日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

【小ネタ】久里浜の209系訓練車のドアステッカー

某イベントのついでに久里浜駅まで足をのばしてみました。その某、範囲は衣笠までだったのですが、横須賀~久里浜が未乗区間として残っていたのでこの機会に…というわけです。


横浜支社総合訓練センターの209系訓練車。降りるまでここに居ることを完全に忘れていました。
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久里浜駅ホームからスマホで撮影。ホームから訓練線は結構遠いんですよね。
ご覧の通り、ドアステッカーの貼りかたが非常に不規則です。どうしてこうなった感満載。


模型の話をすると、今のところ手始めにBトレ、次いでNを作る予定。Bトレでもこのステッカーのネタを拾ってやるつもり……なのですが、反対側はどうしましょうね。公道から撮影できるのでしょうか。可能ならば京急乗りつぶしのついでに撮影したいところです。


・後日談

こんな画像サイトを見つけました。反対側の資料です。


・更新履歴

2017/06/07 投稿
2017/06/30 加筆


↓某
https://twitter.com/hai_furi/status/870067368797454336

大宮の103系訓練車を作る(3/4)

さらにディテールを追加します。前回の記事はこちら。

・床下車端部

・コック

低運転台車は片方のみ床下の肘コックが付いていました。元がマイクロの車輌なので当然TNカプラー対応という訳で…

TOMIXのJC6329を使用。TOMIX車ならば無加工でディテールアップできるのですが、マイクロ車は床板に若干の加工が必要です。

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はいっ。加工とは言っても、少しカッターで床板を彫るだけ。



高運転台車はKATO製品に付いてきたダミーカプラーをそのまま使用しました。実車をよく見るとジャンパ栓の受けなどが一切ありません。先頭車化改造した際に、必要がないからと付けなかったのでしょうか。


コックには銀河モデルの床下配管を使用。ネジ止めしました。
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乗務員ステップは車体側に付けるので後回しにします。

・ATS車上子

実車だと影になってよく見えない分、あまり注目されることのない部品ですが模型に付けておくと効果抜群。

台車よりも車体中央寄りに設置されるタイプの物は各社から金属パーツが出ていますが、連結器の下に来るタイプはなかなかないもの。


…という訳で、裏ワザ的にこんな部品を用意。
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Z04-7896「クモハ12052鶴見線 胴受」。KATOのクモニ13やクモハ12など、単行旧国シリーズで採用されている部品です。
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ATS-B受電器も付いていてディテール盛り沢山の優秀な部品。


これの車上子だけをカットして、
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両サイドの連結器下に取り付け。固定を確実にするために「ダボ継ぎ」の技法を使ったり。


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効果は抜群。


・列車選別装置の車上子

なんと市販の部品は出ていないようです。

というわけで、TAVASAのPN-002「ATS車上子」を用意して、

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穴を開けて、

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穴の形を整えて、

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板の部分を切り離して固定具を加工し、長手方向に付け直して

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マイクロお得意の「外せるカプラーポケット」の根元に付けました。

塗装は後で行います。103系の場合は台車マウントだったのですが、201系だと連結器の真下に来ていたようです。奥が深い…



ちなみにですが、金属パーツの開孔は
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こんなオリジナル(?)の電動工具で行っています。口金の部分が無段調整できるタイプのハンドリューターに、百均の丸ダイヤモンドヤスリを噛ませたもの。素材を問わず加工の幅が広がるのでかなりオススメです。相手が金属なら切削油は付けたほうがいいです。自転車油でもユニクリーンオイルでもいいから


・排障器

台車絡みでもう一件。これは欠かせない部品です。

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TOMIXのPZ-100「排障器(72・73系用・8個入)」を採用。
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横から見たときのディテールはこんな感じ。ボルト4本、表現はあっさりですね。


キハ用の部品もTOMIXから出ているみたいですが、こちらは形状が大きく異なるので使用できません。



排障器はNだとあまりこだわれる部品でもないらしく、熱心な部品は銀河モデルの西武用程度のもの。103系のなかでも差異があって面白い部分なんですが、ね…え?自分で作れって?



