動ドアでした(笑)

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フラワー長井線ロゴタイプ。時代を感じますね。

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車内にグッズの案内が掲出してありました。


赤湯駅では売ってないだろうと思っていたのですが、発売箇所を見ると……

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赤湯駅駅の駅売店お、落ち着いて……

えっ、もしかしてNewdaysで売ってた!?


東口に戻って確認したかったのですが、時間がなかったのでやめにしておきました。

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そうこうしているうちに8:59になり、発車しました。


・赤湯→荒砥

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梨郷駅。鮎貝りんごの元ネタの片割れですが小さな駅でした。


途中の長井駅で女性職員さんが乗ってきました。本当に鮎貝りんごさんと同じ服装でした。この汽車が荒砥に着くのは9:53、荒砥駅の営業開始は10時なのでそのための職員輸送でしょうか?


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あやめ公園立石……なんでもないです

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鮎貝。駅舎は大きかったです。

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フラワー長井線名物、最上川橋梁。東海道本線の要求スペックに合わなくなったため左遷してここに持ってきたとのことですが、確かにこのサイズ感では電化すら厳しそうですねぇ。


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橋を渡ると荒砥に着きます。

荒砥は有人駅ですが、車内精算でした。改札業務は駅では行わないようです。

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一番乗りたかった鉄道むすめラッピングのYR-887は車庫に引っ込んでいました。残念。


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さて。荒砥駅の中はこんな感じでした。「白鷹町観光協会」と書いてあるところが出札窓口です。写真右の部屋はグッズ売り場&特産品の展示室でした。

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駅前はこんな感じでした。

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グッズ売り場。だいたい揃っていましたが、ミニのぼり旗がありませんね。


目当てのクリアファイルともっちぃ駅長のぬいぐるみを購入し、肝心なことを尋ねてみました。

「宮内駅の駅長さんは今日いらっしゃいますか?」

……というのも、公式サイトを見ると宮内駅の営業日が火曜と土曜のみになっているからです。月曜日に行って会えるのか?不安だったのです。


結果として、居ますよ、という返事を頂けました。

ということで、荒砥から宮内を目指すことに。鮎貝りんご切符を買って使いたかったため、荒砥→宮内を鮎貝と梨郷で切って買おうとしたのですが、鮎貝りんご切符は残念ながら品切れでした。


→イベントに合わせて仕様変更の上で再生産されたようです。


……が、立派な台紙が付いてなんだか使いづらい仕様になりましたねぇ←普通は使うものじゃないでしょ?鮎貝→梨郷670円とスタンプ設置駅長井の入場券140円で810円、あとは適当な190円区間をセットにして1000円キッチリにした、といったところでしょうか。


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というわけで素直に荒砥→宮内で購入。発駅と着駅が書いてある硬券です。運賃変更の印が捺されて710円から730円になっています。


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発車を待っていたら団体さんがやってきました。長井駅で乗ってきた職員さんはこの団体の引率役でした。


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団体さん+私、そして数人の一般旅客を乗せて10:22に出発。沿線風景の解説をしていたのですが、当然こちらにも聞こえてきます。無料でガイドさんが付く、由利高原鉄道のまごころ列車的な乗り得列車となりました(笑)


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団体さんは長井駅で下車しました。


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後面展望、時庭→今泉
時庭駅を出てしばらくすると、線路が米坂線と合流します。時庭&荻生-今泉間は異なる鉄道会社ですが線路が共用になっているんですね。面白いです。


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列車は今泉駅でJRとの接続を取るため数分ほど停車しました。



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11:22に宮内駅に到着。

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尾灯は点けないんですね。


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駅長室はホームから直接行けるようになっています。扉に注意書きが出してありました。駅長さんの勤務時間帯は10:00~17:00のようです。


そしていました。駅長です。
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眠そうに座っていて、ほぼ動きません。

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……と思ったら、ほどなくして駅長さんの休憩時間に入ってしまいました。11:30~12:00と16:00~16:30は休憩時間となっているようです。


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駅長室を出て待合室に移動しました。窓口はこんな感じ。なお、駅長の休憩時間中は出札業務もお休みとなるようです。

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もっちぃ駅長の入場券や乗車券(宮内→白兎)を販売しています。これは公式サイトには書いてありませんでした。

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待合室です。

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駅長の居場所を知らせる掲示物。『(改札口は出入り自由です)』あれ、入場券……??