・内装の工作

客室内には訓練用の機器が積んであったようですが、資料がないため工作を断念。また、室内灯は付けないので運転台のシースルー化加工は見送ります。

・床と椅子の塗装

元は真っ青でした。あまり見た目が良くないので、
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ガイアのNo.073「ニュートラルグレーⅢ」を塗ってマスキングし、
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GMのNo.22「ブルーB」を塗って、
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つや消しクリアーで仕上げました。実車は特保車だったらしいのですが、どうもこの色だと間違っているみたいです。残念。シルバーシート?知らない子ですね


・高運転台車のライトユニット

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車体の前部はライトユニットで占められます。とりあえず運転室だけでも空間を確保したかったので、

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ライトプリズムを保持している部品を、

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切って、

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本体にはめて接着。これで運転室を拡大できます。

その他諸々の加工を行って空間を整えたら…

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運転台の奥にステッカーを貼りつけ。かなり雰囲気は出たかと。

この加工にはTwitterで発見した画像を使わせていただきました。ありがとうございます。


低運転台用と書いてありますが雰囲気は出ました。ATC高運転台車の実車は前面展望が絶望的で不評だったようですね。


・内壁の塗装

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いくら内壁とはいえ、外から見える以上は塗っておきたいもの。運転台の周りはFARBEの#034「室内グリーン」で、客室部分はガイアのNo.223「インテリアカラー」で塗装。クモハ103-100とモハ102-224は共に特別保全工事車、または特保車だったようです。特別保全工事の際に客室をクリーム系の色に塗り替えたそうですね。


・外側の塗装

床下機器

床下機器の色はグレー、台車は黒でした。
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M車T車共にマルチプライマーを吹いて、FARBEの#002「床下グレー」で塗装。機器でない部分はつや消し黒で塗りつぶしておきました。

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床下に色差し。マスキングしてガイアのNo.223「インテリアカラー」を使用。

・車体

試作品として同じ車両をBトレインショーティーで作っていました。この過程で調査を済ませて塗料の色味も見ていたため、車体は塗るだけそれが大変なんだよなぁだったりします。塗料についてのあれこれはこちらに書いてあります。

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手始めにウグイス色を塗装。ここが一番楽しい。延々と続いた彩りのない世界からの脱却です。

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そして帯の部分をマスキング。ここが一番つらい。マジつらい。ほんまつらい。落差のせいで余計にしんどいのです。

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高運車は手すりもウグイス色でした。Bトレとは違い、一枚で保護できないので面倒です。

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窓下の帯の幅は1.8mmで作っています。切り出しに便利なのがトレジャーの細切りテンプレート。


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幕板の帯は1.2mm。

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ハイなんやかんやあってマスキング終了。

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ここにクリーム色を吹きつけました。

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そして前面にマスキングを施したら、黒を塗って…

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ハイッ!できた!

塗装のパターン故に、開眼式とでも呼ぶべき工程。淡色の車体に黒でやらかすと大惨事。無事故で終えられて一安心です。


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高運転台車も同じ作業を行います。改めて思いますが、ブラックアウトって大事ですね。



これでとりあえず基本的な色は塗り終わりました。あとは貫通扉……と考えて調査を開始。JR東日本103系の更新車は貫通扉をステンレスに交換されていたりするので、色がマチマチなのです。なおJR西日本


繰り返しになりますが、クモハ103-100とモハ102-224は共に特別保全工事車、または特保車だったようです。ステンレス製に交換されているのは更新車、クリーム色なのが特保車、緑色なのが原型…といったところでしょうか(ガバガバ)。

クモハ103-100に関しては実車の妻板の画像が出てきたのでリンクを貼っておきます。
103系訓練車車両の解体の写真素材 [25054014] - PIXTA

色の違いはよく分からないのですが、クリーム系統の色なことは確か。


…ここまで調べましたが、面倒なので塗りませんでした。クリーム1号を先に吹いて、それから車体色を塗れば楽だったかもしれませんね。




最後の仕上げ、インレタです。


車番も所属表記もエンド表記もなく非常にスッキリした車輌でしたが、妻板の検査表記だけは貼ってありました。

ミソは検査表記「だけ」だったところ。形式は関係ないので…

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レボリューションファクトリーの4276「105系インレタ 黒文字」を使用。仙石線105系のインレタですね。
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仙石線105系トリコロールカラー仕様で鉄コレから製品化されていて、プロトタイプの実車が訓練車に改造されて新秋津に配置されたため、車番はそちらに使用する予定でこのインレタを選択しました。

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検査の年月も場所も気にしません。あくまでそれっぽく。

レボのインレタは透け防止のためか、白い下地が付いていて若干分厚いです。粘着力も弱いので貼りにくいイメージ…


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忘れてはいけない前面の色差し。輝きと手間を勘案してポスカで塗りました。細いモールドの上でも綺麗に塗れるのでかなりオススメです。
最後に半ツヤのクリアーを吹いて車体の塗装は終わりとなります。


・屋根板

・ベンチレーター

実車は2両ともステンレス無塗装のベンチレーターを搭載していました。豊田(豊田車両センター)の車両の特徴だったそうです。

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何だか軽そうなイメージの銀…かつギラギラだったので、ガイアノーツのNo.1001「ライトステンレスシルバー」で塗装。メタリック塗料は磨くとツヤが出て美しいとの事ですが、この塗料は磨いてもあまり変化がありませんでした。


・クーラー

もちろん使用するのは元から付いてきたAU712……といきたいところでしたが、クーラーを失くすという愚行をやってしまったのでGM製のものを使います。
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少し前に再生産されて話題を呼んだGMの95-4。旧製品ならではのイラストが大好きです。

かなりギラギラな印象があったので、Mr.カラーの「スーパーステンレス」で塗装。

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…うん、凄い。滑らかな輝き。写真では伝わっていないと思いますが、これはすごい(語彙力)

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リターダーシンナーで溶いて艶を重視してやれば、実車同様「クーラーに映り込むベンチレーター」が再現できます。本当に凄い塗料です。


ちなみにダメ元でタミヤの「クロームシルバー」も試していました。ギラギラしてはいたのですが、予想通り粒子が荒く表面がザラつくタイプの塗料でした。クーラーには使えませんでしたが、鋳鉄の表現ならピッタリかもしれません。


パンタグラフ/避雷器/ベンチレーター蓋

こちらも元から付いていた部品を使用。ただし、無塗装は安っぽいのできちんと塗ります。
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マルチプライマーを吹いて、Mr.カラーのNo.97「灰色9号」で塗装。クレオスさんが通常シリーズで出している鉄道カラー、メカ系の色にしては珍しくツヤあり。GMのものより実感的な色合いで気に入っています。

スリ板にはタミヤの「カッパー」で色差し。調べても実際にはどんな色なのかが分からなかったのですが、まあ雰囲気程度に。え?どうせ汚れているから何でも黒が正解だって?


パトライト

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103系訓練車を作る(2)でも扱った部品ですが、また登場します。なくしてしまったので作り直しましたちくしょう
素材はKATOの103系の尾灯のプリズムとか書きましたが、さすがに入手難度が高すぎたので…
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透明なランナーを焼き伸ばしたものを素材にしました。これなら量産化も可能、以前悩んでいた105系訓練車の分も作れますね。

細くしてツメ磨きで形状を整えて磨いてクリアーレッドを塗れば完成となります。


・仕上げの部品

・乗務員ステップ/クレーンフック

低運転台車の乗務員ステップはTOMIXの部品で再現できているので高運転台を。

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ステップは銀河モデルのN-099、クレーンフックはトレジャータウンの316を使用。メタルプライマー→黒で塗装。車体の裏側に貼りつけておきました。
クレーンフックはほぼ全ての鉄道車両にもれなく4つ付いてくるパーツ。意外と取り付ける人を見かけません。地味だからでしょうか。

・ATSと列車選別装置の車上子

さっき後回しにした塗装作業です。作業中に当たって塗装が剥げるのがイヤだったため後回しにました。

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ベースの白→ガイアのNo.013「ビリジアングリーン」→マスキングして支持具部分をつや消し黒で塗装。

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写真では伝わりにくいですが、鮮やかな色がチラッと見える歓び。これだから色差しはやめられないんです。


・ATS-B受電器

床下車端部の項目でオイッと思った方も一定数いらっしゃったかと思います。国電の場合、色と取付位置の関係で「最後の仕上げ」的な立ち位置になるんですね。
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先程のトレジャータウンの部品に入っていたものを使用。
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GMの缶スプレーの「青22号」で塗装して取り付け。取付ベースは後で黒く塗っておきました。ポスカが便利です。


ちなみに銀河モデルからは塗装済みのものが出ていますが、左右が別になっているため接着面積が非常に狭くすぐに外れてしまいます。繋がっているタイプのほうが扱いやすいですね。



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自分が欲しかったモノに近づいてきました。あとすこし。(少しではなさそうなんだな、これが)




・前後の記事



・更新履歴

2017/05/30 投稿
2017/05/31 部分的な修正
2017/06/23 加筆

大宮の103系訓練車を作る(2/4)

前回の続き。今回はディテールを付けていきます。多いのでディテールだけでまた記事を分割する羽目に…


・床下機器

今回使用した動力ユニットはTOMIXのE501系の物。動力カバーは当然使えません。103系インバーター車?JR東海とか東芝が持っていましたね

面倒なので詳細は省きますが、


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マイクロの元の床板とにらめっこしつつ、

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GMの95-3「103系改造パーツキット」に入っている床下機器を用意して、