……どうやら、入場券を販売しているが入場に入場券が必要だとは言ってない、というスタイルのようです。


さて。暇になってしまったので外へ出ようとしたら……

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扉にこんな張り紙が。『改札口を出て左側入口より、自由にお入りください』とのこと。本当に入場券は不要なんですね。

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こんな張り紙もありました。どうやらこの駅にはウサギの駅長のほかにカメの助役もいるそうです。普段は近くの「三浦屋」という蕎麦屋にいるんだとか。ちょうど昼だったので行ってみることにしました。


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「三浦屋」は軽自動車が止めてあるところです。駅の本当にすぐ近くです。


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入ったら確かにカメがいました。助役さんもほとんど動いていませんでしたが、冬眠中だからだとのことでした。例年ゴールデンウィークあたりまでは目を覚まさないそうです。

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1時間ごとに汽車が走る時計が掛けられていました。

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カレーラーメンを頂きました。もちろん完飲。ごちそうさまでした。


駅長室に戻ります。

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宮内駅の駅舎の外観
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ウサギ駅長の立て看板が出してあります。


駅長は休憩前と全く同じところに同じ姿勢で座っていました。


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駅長室の張り紙。震災によって臆病になり、帽子も抱っこも嫌がるようになってしまったそうです。鮎貝りんごのイラストに描かれているような姿は過去帳入りということですね……

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壁にはウサギと人間の年齢対照表も貼ってあります。解説曰く生まれは2010(H22)年5月、今年で9歳。人間換算で60代後半ということになります。飼いウサギの平均寿命は6~7歳(換算50代)だそうなので長生きですね。どうやらウサギは犬猫と異なり定期健診を受けることが多くなく、様子がおかしくなって初めて病院に行く個体も少なくないんだとか。(http://www.usagihospital.com/advice/qa)定期健診を受け(させられ)ているのが長寿の秘訣なのかもしれませんね。当人は病院が好きでないようですが(笑)


Twitterでは駅員さんと元気に戯れる姿を見ることができます。食事に飛びつくスピードといったら……(笑)

アニメ『ご注文はうさぎですか?』の「あんこ」のようなキャラだと捉えればいいような気もします。



さて。駅員さんに営業日の真相を尋ねてみることにしました。火曜と土曜しか営業していないはずなのですが、月曜に会えたのはなぜなのか?


頂いた返事をまとめるとこういうことのようです。

  • 実は基本的に毎日営業している
  • 火土のみと書いているのは、人員不足のため営業が保証できないから

だそうです。

ウサギの都合じゃなくて人間の都合かぁ……



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駅長さんとお別れをして、切符を購入しました。宮内から今泉で390円。発着とも空欄の券に押印するスタイルでした。パッと見た感じだと硬券はなさそうでした。



今泉に到着。JRが管理する有人駅ですがやはり車内で切符を見せて降りるスタイルでした。


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米坂線に乗り換えて、日本海側に抜けました。



こういうタイプの三セクローカル線は一回乗ったらおしまいになりがちですが、ここはなかなか味わい深くて気に入りました。衛星写真を見ていたら今泉駅の近くに放棄されたような転車台を見つけたので行ってみたいなぁとかスタンプラリーのために長井駅に行くかなぁとか色々考えていたらまた行きたくなってしまいました。左沢線のこともあるのでまた行くと思います。今度は鉄道むすめラッピング車が来るといいな。


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推しが並んでいて眼福でした

Nゲージの台車に小型モーターを架装してみた

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実物の電車同様、床下機器や客室内にはみ出さないサイズのモーター(電動機)をNゲージの台車に付けておいて、歯車で動力を伝達して車輪を回せないか、という考えです。これが実現できれば床下にも室内にもモーターが飛び出さないM車ができるはずです。ちなみに、HOだとパワトラやKATOのEF510の台車がそのような仕様になっています。