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ブレーキ作用装置にも何種類かあることに気付いたり、

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空気元ダメを切り出したり…


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作業の過程。片側は多くの機器を流用できたのですが、反対側は全滅。なぜかって…

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種車SIV装備車だったからですね。
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SIVを撤去してMGを付ける。実車で考えると非常に頭の悪い改造工事ですね(笑)


・前面

・運用番号表示器の穴埋め

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低運転台車は運番表示器が埋められていました。元々はまっていたガラスの出来がよろしくなかったので透明パーツを穴埋め材として使ってしまいました。実車の話をすると、ここはATS-P関連の機器の搭載に伴って埋められたようです。


・前面強化

低運転台車には前面強化が施されていました。
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前面強化用の部品はボナファイデのPE-004を使用。
GMのEVOシリーズ用の部品だそうで、裏を見ると

本製品はグリーンマックス製のEVO SERIES 103系にあわせて設計したパーツです。その他の車両への取り付けは考慮しておりません。

とありました。果たしてマイクロ車には使えるのか無理なのか。

幅の様子見。
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はい、ダメでした。

ついでに言うと、

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車端から乗務員扉までの長さも合っていません。下は鉄コレの105系仙石線こちらにはちょうど使えて、先述の幅もピッタリでした。

…となると、マイクロの設計がガバガバだったということになりますね。


ここでまさかと思い、101系と比較してみると…


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白いのがマイクロの103系、上の写真の101系はKATO製、下の写真では鉄コレの101系と比較。


はい、思った通りでした。この103系は、乗務員扉の位置が101系と同じになってしまっています。



…というわけで、BONAの前面強化パーツは使えずじまいでした。

しかしプラ板で自作すると、手すりや尾灯の位置決めが大変になるのは明らか。

そこで、

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側面に出る部分を切って、

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パーツの説明書に従って、元の手すりや尾灯、連結器上のステップも全て削ぎ落として、

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前面の分だけ貼りつけます。

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前述のように、低運転台車は尾灯の上の手すりがズレていました。元のパーツは標準的な位置に手すりが来るように開孔されていたので、

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手すりの穴の外側に「第三の穴」を開けておきました。無理に引き伸ばしたからきたない写真ですねぇ
補足しておくと、手すりの穴の径は0.25mmが丁度でした。

最後に、側面の分はt0.1mmのプラペーパーで自作。コーナーは接着剤などで埋めて、ヤスリで仕上げます。
三連の手すり穴は、一番内側にくるものをこの段階で埋めておきます。


サフを何回か吹いて修正、最後の仕上げにテールライトの部品を取り付けます。

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前面強化のパーツが指定していた部品を素直に使用しました。タヴァサのPN009「新型テールライトA レンズ付き2組入り」です。


手すりも取り付けて、メタルプライマーからの仕上げのサフを吹くとこんな感じ。

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手すりにはトレジャータウンの汎用手すりを使用。前照灯の下は1.2mm、その他は1.0mmを使用しました。毎度のことですが、垂直平行に気を付けて開孔するのは難しいもの。
「第三の穴」もですが、トレジャー製の手すりのランナーに付いてくる穴開け治具が本当に便利です。
上の写真ではライトレンズもはめていますが、あとでコンパウンドで磨いたほうがいいですね。

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というわけでここまでの進捗。

別角度から。
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…安っぽい、安っぽくない???

高運転台車の尾灯ですよ、尾灯。相方がこのシャープさなのに…あまりにも差がありすぎません???


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というわけで、今更ながらこちらも尾灯を削り落とし、

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先程と同じTAVASAのPN009を装着。やっぱこうでなくちゃ。

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ライトプリズムは、先端のレンズ部分を切り落とし、ライトリムが入るようにφ1.0mmの穴を開けておきます。


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どうでもいいですが、元の尾灯の穴の大きさはφ0.95mm程度ではないかと。φ0.9mmは写真のように垂れてしまい、φ1.0mmは入りませんでした。

・シールドビーム

一灯式のライトを換装した、通称「ブタ鼻」。

最適解はKATOの101系メイクアップパーツなのですが、いかんせんお値段が高い



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さてどうしたもんかなーなんて考えつつ棚上げにして放置していたら、いつの間にか牡丹餅に化けて落ちてきました。全部そろって¥810という破格。以前もライトだけ2つで500円ちょいという代物を発見しているので、地道に探してみるもんです。

さて、ツメを切ってそのまま車体に貼りつけてみたら厚すぎました。

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KATOの101系を見るとライト部分には円形の窪みが。これで厚さを吸収していたんですね。

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丁寧にヤスリで薄くして、知る人ぞ知る「黒い瞬間接着剤」で位置決め。主な用途がキズ埋め・盛り上げなためか、瞬間接着剤を名乗っておきながら硬化速度が異様に遅いのでこういう使い方も可能なのです。位置決めが終わったら普通の瞬間接着剤で固定します。




・前面ステップ

f:id:hinodemaeinspection:20170326204340j:plain:w400同じ画像を再掲しますね。
元々は切り取ったプラ製のステップを再び接着する予定だったのですが、撤去するときに文字通り「切り飛ばして」しまいましてですね…(´・ω・`)

しかも、前面強化の部品が指定していたBONAのPE-001「103系用パーツセット001」は入手できず。仕方がないので、トレジャーのTTP262-01「ATS-B型車上子(胴受け設置)・101・103系前面手すり」を使用。

ちなみにですが、同じBONAのP-026「103系用パーツセット」にも前面ステップは収録されていました。指定されていた以上は、同じメーカーの物を買ったほうが良かったかな?(今更)



・乗務員扉の手すり

実車の写真を見ると分かるのですが、4か所中3か所の乗務員扉には横向きの手すりが取り付けられていました。

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こんな感じで取り付け。丁度良い幅の手すりパーツを持ち合わせていなかったため、銀河モデルのN-819(E233系用の乗務員ステップ)の下側のみを切って流用。この手すり、何に使っていたんでしょうね。


・妻板


妻板の話になったので、最初に模型の情報を載せておきます。

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クモハ103-66は貫通扉がグリーン系統の色、


モハ102-272は両側共に銀色でした。JR東日本の「更新車」ですね。


IPAに漬けて塗装を剥離したのですが、銀はあっさり落ちても緑は全然落ちませんでした。シンナーでこすっても効果なし。一体どんな塗装方法なんでしょうね…


・銘板

簡単な凸モールドで表現して終わらせていることも多い代物。今回の種車にはそもそも表現されていませんでした。

銘板の金属パーツが出ているのでそちらを使用。トレジャータウンのTTP207-11「京成赤電小パーツ集」。

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かなりの精度を誇るパーツ。文字が読めるレベルの物も混ざっていますね。国鉄103系に使う部品じゃないだろとか言わせない


パーツの説明を読むと、プラ用の流し込み接着剤でこびり付かせた後、落ちないうちに塗膜で固着させろと書いてありました。

こんな方法では不安だったので、

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小さな穴を開けて、

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その上に銘板を置いて、プラ用接着剤で仮止めした後に裏から低粘度の瞬間接着剤で固定。これで確実に固定できます。


・妻面昇降ステップ

まずは高運転台車の妻板の手すりを立体化します。


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高運転台車にはこちらの手すりパーツを使用。

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0.8mmを使用しました。何度でも書きますが、トレジャータウン製を使う大きな理由はランナー部分に付いている穴開け治具。これ以外使った経験のない身としては、逆にこれが無い商品の場合どのようにして穴を開けるのでしょう…?とか考えてしまいます。

手すりを植えた高運転台車は、車体とステップを馴染ませるためにサーフェーサーを吹きます。
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その前に一つ。貫通扉の緑は落ちませんでしたが、シルバーシートのマークもIPAでは落ちてくれませんでした。シンナーと綿棒で落としました。


んで、低運転台車です。話が飛びますが、激しい誤解をしていたために塗装してからステップを取り付ける羽目に。同時に、高運も勘違いモデリングをやらかしていたことが判明しました。



ここでマイクロのクモハ103の妻板をご覧ください。
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はい。ステップが左右逆です。このような仕様の車輌もいたのかもしれませんが、少なくともこの訓練車はこうではありませんでした。

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というより、ステップが右側にあると屋根板の手すりと矛盾するんですね。

雨樋を痛めないように注意しつつ元のモールドを削り落としたのはいいのですが、てっきりステップが無いものだと思っていました。追加します。


そして大変に今更な感じが漂いますが、ここまできて…
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はい。103系用パーツセット001です。入荷してました。ここに入っている三角のステップを使用しました。

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低運転台車は全て四角いステップを使ってしまいましたが、これも大間違いでした。妻面窓の横は三角、その上の2つは四角が正解なようです。