台車にモーターが付いているNの動力ユニットといえばワールド工芸の物やはこてつ用、鉄コレのクモル用などがありますが、いずれもモーターが床の上にはみ出します。



なお、このアイディア自体は私が初出ではありません。先に実践した方がいらっしゃいます。


これをさらにNjゲージ(1/150、軌間6.5mm)でやりたい、というのが私の願望でした。問題となるのが実装スペースです。モーターを縦置き(レールと平行)にすれば入るのですが、動力伝達はどうしよう……という所で止まっていました。小さなベベルギアやクラウンギアを作ってくれる工場はあったのですが、特注扱いなので値が張ります。3Dプリントも考えたのですが、ここまで小さいと積層造形の限界が露呈してしまうんですね。

2020/05/21追記
3Dプリントのごく小さい歯車は上手くいかない、という話を聞いていたのですが歯の数が少ないものを作ってみたら動きました。なんでぇ。やはり自分でもやってみるというのは大事ですね。



色々考えていたら、ある日ふと解決策が思い浮かびました。


腕時計の時刻調整のツマミを回すと針が回転します。
内部で回転軸の向きが90度回転しているわけです。この機構を横取りすればいいのでは??


いい時代なもので、キャンドゥに行くとアナログの腕時計が108円で売っています。
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バラしますと、
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ほら出てきた!望んだ通りのギアが出てきました。


とりあえず試してみたかったので、オモリを外した振動モーターと車軸にギアを取り付けて、

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適当なNゲージの台車に取り付けました。モーターは集電板に結線してあります。

走りました。ただ、どう頑張っても自走+αが限界で、MT比1:1の編成は無理そうな性能しか出ませんでした。おまけにスローは利かず、少し走らせると熱々になってしまいます。

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残っているギアを使って、

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減速機構を仕込んだ物も作りました。単純にスローが効いて欲しかったのと、減速すればモーターの負荷が軽減されて発熱がマシになるのでは?という期待もありました。


スローが効いてよろしいのですが、手作業の限界からか抵抗が大きく、大量のオモリを積まねば走らない上にやっぱりモーターは熱くなってしまいます。


機械で作ればもっと性能が出るのではないか?と考え、台車を3Dプリントで出してみることにしました。


ギアの寸法や軸の相対位置(これがなかなか大変)を測定して、

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Fusion360で3Dモデルを作成してDMMに発注します。サラッと書きましたが、この間にマトモなPCの入手や操作方法の勉強など色々あって大変に苦労しました。

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待ったら出力品が届きました。


組み立てまして、

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こうなりました。車輪や集電板はKATOの物です。先述の通り、軌間は6.5mmとなっています。


これを2ユニット用意して床板に付けます。


走りました。


ただ、これでも自走ができる程度の性能しか出ませんでした。しかも、1分も運転すればアツアツになってしまいます。最大3Vで小刻みに運転する前提で作られているモーターに対し、それ以上の電圧で長時間連続運転をしようとしたのですから当たり前ですね。


しかし、腕時計から外してきた歯車を使うというアイデア自体は成功しているようでなによりです。
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次回はもっと大きなモーターを床板に付け、旧式の気動車のような装置を組んでみようと思います。

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もうデータはDMMに投げてあるので届くのを待つだけだったりするのです


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ところで、このあと遊星歯車付きの小型モーターを買ったのですが、これが約1500円ほどするんですね。大量の同等もしくはそれ以上に精密なプラスチック製歯車が入っていてさらに動力が付いているアナログ腕時計が108円で買えるというのがますます凄いことに感じました。これからも末永く売り続けてほしいものですがどうなるでしょうか……?


→届いたパーツと遊星歯車付きモーターを組み合わせて新型の動力を作りました。こちらからどうぞ。



2020/06/05追記:
ネットサーフィンをしていたら、似たような小型モーターを車輪に直接挿す、いわゆるDDM方式のNゲージ台車を作っている方がいらっしゃいました。共有させていただきます。

Pololu(朱雀技研)の遊星ギヤードモーターを分解してみた

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φ6mm、長さ16mmの超小型なのにも関わらず遊星歯車が仕込まれているというギアードモーターです。鉄道模型に使うべく、スローが効くモーターを探していたら発見したものです。


Yahoo!ショッピングで買えます。アフィリエイトやってないんでここから飛んでも私にいいことは起こりませんよ?
Pololuというラスベガスの企業が販売している物を朱雀技研という奈良の企業が輸入販売しているようです。アメリカ製品ですが日本国内に保管している在庫を発送する、という形を取っているので素早く届きます。Yahoo!のストアの商品情報のところに元値(当然USD)を書いているあたりに誠実な印象を受けました。