実車に関する知識の欠如、痛いものがありますね…


・屋上

・手すり

ヒゲ付きの手すりの質感が大好きです。以前、Bトレで大船工場の101系入換動車を作ったときにすっかり魅せられてしまいました。ぜひとも付けておきたい部品です。


さて、先頭車化改造の高運転台車ですが、こちらは何と側面ステップ上、屋上の手すりがありませんでした。改造した際に、不要だからと付けなかったのでしょう。


低運転台車には取り付けますが、元の模型に手すりのモールドがありませんでした。武蔵野線にはそういう仕様の車輌もいたのでしょうか。


取り付けるにあたり、位置を正確にコピーしたかったので
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端部からの距離をマスキングテープでコピー。

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手すりを付けたらGMのNo.9「ねずみ色1号」で塗装、その後につや消しクリアーを吹きます。


改造車特有の「吹き込み」も再現したかったところですが、とりあえず今回はシンプルに仕上げるということで…


・ベンチレーター

高運転台車のベースのモハにはインバータ(静止型インバータ)(SIV, Static Inverter または APU, Auxiliary Power Unit)が載っていました。この影響で、訓練車に改造すると一つベンチレーターが不足します。
当然マイクロエースは部品の分売を行っていないため他社製の物を混ぜる必要が出てきますが、それでは形状にバラツキが出てしまいます。

おまけに、種車の製造時期が違うので同じマイクロエースのなかでも形状が異なっています。

…はい。全て交換するのが吉ですね。

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最終的に採用したのは、αモデルのNo.232「<新型>グローブ型ベンチレーター」。KATOの分売パーツも検討したのですが、シャープさが足りなかったので見送りました。いっぺんα製品が買ってみたかったってのも無くはない


・高運転台車のアンテナ

低運転台のほうは元から四角い台座が付いたタイプのアンテナが搭載されていました。訓練車もこのスタイルだったのでそのまま採用となります。

問題は相方。なんだか細長い何かが付いていて、さてどうしたもんだかと考えてしまいました。


適当に模型の山を漁っていたら、
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ウグイス色の103系が出てきました。買った癖して今まで見向きもしていなかった不良在庫だったわけですが、ここに正解がありました。

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お隣は水色の同型車。山手線仕様は屋根板が違ったのですね。



パトライト

ようやく出てきたこの車輌最大の特徴です。何はともあれコレさえ付いていれば……的な一面もある位には大きな特徴。

当然のことながらパーツなど出ているはずもないので自作します。使用するのは…

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鉄コレの余りパーツと、前回お役御免になったテールライトのプリズムの先っぽ


穴を掘って適当に刺して接着剤で固めて…

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車体と床板の分離を考慮してか先がすぼまった形状になっているため、先端部を切れば見事にプリン型のパトライトが出来るわけです。これ以上の素材はきっとないだろうと考えているのですが、唯一にして最大の欠点が入手性。「KATOの103系の尾灯のライトプリズムだけ」なんてまず手に入りませんよね…鉄コレベースで作る105系のあの子たちの分はどうしようかなぁ


取付位置は信号煙管のあった場所となります。そもそもこのパトライトは信号煙管の代用品。訓練で使用する度に火薬を消費するのは…というわけで取り付けられているのです。
取付穴ですが、トミーテックさんもビミョーな部品を作ってくれるもんで、φ0.9mmではささらず、φ1.0mmでは緩くて接着剤が必要でした。



さらに続きます。マトモなNゲージの制作記を書くのはこれが初めて。Bトレとは比べ物にならないほど加工点が多くて執筆が大変…



続きはこちら→大宮の103系訓練車を作る(3/4) - 日ノ出前検車区


・前後の記事





・更新履歴

2017/04/28 投稿
2017/04/30 部分的な修正
2017/05/30 リンクの追加
2017/06/23 加筆

大宮の103系訓練車を作る(1/4)

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かなり有名な事業用車で、改造元が103系ということもあって「鉄板のモデリングネタ」となっています。


実車は、モハ102-224にクハ103-322の前面を取り付けた車輌とクモハ103-100でユニットを組んでいました。形態的には非常に珍しい「非ユニット窓の高運転台車」が含まれるため切り接ぎ工作は必須。2両で完結するお手軽さ(お手軽とは言ってない)を買って挑戦しました。


・素材を用意する

今回はジャンクの103系を購入しました。共にマイクロエース製の、

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モハ102-272と、

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クモハ103-66でした。(顔しか撮ってませんでした)



モハはA-0554「103系 武蔵野線・オレンジ[改良品]8両セット」に、クモハはA0446「国鉄103系 中央線・オレンジ・冷改車 基本7両セット」に入っていたものだったそう。



顔だけ持って行かれるのはこちら。

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KATO製で、妻面と側面の間に酷いヒビが入っていて使い物にならないジャンク。ブッ○オフで捨て値で売っていました。


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運転台の後ろには点検蓋のようなものが付いていますが、これはどうやら飛び出しているタイプとツライチなタイプの2種類があったようです。今回制作する訓練車の写真を見る限りツライチなタイプが正解のようですが、今回は省略します。





・前面の切り接ぎ

高運転台車は、実車がモハに運転台を取り付けた物でした。模型でもその加工を行う必要があります。


KATOの高運転台車を乗降扉の前で切断します。こちらは簡単。

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懐かしのスイの所属表記。


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こうやってまじまじと見ると分かりますが、車体の側面に対して前面がズレています。金型を合わせる位置が悪かったのでしょうか。


一方、中間車のカット位置ですが…
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フタ屋根を開けると車体がこんな感じになっています。天井に穴が開いているほうを切り落としたくなりますがなんで開いているんでしょうね、ここで側面のルーバーの配置が重要になってきます。

実車の資料を見ると、反対側で切るのが正解となることが分かります。



ある程度長さを揃えたらIPAへ投入。マイクロ車はすぐに落ちてくれましたが、厄介なのはKATO車。なかなか落ちてくれません。
漬けすぎてもプラが傷みそうなので途中で妥協しました。


塗装を落としたら、断面のすり合わせを行います。
車体の長さは屋根板に合わせて調整。
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車体の裏側を多く削るようにするのがポイント。車体はタミヤセメントで接着しました。流し込みタイプの緑キャップをメインで使用。

車体幅が異なっていたので若干ばかり強引。両社の雨樋の表現の強さの違いが際立ってしまいますね…

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あとは接いだ表面の処理。塗装すると一気に悪目立ちする可能性があるので少々怖いです。Bトレの209系の屋根板を接いだときみたいに…


タイラーなどをフル活用しつつ処理しますが、どうも気になったので雨樋はプラ板で追加しました。
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t0.1のプラペーパーを、毎度お馴染み細切りテンプレートで幅0.4mmに切り出し。これをタミヤセメント(緑キャップ)で接着し、ヤスリで整えれば雨樋が整います。
ちなみに、継ぎ目の黒い「何か」は「黒い瞬間接着剤」です。微妙な隙間埋めに便利なのでお試しあれ。
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修正が済んだらMr.カラーのサーフェーサーを吹き付け。審判の時です。

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容赦なく実情が浮き彫りになりますね。まだマシなほうか…?


あとは修正を加えれば、最低限の加工は終わりです。接いだ部分は強度が低いので裏から瞬間接着剤を盛っておきます。



・屋根板

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まず、一番前に来るインバータとランボードを撤去。

カッターである程度サクサク削ったらヤスリがけ。ここでもタイラーが活躍。

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変な角度からですが、途中経過。話が前後しますが、高運転台側のジャンパ栓の受けは撤去しておきます。付いたままになっている作例が多くて気になるもの。以前Bトレで試作品を作ったときに、実車には無いことに気付きました。

穴はランナー焼き伸ばし棒で埋めます。

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ここまでが終わるとこんな感じ。不揃いに感じるクーラーの向きですが、実車と比較したらこれで正解でした。クーラーの向きを記録するために撮影…

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とか思っていましたが、取付穴の大きさを変えることで付ける向きを間違えないようにする工夫がなされていました。


ここで屋根板をIPAに投入。タッパーを少し日向に置いておいたらあっさりと落ちてくれました。


さて。クーラーの下に付いている台座のような四角い何かですが、これは実車には付いていました。相方の低運転台車にも付いていたのですが、購入した模型には表現されていません。武蔵野線103系の写真を眺めていたら台座がない子を発見したので、おそらくはプロトタイプの違いでしょう。

作るのめんどくせぇと思っていたらボナファイデのこんな製品を発見。
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P-137「AU712 クーラー台座 精密切削パーツ 103系用:2輌分入」。

プラ板を貼り付けて削る作業も検討しましたが、時間がかかりそう&美しくキメるのは困難そうなのでやめました。お値段は案外安い定価450円+税。時間を買うお買いものです。時給1000円換算だと…と考えると、コスパは抜群。


この手の曲面が絡む商品は大抵「トミー用」「GM用」などと対応メーカーが指定されているのですが、この商品にはそのような但し書きがありませんでした。103系のような超定番車種、それも設計図がオープンになっている国鉄車だと、現代の水準ならどこが作っても同じになるのでしょうか。実際、先ほど載せた写真ではKATOの前面にマイクロの屋根板を合わせているのですが、曲線のズレは無視できる程度でした。


マイクロの製品はクーラーの下に台座が潜り込む本当の「台座」ですが、この製品を使うと「台座モドキ」となります。クーラーの取付足と干渉させない配慮でしょうか?