さて。このモーターには鉄道模型(特にNサイズ)に使う上で大きな問題となる特徴があります。
出力軸がφ2mm、しかも切欠き付きなんですね。ここまで小さい減速機構の付いたモーターは他にないのでこれを使いたいのですが、もっと軸を細くしないと各種のギアが取り付けられません。アダプターを作る手もなくはないですが、前後方向が伸びてしまうのであまり良いものではありません。


というわけで分解することにしました。中身次第では出力軸のパーツを3Dプリントあたりで作って差し替えることができるかも……と思ってのことです。無理なら軸のパーツに穴あけをすればいいかもしれません。


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まず止め輪(スナップリング)を取ります。


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ツメに工具を差し込み、黒いギアケースを外しました。外した瞬間バラバラになるかもとか思っていたのですが、特にそういう事は起こりませんでした。


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中のギアを抜きます。スッと出てきてくれます。黒いカバーの内側が歯車になっており、これが内歯車(Ring Gear)になっています。


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タワーを崩します。遊星歯車機構が2段分入っていたんですね。Pololuの遊星ギアードモーターにはバリエーションがあり、今回の1/26減速のほか、1/136減速、1/700減速があります。不思議なラインアップだなぁとか思っていたのですが、確かに(√26)³=132、26²=676ですね。もっと言うと(√√700)³≒136なのでそういうことでしょう。詳しい人なら歯の数を数えて正しく計算できると思いますが私は遠慮しておきます(逃避)


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2段目から遊星歯車(Planet Gear)を外しました。この遊星キャリアが全体の出力軸となっています。


……はい。薄さ、形状的に3D出力品を使うのは無理そうです。ここの回転中心に頑張って穴を開け、金属線を挿して軸にしてやるのが一番現実的な気がします。まじかぁ。



さて。これに使われているモーターは鉄道模型用品としてなかなか優秀な気がします。
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φ6mm、長さ10mm弱と非常に小さいにもかかわらず耐圧が6Vある直流モーターです。黒い部分はネジ止めされているので外せます。なかなか見ない仕様の物ですね。このモーターだけ欲しい人、いるんじゃないかなぁ?



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このギアードモーターは、ロクハンが出しているZショーティー用の動力ユニットのモーター(写真下)と長さはほぼ一緒で一回り細いです。Zショーティー動力は小型車に使えるかも?と思い買ったのですが、個人的にはもっとスローが効くといいなと思っていました。

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左のZショーティーはφ7mm、右の遊星歯車付きはφ6mm。
ならカバー付けて軸変えてやれば遊星歯車×ウォームギアの超減速機構が作れるんじゃ!?というわけで色々考えております。乞うご期待?

【青春18で】くりでんミュージアムに行ってみた【寄り道】

くりはら田園鉄道の若柳駅に隣接していた車庫を保存、展示している博物館です。Twitterで何度か見かけていたので行ってみたかった場所でした。

・アクセス

東北本線石越いしこし駅から徒歩30分ほどの場所にあります。くりはら田園鉄道線は石越と細倉マインパークを結んでいた路線で、若柳駅は石越の2つ隣の駅でした。

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石越駅で降りて、
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下車印をもらいました。駅名の後ろに「駅」まで入っているのも四角いのも初めて見ました。
2019/09/08追記:どうやらこれは下車印ではなく「駅名小印」という全く意味合いが異なる印だそうです。


捺してもらったついでに駅員さんにどこへ行くのかと訊かれました。くりはら田園鉄道ミュージアムです、と答えましたが、石越から歩く人そんなに少ないの……??


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駅前から延びる通りをひたすら歩きます。

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少々ばかり角を曲がるとTOMIXの駅みたいな古い建物が現れます。これが若柳駅の駅舎です。

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くりでんミュージアムは道路を挟んだ反対側にあります。


・展示物

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順路に沿ってミュージアムを出ると、全駅の駅名標があります。おおお駅はここに2つもあったんですね。

そして車庫の中に入ります。様々な物が展示されていますが、なんと言っても特徴的なのはこちらの気動車の展示です。
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なんとピットに入って床下を見ることができます。こちらのKD10、元は名鉄キハ10だったそうです。名鉄ファン必見!?