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ここまでが終わるとこんな感じ。インバーターを撤去した屋根板はヤスリで丁寧に均して、サーフェーサーを吹いて傷を隠しておきました。


・動力

購入したのは2両ともT車。片方をM車に仕立てて自走式にしようと考えました。


低運転台車は特に切り接ぎをする必要がありません。従って、床板は基本的に無加工で済むため、こちらを改造するのは得策ではありません。

動力化するのは高運転台のほうとなります。

ただし、動力ユニットをそのままはめる訳ではありません。ライト類は点灯する仕様にしたいので、床板の前半分はKATO製を使い、いわゆる0.5M仕様とします。


・動力ユニット

・動力の選定

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これがKATOの床板の前半分。後ろにKATOの103系用の動力ユニットを切って付けるつもりだったのですが、台車の表現が全く別物なんですね。完成後も違和感を放ってしまいそうです。

KATOの動力台車は構造上レリーフの差し替えができないので不採用としました。

代わりに出てくるのがTOMIXのE501系の動力。

車軸のうち、車輪の内側部分に集電板を押し当てて集電する方式となっています。
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言葉では伝わりにくいと思うので、レリーフを切った(後、断面にプラ板を貼った)姿を。写真では集電板が外してありますが、ご覧のように車軸が車輪の外側に飛び出していません。つまり、台車レリーフは機能に関係がないんですね。


・動力の改造

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というわけでマイクロのトレーラー台車も解体して、

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融合。これで「マイクロ風TOMIX動力台車」ができるわけです。

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ギアボックス(?)の部分も改造。ボディマウントカプラーを取り付けるため、カプラーポケットを落としておきます。



ダイキャスト部分は、モーターの使わない側のシャフトがギリギリ収まる程度のところで切ります。ゴツい金属を切る作業となるため、金鋸が必要です。


・床板の融合


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高運転台車の床板の前半分は、先述の通りライトユニットの関係でKATO製を使用。


ガラスと床板が干渉する部分は全て切り落としておきます。

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こんな感じで車体にはめて、前後のすり合わせをしたら床板の黒い部分のみを接着剤で固定。

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こうなります。強度が大事になってくる部分なので、一晩程度は放置するのが無難かも。

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動力ユニットの集電板を切って曲げて加工し、

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ライト部分に合わせます。


ライトユニットの下にくる部分はKATOの集電板を使用。ハンダで繋ぎます。


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微調整を繰り返せば完成。これで、ライトと動力の両立が可能となります。



・車体と床板の固定

動力を改造すると一番悩ましいのが車体と床板の固定。接着剤などで固定するとメンテナンスが困難です。車体と床板のメーカーがバラバラなため、ツメは使えません。

前面と床板の前半分はKATO製で共通なため、前部はライトユニットで固定できます。問題は後部。

TOMIX純正のライトユニットを止めるツメを活用しようかとも考えたりしましたが、あれこれ考えた末にボツ。

結局、磁石で固定するという方法に落ち着きました。

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使用したのはハイキューパーツのネオジム磁石の1mm×4mm×1mmのもの。

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ネオジム磁石の中でも、磁力の強いグレードN52です」の言葉通り、こんなに小さい磁石同士でも十分に重いダイキャストとモーターを保持してくれます。ここまで便利で、お値段は10個で250円程度。この他にもサイズや形状にバリエーションがあります。


ハイキューパーツは鉄道とはあまり縁のないジャンル向けの部品を扱っているブランドですが、他のジャンルの商品も上手く使えば効果抜群。たまに他ジャンルのコーナーを覗いてみるのもいい刺激になりますよ。


・T台車

こちらはマイクロの台車をそのまま使用します。しかし、そのままポン付けとはいかなかったので、

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穴をプラ板で塞いで、

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穴を開け直してから装着しました。車高の調整はまた後ほど。



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動力ユニットの全体像。床下機器の話は次回。




続きはこちら→大宮の103系訓練車を作る(2/4) - 日ノ出前検車区


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