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ただし、入れるのはピット全体ではなく手前のほうだけです。どうせなら従軸じゃなくて動軸側を見たかったなぁ

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じっくりと観察できます。



ところでこの車両、どこかからずっと物悲しい音楽が流れているんですね。どこにスピーカーがあるのかと思い、車内に入ってみたら……

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運転シミュレーターでした。無限ループで哀しいピアノ曲が流れています。

いや廃線は悲しいけどさ……いいから……わかったから……俺も悲しいよ……一回ぐらい乗ってみたかったよ……



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他にも展示車がいたり、様々な備品や工場設備の展示を行っています。
車庫そのものも展示品となっており、屋根の骨組みが観察できるようにらせん階段が設置されていたりします。


車庫から博物館のほうへ移動します。


くりでんの歴史のパネル展示、備品や制服などが展示されています。


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個人的に注目したいのがこちらの沿線風景を詰め込んだレイアウトです。よくできています。
10~15分に一回、石越から細倉マインパークへ列車が走ってゆき、そして戻ってきます。実物の配線が模型で再現されており、実物同様に行きと帰りで駅の異なる番線に入るところに強いこだわりを感じました。


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このトンネルを抜けた先のS字カーブは、くりでんの有名な俯瞰撮影ポイントだったそうです。





1時間程度で一通り見ることができました。




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こちらが若柳駅の構内です。いつでも見られるわけではなく、4~11月に月4回ほど開催されるイベントのときしか開放されないようです。ご注意を。

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なお、展示されている車両の一部は外からでも柵越しに見ることができます。

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帰るときに若柳駅を見たら、前に「北浦」というバス停がありました。どうやら新幹線のくりこま高原駅からならばバスで来ることが可能なようです。



廃線跡

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ミュージアムの横の駐車場に線路が残っています。写真奥が細倉マインパーク方面です。衛星写真を見る限り、線路は道路と交わる部分以外はほぼそのまま残されているようです。


また、若柳駅の反対側も線路が残っています。次の東北線の列車まで時間があったので廃線跡の様子を見ていくことにしました。


ちょっと建物をまわって、

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JAがピッキングされてる……まずいでしょこれは……

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踏切があります。こちら側の線路は今でも運転体験に使われているため、柵は取り外し可能なものとなっています。

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横の農道を歩いてみました。腕木式の信号機がありますね。

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しばらく歩くと建物が見えます。

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線路は道路の手前で一旦終わり、柵で囲われています。体験運転線はここでおしまいとなっています。


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線路は先へと続いています。

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しかも、柵や立て看板などの進入を制止するものは見当たりません。絶対に安全なスタンド・バイ・ミーごっこしてもいいのかなぁ??とか思いましたがやめておきました。そもそもこの敷地は今現在誰が所有しているのでしょう……?

並行している道路を歩いて駅へと戻りましたが、時折線路のほうへと向かう脇道が現れるので線路の様子を見てみました。

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……お手製の踏切がありますね。おそらく無許可でしょう。地元の人々の邪魔になっているなら線路を撤去したほうが良いのではないかと思ったのですが、なんでも細倉鉱山から産出された鉛を輸送していたため路盤が汚染されていることが放置の一因なんだとか。


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歩いて石越駅に戻ってきました。

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ロータリーのところにタクシーの電話番号が書いてあります。確かに複数人で来るときはタクシー割り勘がいいかも知れません。

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そして、石越駅の横の駐車場のすぐ近くに廃線跡があります。駐車場自体がくりはら田園鉄道の駅跡地なのでしょう。それにしても柵がガバガバですねぇ。





収蔵品を間近に観察できるだけでなく、車両の下に入れるなどの独特な展示を行っている点で興味深い博物館でした。ぜひ足を運んでみてください。東北の乗りつぶしをしていて乗り継ぎがひどすぎたときにもオススメです

次回はイベント開催時に来て駅構内にも入りたいです。


・余談

どうやらミュージアムの倉庫には手つかずの収蔵品が多数あるようで、数日おきに新しい物をTwitterにアップロードしています。

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